悪い奴ほど静かだ。

虚勢を張って
吠える奴は
たいしたことない

「おいこらー」と
肩で風切って歩き
すごんでくるような奴は
臆病者しかいない

「老い来ら～」じゃない
わしは「若い」
と、反抗するのは
ウチの冒険者
おじいちゃまぐらい

「いいかよく聞け
老化（廊下）じゃないぞ
わしは教室がええ」

ギャグを言いながら
殴りかかる変な人に

「殴るなら殴れ！
覚えとけ！
ただじゃすまないからな？！」
とおじいちゃまが
声をはりあげると

怖気づいて
逃げ腰

横から叔母さまが飛び出し
ボクソサイズで学んだ
キックを・・・

おじいちゃが１１０番を
押したまま
抵抗してたので

おまわりさんも
たくさんきた

おじいちゃまは
ずっとずっと
ボクの前から
離れなかった

「怖くないからな
見とけよ
あぁいう人は臆病者だ」

ボクがみつめると

「なにみとんだ！」と
ボクに罵声を浴びせる

するととうとう
おばあちゃまが

ジッと睨みつけて
「一緒に
お茶でも飲みます？」

嫌味を云って遮る
黙って睨む

おまわりさんに
囲まれて
連れていかれた
泥棒さん

近頃近所で
ウワサされてた
空き巣の
泥棒さんだったようだ

ウチの家に来たのは
間違いだ

セコム以上に警備体質
居住人数も多く
庭を通って
他の住人も出入りする

何より
脅しに強すぎる
保護者らだ

冒険者おじいちゃまが
「あんなのは平気だ
お金に困って盗みに入る
頭の悪い奴だ
恐ろしいのは知的犯罪者
実行犯にはならず
かげでコソコソと策を練る
暴力や人殺しも厭わない
犯罪者はとても静かで
善い人のように見える
気を付けるんだよ？」

目を見て話すと
必ずわかる
誠意なのか
ヤクザな心なのか
ハッキリわかるよ

もしも１人で
遭遇したら強がらず
我慢もせず
耐えなくてもいい
生きて逃げることを
考えるんだ

「おじいちゃま
ボクは自信無いな
見分けつかないよ」

「ハハハそうか」

おじいちゃまは
軽やかに笑い
過ぎてゆく

空き巣犯と
遭遇した
怖い一日になった

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ボクの車イスは
施設でもらった
中古の処分品だったもの
叔父さまが修理してくれた

車イスには種類がある
自走式の物
手押しの物
電動アシストや
競技用や
どれもこれも
慣れるまでは
なかなか手ごわい

それでもボクは
立ち上がれるし
つたい歩きもできる

保護具無しでも
歩いたりもできる

ただ走ることは
できない

保護具無しの歩きも
自宅の中とか
慣れた施設内とか
学校内や病院など

何度も駆けっこに
挑戦したけど
顔から落ちるように
コケる

もちろん
車イスは子供用と
大人用もある

背もたれのあるものや
寝て座れるようなものも

そして今
車イスを卒業するために
作戦を練ってる

冒険者おじいちゃまが
「車イスやめたら？」と
気安く云う
けど、それがいい

車イスあるから
頼ってしまい依存してる

なので卒業して
歩く努力をしようと
決めた


それじゃ
またあした
いつもありがとう