![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/136784713/rectangle_large_type_2_39c7d9f3225a1dc0da99941feb1057c3.jpeg?width=1200)
足元にある幸せ
ところどころ雪が残る山深く先、沢の流れる森を進む。
雪解けが間近であることを、小さな姿形で伝えてくれるものがある。
北海道で暮らす人たちにとっては、長い冬が明けた証のような存在。
蕗のとう。
水が豊富にあり、風がそこまで強くない山の傾斜なんかで
豊富に咲き誇ると言われている。
北海道ではそれはもう、至る所で自生し、
春の訪れを皆に、謡うように教えてくれる。可愛い。
![](https://assets.st-note.com/img/1712709198073-w3SsQDESr3.jpg?width=1200)
これまでの私は、
蕗のとうをはじめとするわらび、筍、ギョウシャニンニクなど
山菜と呼ばれるものをを自分の手で採り、料理するなんてことを
したことがなかった。去年、職場の敷地で採れた筍を譲ってもらい、
大鍋で仕込みをして煮物や炊き込みご飯にして
食べたという特例はあるものの、
パッキングしてあるものを買う、外で誰かが調理してくれたものをいただく、大抵はこの二択。
それが北海道に来て、雪解けの足元を彩る蕗のとうを目にするうちに
「自分の手で採って食べたい!」と思うようになった次第。
「そんなの雑草だよ」
「こっち(北海道)のはアクが強くて食べられないよ」
私がせっせと腰を落として採っている様子を見て
そんなことを言う人がいた。近所のお爺さんである。
教えてくれてありがとう、でも食べる。
![](https://assets.st-note.com/img/1712707925222-kposTN3vBc.jpg?width=1200)
私のような半ば都会からやってきて、
道のほとんどがアスファルトで覆い固められたような
そんな場所で育ってきた身からすると
土があることも、山菜が顔を出すことも、全部すごい。
もしくは、以前暮らしていた場所にも
探せば咲いていたかもしれないけれど
気が付かなかった。目を向けようとしなかった。
あまりにも当たり前に、且つ数多にあるものであればあるほど、
見ようとしなければ、あることにも気づけない。
今は、そうした時間を取り戻すべく
自転車を漕ぎ、町を歩き回り、土に触れている。
春の訪れを、長く厳しい冬を越した喜びを
全身で伝えてくれる小さな蕗のとうは、
足元にある確かなものの尊さを私に教えてくれた。
ここからは、ふきのとうを実際に食べた日の記録
![](https://assets.st-note.com/img/1712708228995-DiAJU0DF8U.jpg?width=1200)
蕾が開き、花が咲いているものは苦いので
開く前のものを選ぶのがいい。
アク抜きは、沸騰したお湯に入れて2〜3分ゆがいたあと水にさらして一晩。北海道のはアクが強いといったお爺さんを思い出しながら、念入りに。
5〜6個ほどは天ぷらに、残りはばっけ味噌にした。
ばっけ味噌 (小ぶりふきのとう7〜8個分)
こめ油 大さじ2
みりん 大さじ2
砂糖 小さじ1
味噌 大さじ4
蕗のとうを細かく刻み、油と一緒にフライパンに入れ、しんなりするまで炒める。
味噌、みりん、砂糖を加え、みりんのアルコールを飛ばすように炒めたら完成。
![](https://assets.st-note.com/img/1712708908711-RYlcs36x2g.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1712708965636-Mu9sYfkJJo.jpg?width=1200)
ふきのとう動画、youtubeで近々公開します。
読んでくれてありがとう!