これであってますか...?答え合わせはもうやめにしよう
「これであってますか…?」
自分の意見よりも、常に正解を探したくなる。
自分に自信がないし、自分より優秀な上司の方が正解を持っていると思ってしまう。
家では親が、学校では教師が、仕事では上司が、常に自分よりも知識のある周囲の大人が正解を持っていると思わされてきた。
そんな状況だったのに、突然急に意見や考えを求められる。
「あなたのやりたいことは何?」
「あなたはどうしたいの?」
答え合わせしかしていないのに、自分の意見があって当然とばかりに問いかけられる。
「意見のないやつ」
「ちゃんと考えた?」
何とか捻り出した意見は、現状を何も変えてくれない。自分さえも出した意見に自信がない。
今まで誰かの敷いた道を早く歩く方法ばかりを考えてきた。学校のテキストのように、答え合わせをする方が効率的だと思っていたけど、どこかで行き詰まってしまう。
そもそも別の道があるのか、なぜこの道を歩かないといけないのか。
そんな自分だけの答えを見つけるには、「答え合わせ」や「答え探し」よりも、そもそも自分の「問い」が大切なのかもしれない。
こだわりや意見がないのは何も知らないから
何でも受け入れられることは美徳だと思っていた。
絶対にこうしたいという強い想いがないから、まあそんなもんかと受け入れてきたし、相手の意見を尊重してきた。むしろ、なんでそんなにこだわりがあるのか、強い意見を持てるのか不思議だった。
強い意見やこだわりがないのは、何も知らなかったからなのかもしれない。そのことについて何の知識もないと、「まあ、そんなもんか」と全てを受け入れてしまう。親や教師や上司が言っていることが全てで、それに疑問を持つことができない。誰かの押し付けた常識が全てで、それに合わせられない自分を否定してしまうことになる。
自分の答えや意見、こだわりは、知ることから全て始まるのかもしれない。
神は死んだけど、私たちは生きている
「神は死んだ」
19世紀を生きたニーチェの有名な言葉。神のような絶対的な存在せず、人間は神の力ではなく自分の力で生きていくしかない。人間は世界の真理を追求した結果、縋るものがなくなって自分の足で立たなければいけなくなってしまった。だからこんなにも、正解や答えを探してしまうのかもしれない。
約1万3千年前に人間が定住生活を始めたとき、身の回りの自然環境を理解し、支配しようと考えた。メソポタミアでは、洪水による自然の恵みをコントロールするために暦が生まれた。
そこから、温暖化の影響や鉄器が普及したことにより、余剰生産物が生まれれ、人間は何もしない時間ができた。ソクラテス、プラトン、アリストテレスが、自然環境の理解だけではなく人間の内面に対して疑問を投げかけるようになった。人は何のために生きているのか、人間とは何なのかという問いが新たに生まれた。そして、キリスト教、ユダヤ教のような絶対的な神が生まれ、多くの人は神を信じれば幸福に生きていける時代になった。ただその時代も永遠ではなく、神に疑問を持つ人間が現れた。世界に生きる生物は神がデザインしたのではなく偶然の産物であるとダーウィンは考え、ベーコンは観察や実験に基づいて世界の真理を追求した結果、科学が勃興するようになった。
そこから今までの神は死んだ。産業革命と資本主義によって、お金と技術が新たな神になったのかもしれない。非科学的なことは現実と認められず、データと根拠があることが価値になり、お金を稼げないと幸せになれないと思うようになった。物質的なモノの価値が上がりすぎて、目に見えず、言葉にできないモノは価値を無くしてしまった。
自分の信じるものより、目に見える明確なモノを信じざるを得なくなってしまったからこそ、こんなにも生きづらいのかもしれない。
技術が進んで、問題の解き方はAIが教えてくれるようになっていく。でも、どうやればいいかがわかっても、何をやればいいかは教えてくれない。どう生きるのが自分にとって幸せかも教えてくれない。
そんな現代だからこそ、今すぐに役立つものより、空想やビジョンや自分の答えを広げてくれる哲学、宗教、歴史、文学、芸術といった学問が必要なのかもしれない。
今の価値観が絶対じゃないと知ること、自分がどうしたいかを考えるには、幅広い歴史や、様々な価値観を知ることが大切になる。
自分の答えを見つけるための問いかける姿勢
様々な知識を得て、そこから自分なりの答えを見つけるには、目の前の物事に対して問いかける姿勢が必要になる。
その仕事の意味は何か、自分にとって幸せな生き方は何か。ありのまま受け入れないための知識と、目の前の物事を自分なりに受け入れる問いの姿勢が重要になる。
問いには様々な視点がある。
※図解や視点のまとめは本から解釈で要約したものです。
いろんな角度で物事を問いかけることで初めて、自分なりの答えや正解を見つけられるのかもしれない。
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