命の使い方。
ここは天国
極楽浄土。
ヤクザ映画では
「シャバ」という
ボクらの暮らす日常の世界
仏様の用語では
「娑婆」と云うので
そのように言うらしい
ヤクザなひとは
仏様信仰かな?
娑婆の世界から
亡くなったときに
極楽浄土へ旅立つとか
多くの人が認知する
キリスト教の神様の世界も
亡くなってから
天国へ召される
天国への階段をゆく
また八百万の神さまと
ボクら庶民は別で
世界も別で死んでも別って
考えもあるらしい
仏様も神様も
どんどん枝派が別れ
会派によって考えも信仰も
異なるので難しいが
いわゆる
まぁ亡くなると
素敵な場所へ魂が旅立つと
考える人間が多いということだ
もちろん
どの考えにも
ちゃんと理由はある
嘘ついてるわけでなく
考えの違いと思いたい
信仰に信じる力は大切だから
ボクの考えだが
命が尽きたとき
肉体は燃えたり
自然にかえる
犯罪者も
真面目な人も
貧乏人も
大富豪も
みな平等に寿命があり
病にもなり
命尽きる
いじわるなひとも
残酷な人も
独裁者も
親切な人も
優しい人も
たくさんを救う偉人も
どんなふうに生きるかは
どんなふうに死ぬかに
通じる
何のために
生まれてきたんだろう
困難な日々を過ごしたとき
何万回も考えた
死にたい
苦しくて辛い時
何億回も考えた
いつも
この世から逃げて
すべてを捨てて
死後の世界に
すがりついた
環境が悪い
人が悪い
状況が悪い
身体が悪い
病気が悪い
自分の運命を呪ってた
逃げても逃げても
暮らしを変えたくても
新しい母親の虐待も
保護施設での虐待も
学校での虐めも
何もなんにも
全く変わらず
ついてまわった
もう死んだがいい
何回も何億回も
世を恨んで
そう考えた
友達も無かった
SNSで知り合うと
仲良くなれたのは
同じキモチ
同じ感情のひとばかり
それも実際に会うと
「誘拐」されかけた
「事件」になった
悲しかった
事件になった事実より
SNSでの「きみ」は
架空で妄想で想像でしかなく
優しく穏やかな「きみ」は
その事件によって
「消えた」
そう「犯人」であるという
事実より
信用した「きみ」を失った
その真実に心壊れた
何もかもが
地獄に見えた
そんな時
首をくくろうと
母の遺品のたくさんある
蔵に入った
母の大切な書籍が
たくさんあった
どれも読んだものだ
脚場をつくろうと
書籍棚に足をかけ
踏み外す
下にある段ボールに
悪いほうの足が
ズボッとハマった
「母さんごめん
本ふんじゃった」
整え直そうと
箱を開けると
たくさんのノート
『今いる場所が寂光土』
そう書いてあった
なんだろう?
見ると日記帳だった
A4の普通のノートがぎっしり
下の段ボールもすべて
日記帳
その場に座り
読み始めた
かかれた日付からすると
母の高校生ぐらいのものだ
気づくと何時間も座って読んだ
首吊りロープを
頭上に垂らしたまま
ボクは声をあげて泣いた
「かああさああん!!」
母手記:どんな場所にいても
そこがあなたの場所
天国も地獄も
どこか遠くにあるわけじゃない
この場所なのです
人生は苦難の連続です
生きることは
修行より過酷なものです
生きながら
その試練を乗り越えた先に
目の前がひらけるのです
ここで変わる
変えると決めて
向かい風を受け歩く先に
自分の運命を変え切り拓く
力がある
どんなに環境を変えても
自分の運命からは
逃げられない
逃げても同じような壁に
またぶち当たる
だから逃げずに
立ち向かうしかない
必ず変わります
現実を離れた場所に
理想郷など求めるのではない
今あなたの目の前を
自身で理想郷に変革する
その力は誰にでもある
あなたにある
変えようとするひとにある
はやく気づいて欲しい
あなたの今いる場所は
寂光土なんです
あなたは幸せになるため
生まれてきました
幸せになります
母の手記はここで終わってる
これは赤ペンで殴り書きだ
他のページにもいくつか
赤ペンの箇所がある
何か本の写しかな?
前後にその記は無い
気づくと蔵の
小さな窓から差し込む光
斜めになって
ボクを照らす
宙を見上げると
埃が舞ってるのがわかる
母が命がけで与えてくれた
ボクの命
ボクは消そうとしてた
ボクは決めた
もう虐められても
苦しくてもいい
ボクの命は
ボクみたいに苦しむ人
ひとりでも多く
母みたいな勇な人
ひとりでも多く
その方々のために使おう
命を使うと書いて
「使命」と言うんだ
ボクにその日から
「使命」ができた
ボクみたいに
SNSで文字としか
接触できなくなってしまったひと
親から離れた人
親に不要にされた人
親から捨てられた人
子供から離れた人
病気で苦しむ人
障がいで悩む人
イジメや虐待で死にたい人
そういう
ボクや母さんに
共通するひとの
心と対話しよう
それが
生きる希望に
変化できるように
言葉では簡単だが
容易では無かった
たくさん
バカにされた
邪魔もあった
偽善者と罵られた
だから応えるために
たくさん学んだ
闘いだった
それが良かった
そう思った
だから馬鹿にしたひと
邪魔したひとにも
感謝できるようになった
短気起こさず
自身の意見を言えるように
ずいぶんなった
本当にありがたいと思う
保育園のとき
育てたアサガオは
支えを立てたが
風で折れたので
横へ横へとツルが巻き
枯れる結果になった
草木は素直だ
人間と同じだ
ひとも支えが間違うと
間違うほうへ
どんどん進む
それも経験かもしれない
しかし取り返しが
つかないこともある
ボクは「使命」するためにも
学んで「間違い」をしないように
心がけたい
もし間違えても
何度でも戻って
挑戦しなおそう
母のようなひとの
助けになろう
ボクのようなひとと
一緒に生きよう
学んだり競ったり
ケンカになったり
口論したり
兄弟の無いボクに
兄弟が世界中に存在すると
そう考えた
気づけば
目の前が明るく
まるで今まで
目を閉じていたかのようだ
生きる意味をみつけた
死ぬまでに
やらなきゃならないこと
たくさんできた
母さんのおかげだ
いや
死のうと思うほど
嫌な思いさせてくれた
状況のおかげなのか?
全てが自然と変わってゆく
そう感じた
誰かに云われたんじゃない
心の中で変革が始まった
ボクの命は
ひとのために使う
そう決めた