映画「ミッシング」を観る

Netflixで観る
ぐだぐだの雑文です
内容に触れています、ご了承下さい

見終わった後、少し戸惑いがあった

母親の周囲を疲弊させていく自制の効かない行為の表現が、あまりにも極端に感じたから

しかし改めて思うに、それは私が、ただ傍観しているからである
報道の意義を履き違えたマスコミが流した映像を無責任に見ているヒトと同じように

このような事案のとき、その状況に直面している人に自制を保ち、毅然たる態度をとることを望むのか、
そしてそれを必然とするのか、

また、自分が万一同じような状況に落ち陥ったとき、感情をコントロールし、整然とした行動が出来るのか

そんなことは、とても出来ない

この作品は、その状況に直面したとき、あなたはどうしますか、と問い掛けてきている

そして、悩み踠く人が理解を越える言動を取ろうが、あなたは寄り添うことができますか、と

まさに傍観している観客の資質が試されている

ワタシがこの作品で最も響いたのは父親である

破壊寸前の母親に対し、ひたすら感情を押し殺しながらも支える、
何度も溢れ出そうな想いを、ギリギリのところで抑えながら

それが、終盤ある場面で崩壊する、
そこで私の感情が、いっきにこの父親に寄せられた

父親は、誰ひとりとして当事者としての責任を負わないことに苛立っている
しかし、自らの責任や責務を明確にできず、ただただ困惑している、
それは、全てを他責しているからかもしれない、

それが、その場面で自らの責を認識した、と思えたのだ

自分なりの責の取り方が、その後の行動に繋がったのか、

それが是かどうかは、わからないが

そう感じた（乱暴な感想でした）

父親を演じた役者、
青木崇高、誰がどう見ても役者バカ（私なりの最高の褒め言葉です)
どんな作品のどんな役でもエネルギッシュに演じるがゆえ、いつも頭ひとつ浮いていた感じがするが、
この作品では、見事に抑えた演技をしている
他の役者が、役にのめり込み、熱量のある演技をしたことで、かえって淡々とした演技が光ったのであろう

あとはテレビ局記者役の中村倫也、この年齢で既に自分のポジションを確立している、テレビで変なコント等を演じイメージを潰さないことを祈る

ここ数年、骨のある若手の台頭が著しい、うれしいものです