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TC療法全クール終了。2024夏を惜しむ散策。

冒頭は『治療ルームの卒業を告げる』患者のベルを、鳴らしている自分(カラン、カラン♫、写真ぶれてますね)。最後はスタッフの皆さんが総出で、私を見送ってくれました。

とはいえ、未だに抗がん剤の副作用が抜けきっておらず、用心しながら体力回復を兼ねて、家の周りを散策しています。全クール終えたという、心からの開放感を味わうのは、もう少し先です。

なにせ違和感の強いCVポートが、左胸部にインプラントされたまま(CT検査後、抜去予定まで)は改造人間みたい。

ド派手に全身じん麻疹を起こしてからヒフが弱く、ちょっとの刺激で新たなじん麻疹が出来ては消え、それは以前の私とは程遠い。

厚手のソックスを2重にしないと立位もできず、手のひらも同様、まだ手袋を2重にする生活です。

日焼けによるシミと乾燥状態の悪化を恐れて、散歩の歩数を稼げる草原でなく、あえて木陰の道を行く。消極的な理由ではあるけれど……。

しかし、一般的に言って、森林浴は良いことですね。

2時間の森林浴でNK細胞の活性化が期待できて、1ヶ月後までその効果が継続しているそうですよ。

現実問題、今の私は30分が限界。でも草原の反対側は、森林と山なんです。毎日歩いて木々のパワーを分けてもらい、早く元通りになりたいです。

お肌のターンオーバーは1ヶ月くらいかな?
抗がん剤に翻弄されたヒフは、もう少しかかるかもしれません。



TC療法、副作用まとめ


散策に出る前に、サクッとまとめていきます。

1クール目は浮腫みにビックリ。
2クール目はそれに慣れた。

3クール目は全身じん麻疹。
4クール目は予防的にアレルギー止め内服でやり過ごす。

たった3ヶ月で終わる乳がん術後化学療法なので、心肝腎、重要臓器に支障なく、またCVポートのおかげで腕の血管にも影響なく済みました。

その他。参考までに。
・口腔内トラブル
 口内炎は全クール通してなかった。
 白血球製剤(グラン注)のおかげと思う。
 ただ毎回舌が腫れて、1週間舌苔がつく。

・味覚・嗅覚障害
 1クール目だけあった。その後なし。
 口腔の清潔と室温に冷ました食事で味蕾を保護。
 匂いはアルコールっぽいのが苦手だったくらい。

・脱毛
 生え際に残る頭髪に帽子を被って過ごす。
 眉毛、まつ毛、鼻毛はほぼ残存。

・食欲
 投薬直後の1週間、毎食前の制吐剤内服で完食。
 最終的に体重の増減なし。

・下痢
 投薬日の晩だけ下痢になる。便秘なし。

・手足症候群
 手の爪が軽く変色。変形や指先の痛みなし。
 足のしびれが時おり。すぐに治まった。
 浮腫みは毎回一時的。

・鼻汁、涙液
 ときどきあったが、止まらないことはなし。

・発熱
 投薬後3日目から10日間、午後になると微熱。
 全身じん麻疹の3日間、37.6℃。これが最高値。

・蓄積したもの
 ステロイド内服休薬中も高血糖ぎみで推移。
 糖尿病の既往はないが、食事に気を遣っている。
 筋肉痛、疲労感などの蓄積は軽度。
 走ると息切れあり。

と、まあ副作用は、全身じん麻疹以外、わりと軽め。微熱のときは、子どもたちが家事を代わってくれた。

救急外来を受診したのは2回。
 1回目、急激な浮腫みで息苦しくて。
 2回目、全身じん麻疹で。


副作用の間、私を見守ってくれていた家族に感謝。

そして、全身じん麻疹をじっと耐えた自分も褒めてあげようと……。

化学療法は、3ヶ月ぶんの人生の寄り道でしたが精一杯、再発リスクを下げつつ、自分のもてる根性、活力の閾値を上げた。これは他では得難い経験だったと思います。




さあ、出かけよう。


家の周りの散策は坂を下った先の、小さな木戸からスタートです。木戸までの急な下り坂は、冬は凍結してツルツル。家を河川の氾濫に巻き込まれないよう、高台に造ったせいなんです。

左上が木戸で、手前は中々咲かない向日葵(9/13開花)。
その下の紫色はオレガノの花。蜜蜂が盛んに降り立ちます。


木戸の上のハックルベリーは一応庭木。種が大きく味のない果実は生食に向かず、野鳥ですら最後の選択肢として飛来。
2,3cmの硬いトゲはとんでもなくシャープ。しかし、これを避けて頑張って実を収穫して、美味しい自家製ワインを作った年もあります。うちのヤギたちは自身の腹でワインを作る気なのか、フェンスに前脚をかけてくるので、重さで下のフェンスが写真ではお見せできない状態です。


