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朝日新聞記事の感想

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2024年8月の記事一覧

自分を肯定して逃げるという高見盛のストレスコーピング術

自分を肯定して逃げるという高見盛のストレスコーピング術

先週、1面に載っていた連続起業家 家入一真さんのインタビュー記事。

これで思い出したのが、何年も前の記事だけれどサムネイルの力か度々ランキング上位にあがってくる高見盛のインタビュー記事。

高見盛が東関部屋を閉めた当時

高見盛が、稽古場では力を発揮できなかったことも、ファンとのふれあいができないことも、決して怠慢ではない。本人は懸命で、求められる振る舞いができていないことについて自覚的である。

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「こ、これがマイクロアグレッションか……」市川沙央さんの語りで私が好きなところ

「こ、これがマイクロアグレッションか……」市川沙央さんの語りで私が好きなところ

「読書文化のマチズモを憎んでいた」のインパクトで読書バリアフリーという一石を投じ、昨年の文壇に新星として輝いた作家の市川沙央さん。実は東京パラリンピックの開・閉会式をきっかけにして、当事者をどう描くかという「障害者表象」を大学の卒業論文のテーマとされたようで、パリパラリンピックの開会を前にしたインタビューに応じている。人工呼吸器を常用している市川さんへのインタビューは、書面インタビューのかたちがと

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御年93歳、秦早穗子さんからアラン・ドロンへの弔辞

御年93歳、秦早穗子さんからアラン・ドロンへの弔辞

なんという美文であろうか。しかし文章が美しいだけではない。秦さんにしか書きえないことが書いてありながら、過剰な自分語りではない。故人を偲ぶ気持ちがあり、同時代のフランスの芸能を知らない日本の読者への配慮もある。

秦さんは1931年生まれとのこと。かねて著作にしたためてきたエピソードであって、訃報を受けて65年前の記憶を引っ張り出したわけではなかろうが、俳優の全盛期を活写した筆致には舌を巻く。

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アゾフ海、パラリンピアンの遥かなる故郷の海

アゾフ海、パラリンピアンの遥かなる故郷の海

 五輪が閉会して2週間も経つのに、朝日新聞デジタルのヘッドラインにいつまで「パリ2024」が掲示されているのかと思わなくもなかったが、明日28日よりパリパラリンピックが開幕する。
 今日27日の朝刊紙面より、故郷を追われる苦難のなかでパリにたどり着いたパラアスリートを紹介する記事。

 マリウポリの平時の海の様子は知らないが、クリミアに海水浴に訪れるロシア人の様子は開戦当初によく目にしたので、黒海

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インクルーシブな農園

インクルーシブな農園

今日の天声人語は、障害を持つ子を持つ親としては勇気づけられる話だった。

きっかけとなった母親のお子さんがどういった障害、そして個性をお持ちかはわからないが、我が子と自身に重ねてみて、子供の可能性を信じる姿勢に感銘を受ける。

別記事によると、特に知的障害者の雇用先として農業はポピュラーらしく、「代行ビジネス」の担当者がその理由を次のように説明している。

この記事をみるに、代行ビジネスへの批判は

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女性の活躍推進にはエイジェンシーが重要という道聴塗説

女性の活躍推進にはエイジェンシーが重要という道聴塗説

ヌエックが新法人となり埼玉県嵐山で存続することはジェンダー取材のベテラン杉原里美記者の記事で知っていたが、

下記のWebメディアの記事によると独法として換骨奪胎されると警戒する声があるらしい。

差別撤廃と活躍推進とでは語感や理念が異なることはわかるけれど、いずれにしても国外向けのポーズに留め置くのでなく、端的な改善指標であるジェンダーギャップ解消に実効的な行政であればと願う。
ダイバーシティ実

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新聞記者の舞台裏エッセイに対する許容性

新聞記者の舞台裏エッセイに対する許容性

この記事に対する西田亮介先生のコメントプラスについて

新聞記者の自分語りは、育児・介護・在外経験などの苦労話だとさほどでもないが、時に私も鼻白むところがある。一方で、西田先生の度々のエモ話批判の鋭利さには気圧されるばかり。他のメディアと対比した、オーソライズされた情報源としての価格に見合った価値提供を求めているからこそのサービス改善要望だろう。私のように全国リベラルコミュニティ機関紙、緩やかなエ

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