変化など不可能主義 (気候変動対策抑制カード12/12)
気候変動対策推進の足を引っ張っているさまざまな「主義」を、カードでご紹介しています(カードに関する詳細は最下部にてご覧ください)。
いかなる排出量削減対策であろうと、現代人の生活様式や人間の本性に反するものなのだから、民主主義社会でそれを実現するのは不可能だ。
CHANGE IS IMPOSSIBLE | 変化など不可能主義
変化など不可能主義者の主張には、「カーボンロックイン」の要素がたいていいくつか含まれている。主に、社会的受容性、グローバル資本主義、利益団体の強大な力、代替エネルギーの技術的困難など、「化石燃料の大規模システムからの脱却は不可能」という説を正当化しようとするものだ。
これらの議論は、現状を再定義し、過去にどのような変化が起こっていたかを正確に理解することを妨げるものだ。また、長期的なトレードオフについて、人間社会の集団的考察能力を否定している。
たしかに、ロックインが効力を示していることと、多くの政策受け入れについて問題が発生しているという指摘は事実なので、一応の信頼性はあるといえよう。
しかし実際は、この主張は取り組みや主体性を放棄し、降伏を提案しているに過ぎない。
過去200年間に起こった大きな社会変化を考えてみよう。
人びとは何世紀もの間、環境を破壊することなく生きてきたし、今もそうしている。人間と自然のその関係性から、私たちは何を学ぶことができるだろうか?
市民による議会やイニシアティブが成し遂げてきたことを思い出そう。
専門家ではない個人がテーマに関するスキルを高め、提案の発信源となり得ることは何度となく証明されてきている。問題を把握し、解決策を提案しよう。
鍵となるのは教育だ。
先日、ロンドンの「イズリントン・クライメート・センター」を立ち上げた女性とお話しする機会があり、プレゼントに12枚のカードをいただきました。
カードは彼女も作成に関わったもので、英国発の環境保護団体「エクスティンクション・リベリオン(XR)*」が著作権フリーの制作物として提供しているそうです。
*エクスティンクション・リベリオン | 市民的不服従、非暴力の直接行動を用いて気候変動に対する政治的な決断を促す市民活動団体。
(ところで、この機会にXRについて改めていろいろ調べ、UKで暮らす人たちに意見を聞いてみたのですが、おれが日本で思っていたような「過激な組織」という印象を持っている人は少なそうでした。
やり過ぎてしまうメンバーが一部存在しているものの、規模からすれば当然で、むしろ抗議活動の行い方としては「真っ当」であり、市民や警察に対しても協力的と捉えている人が多いようでした。)
日本とは文化的な違いもありわかりやすくはないものの、それでも通ずるところや感じるものが多いものではないかと思ったので、テキストの日本語訳を考えてみました。
イマイチなところも多々あるだろうなと思うので、「この方が良くない?」とかアイデアがあれば教えてください。そしてもし「イラストを含めて日本語版を作ってみたい」と思われるデザイナーやプランナーの方がいらっしゃったらお声掛けください。
Happy Collaboration!
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