写真撮影しながらの私の歩みが遅いので、戻って来たカタフーラのロビーくん。街へ行くには200m続くこの私道を通る。クローバーと水溜まりが、轍の間に続く夏の林道。


振り向いた側の私道。終点の陽だまりに、さっきのハックルベリーと、うちのシンボルツリーのコットンウッドがある。

↑この記事のどこかに生まれたばかりのロビーくんも写っています。

↑自分の記事はふだん宣伝しませんが、終点のシンボルツリーとその先の風景写真になります。


道沿いにあるレッド・オシアー・ドッグウッド。
直訳すると赤枝ハナミズキですが、日本のよりも小ぶりな花で、夏につく白い実を先住民は食用にしたそうです。
ドッグウッドの由来は昔、枝を煮込んだ汁で犬のヒフ病を
治したからだそうですが、人間の咳止めにもなるらしい。


これは野生のサワーチェリーで小ぶりながら、
園芸種と同じく、爽やかな酸味と渋味が特徴です。

英語発音で言えば、タルトでなく「タート(酸っぱい)チェリー」。ジュースに加工もできるけど、

これはその場の生を味わうのが一番。家の近くまで熊が食べに来て、私と「こんにちは」したら怖いので、何日かに分けて食べきります。

※ ちなみに英語でお菓子のタルトはパイと言って、タルトと言っても通じません。


こちらはティンブル・ベリーと言います。
直訳で「指ぬきベリー」。果実が薄ピンクから赤くなると、
食べ頃です!! 親指サイズの半円形が名前の由来。
イチゴの甘さに、ほろ苦さを混ぜたような、焼きイチゴ味?
野生なのに、ほろっとジューシー、絶品です。



これはスノーベリーの花です。
萩の仲間らしく楕円形の葉っぱが特徴です。
こちらがスノー・ベリーの実になります。残念ながら、
多食するとお腹を壊します。小さな子どもはマシュマロ
みたいとつい食べてしまうそうです。


家に引き返す途中、毎回足元のカモミールには「おおっと、踏まないで!!」と言われてしまいます。これは花びらのない野生種で、香りはいいですが、地面スレスレなので(草丈3〜5cm、実寸大)、蜜蜂が止まったところは見たことがありません。


こちらは西洋ノコギリソウ。別名ヤロウ。うちでは野生の
ハーブです。若葉のころは草餅に練り込み、花が咲くと、乾燥させてお茶にします。女性のためのお茶といわれ、昔から鼻血止めやキズ薬としても利用されてきました。
風でコットンウッドの落ち葉が舞います。もうすぐ秋です。


次回は林道の中ほどから、白樺とキノコの山に分け入ります。お楽しみに。



迷い鳩、ポッポのこと。


最初はよそよそしかったのに、すっかり長女に懐いて、足元でエサを食べているポッポです。鳩って目の周りが白くて、
鼻のうがハートでかわいいですね。カメラ目線もラブリー。

ただ、昼間はエサをおねだりして干し草小屋にいるのですが、夕方になるといつも、南東の方角へ向かって飛んで行って朝まで帰ってこない。

まずはポッポに付いている、手がかりの足輪。
二桁の数字の足輪が、何故か逆さまに付いていて、
反対側の足には無地の足輪。連絡先もない。

不思議に思って迷い鳩のことを調べた長女で、
判ったことは、鳩の行く末には悲しい結末がかなりあったそうです。

オーナーの所へ帰れた鳩だけに連絡先を付ける。
脱落鳩はそのまま野生か街の野良鳩になるらしい。

決められた時間内に帰って来れなかった鳩は、肉用や狩猟のターゲットになる運命。

半分野良のポッポは、これから厳冬、どうするつもりなんでしょうか?

長女は「うちの子にする」と言っていますが……。

うちはエサ場で、たぶん一番近い街の、似たような境遇の仲間とともに、ねぐらで夜を過ごしているような気がします。繁殖の時期になったら、うちへは来なくなるんでしょうか?

うちと往復するだけでも、毎回タカやトンビに襲われるリスクもあって……。

今後の展開はいかに?


ずっと忘れたくない、この夏。


春から治療続きで夏を楽しむ間もなく、季節は過ぎようとしています。

「将来、他のジャーニー(旅は旅でも、がん治療の過程を言っています)があっても、あなたはこの治療は終えたのよ。おめでとう!」

冒頭の卒業時、最初ベルを鳴らすか迷っていた私に、ナースが言いました。

再発したくない。だけど、『その時はその時』なんだ……。


左端がシンボルツリーのコットンウッドの大木です。

針葉樹の常緑にも心和むけれど、力強く夏日に照らされ輝くような広葉樹の緑も大好きです。

この夏の写真たちを、『その時』を頑張る源として、急ぎこの胸に納めることができました。

最後までお付き合い、ありがとうございます。



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