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現代の三毒: 心配、不安、恐怖

不安という心の動きは誰でもある。不安には機能的な面もある。
安楽ばかりに埋もれていると、廃用性萎縮によって心も使い物にならなくなるに違いない。

不安は危険回避に不可欠であることから将来の展望を考える前頭前野あたりの働きにも関連しているはずだ。

不安がなければ、将来のことを考える必要がない。通常なら、身につけようとする、生きていくための知恵の獲得も必要がない。
そうなると、それに関連する脳の廃用性萎縮も生じるかもしれない。

身体にしろ心にしろ、いらないと思えても、いらないものは何一つとしてないのだ。完璧に全てが用意されているようにさえ思える。

仏教では、貪瞋痴が人間の三毒といわれるようだが、知恵も手に入れやすく、貪る必要性も少なく、怒りを制御する技術もある。仏教の三毒は制御されたのだろうか。

ぼくは、現代を生きる人間の三毒は、心配、不安、恐怖ではないかと考えている。

現代は、生きていくだけなら、物質に限れば、昔よりも生きやすいはずだが、それによって、心の不安も消えて生きやすくなったとはいえない。

現代の三毒である心配、不安、恐怖をどう制御するかの課題(challenge)を乗り越えることは、まだまだ先になりそうだ。