充実したセカンドライフに向けて ~ 介護 2013 ~
介護特別編では、まずわかりにくい介護の仕組みを理解することからスタートしました。
ここからは、2013年において母の介護をどのように進めていったかをお話しすることにします。
私は学生生活2年目、母のディサービスも2年目に入り、お互いに新しい生活にもなれていきました。
母と私の日常は、次のとおりです。
7:30 朝食づくり、洗濯、掃除
8:50 デイサービスからのお出迎え
9:00 母はデイサービス
私は大学へ
16:50 大学から買い物をして実家へ
17:10 母デイサービスからの帰宅
17:30 夕食の準備
18:00 夕食
19:00 自宅へ帰宅
学校が休みの日や土日は、訪問介護サービスを利用しながら私が主に母の介護を行っていました。その間に入院中の父の面会や家事全般、役所の手続き関係なども行っていました。
今回は、「認知症をテーマ」に母への実体験に基づいたケアについて話を展開することにします。
ここでは、新たに看護師、認知症専門医が加わり、ストーリーが展開されます。
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主人公 パキラ👨✈️ ・・・ 主に現ストーリーを展開していきます。
看護師 Aさん 👩 ・・・ てきぱきした明るいおねえさんです。
医 師 E 先生👨⚕️ ・・・ 認知症診療の専門医師です。
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1 認知症発症の経緯
この年は、母の認知機能の衰えが心配な年になりました。
母は90歳近くなるにつれ、お金の管理が次第に怪しくなり、お金が見当たらなくなった場合に私👨✈️のせいにするようになっていきました。
そこで、近くにある脳神経内科のあるMクリニックで診てもらうことにしました。主な検査内容は、認知機能テストと脳のCT画像検査でした。
看護師Aさん 👩が、まず認知機能テスト行い、E 先生👨⚕️ がCTとテストの結果および母と私との面談を踏まえ、総合的な判断をします。
そして、E 先生👨⚕️の判断結果は、アルツハイマー型認知症(軽~中度)というものでした。
👨⚕️先生曰く、高齢者の4人に1人はMCI(軽度認知障害)もしくは認知症で、認知症の中でも約5割はアルツハイマー型認知症が占めるそうです。
この病気には、当然特効薬がないため、「認知症状」の進行を抑える薬とディサービスなどでの生活を大切にしながら、その進行を遅らせることになりました。
ここでは、私👨✈️の実践した「認知症の理解と教訓」について、失敗談も含め紹介することにします。
2 認知症の理解
*MCI(軽度認知障害)
認知機能の一部に障害が見られるものの日常生活には支障が出ていない状態
【三大認知症とは】
*アルツハイマー型認知症
『もの忘れから気付くことが多く、今まで日常生活でできたことが少しずつできなくなっていく病気』
新しいことが記憶できない、思い出せない、時間や場所がわからなくなるなど、個人差が大きいのが特徴。
ベータたんぱくなどの異常なたんぱく質が脳にたまって神経細胞が死んでしまい、脳の萎縮が進行(諸説あり) ⇒ CTやMRIで画像判断可能
*レビー小体型認知症
『レビー小体という特殊なたんぱく質が脳内に生じることで脳神経細胞が破壊され、それに伴い発症する病気』
初期は認知機能の低下よりも手足の震えや動きが遅くなったりとパーキンソン症候群特有の症状が現れるのが特徴 ⇒パーキンソン病に間違われやすい
*脳血管性認知症
「脳卒中(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血など)による、脳の血管の詰まりや破れから生じる病気」
脳血管障害により脳細胞が死滅することで発症する認知症で、脳細胞の損傷によって身体麻痺や言語障害、記憶障害などが現れるのが特徴
認知症については、医学的文献や研究によって見解が分かれていることも多く、まだまだ分からない点も多い病気です。
まずは、認知症の概要を理解し、疑問な点についてはご自分で調べることをお勧めします。認知症の理解を深めることは、より的確な介護につながるものと確信しています。
3 認知症の教訓
教訓その 1 MCI(軽度認知障害)で専門医の診断を受ける大切さ
初期の「アルツハイマー型認知症によるMCIと老化によるもの忘れ」は区別が非常にわかりにくい点にあります。
誰もが年齢とともに、脳の老化により以前の出来事や名前などが思い出せなくなったり、「もの忘れ」が多くなっていくものです。
一方、母は財布の紛失など、お金の管理がずさんになっていきました。
たまにガスの消し忘れなどもあり、私が協力してお金の管理や料理などに参戦していきました。
この時点では、父の介護もありそんなに深刻に捉えていませんでした。
(単に認識不足で、老化に伴うボケみたいなものと考えていました。)
しかし、認知症は、脳の神経細胞が壊れるために起こる症状や状態です。
MCI状態でその進行の改善や遅らせることが重要になってきます。
認知症が進行すると、だんだんと理解する力や判断する力がなくなって、社会生活や日常生活に支障が出てくるようになります。
私が実際、母を専門のクリニックに診せたことで、MCIより進んでいてCT画像でも脳の萎縮が始まっているのがわかる状態でした。
手遅れになる前に、「認知症と老化によるもの忘れ」の違いを認識することが大切となります。
教訓 その2 想定以上に効果があったディサービス
認知症の改善や進行を遅らせるためには、薬物療法と非薬物療法の二つの方法があります。
《薬物療法》
「認知症状」の進行を抑えるための認知機能改善薬と、「行動・心理症状」の軽減を目的とした向精神薬によるものなどがあります。
年齢にもよりますが、改善効果はほとんど期待できず進行を抑えたり、緩やかにする薬が一般的です。
《非薬物療法》
脳トレやゲームなどのリハビリテーションや、料理や洗濯などの生活リハビリがあげられます。他にも運動療法をはじめ、音楽療法、回想法など多岐に渡ります。
私の経験上、薬物療法よりも非薬物療法の方が効果が高かったと考えています。特にディサービスでは、脳トレやゲームなどのリハビリテーションをはじめ、リハビリ機器を使った運動療法、カラオケなどの音楽療法があり、楽しそうに帰ってきた母が想い出されます。
是非、ディサービスの活用なども考えてみてください。
【 最後に 】
介護は長く苦しいことも多くあります。
その時は、一人で悩まず、まずご家族👩🦱やご兄弟👦に相談してください。
また、ケアマネや行政にも相談することが大切です。
きっと良い解決策が見つかります。
その上で、主治医の先生👨⚕️をはじめ、看護師👩、介護士、ヘルパーなどとできるだけ良い関係を築けるように努めましょう!!
そのことが、長く終わりの見えない介護を続ける礎になるはずです。
厚生労働省によると、2025年には認知症の数が700万人に達するともいわれています。
介護は他人事ではなく、次はあなたの番かもしれませんよ...
では、次回にまたお会いしましょう!!
次回では、「健康づくり 運動編」を中心としたストーリーが展開されていきます。
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