LUMIX G100とゆく│L.モノクロームDと歩く散歩道
髪の間を縫う風が、ひんやりと心地良い。
太陽の光はやや柔らかく、夏の終わりを報せている。鈴虫の音色が響く夜。ツバメは巣立ち、空っぽの巣だけがそこにあった。
気持ちだけ、夏だった。気がつけば、もう9月も中旬である。過ごしやすい朝晩。。秋、来たんだなあ…ということは?
スナップの季節の到来だ。暑さを気にせずに、歩き回れる。
わたしは、意気揚々とカメラを持ち出した。さあLUMIX G100、行こうか。
L.モノクロームDでいこう
Panasonic様からお借りしているミラーレス一眼カメラ、LUMIX G100。片手に収まるほど小型で、操作性も良く、気軽に持ち出せるのが特徴だ。
LUMIX G100には、12種類のフォトスタイルが選択できる。フォトスタイルとは、仕上がり設定のことだ。撮影前に、好みの色味や画質を調整できる。
今回は、L.モノクロームDをチョイスした。
D = Dynamic
ある日、わたしは故郷を歩いていた。西日が力強く、辺りを照らす。伸びる影は、濃く深い。強い光には、深い影が落ちる。
L.モノクロームDは、中間調のディティールを残しつつ、ハイライトとシャドウを強調している。その力強い描写が特徴的だ。晴れた夕方、光が美しい時間帯にぴったりである。
ちなみに、L.モノクロームDの“D”は、ダイナミックの“D”だそうだ。
港までの道を歩く。時々立ち止まり、L.モノクロームDで撮る。カメラを向ける先は、どこも幼少のころから見慣れた景色である。
光と影の淵を丁寧に描くような表現が、魅力的である。気がつけば、美しい光と影を探している自分がいた。
撮った写真を見返す。何故か、懐かしくもあり切ない想いに襲われた。
それが、故郷のせいかモノクロのせいか、わたしにはわからない。
写真は、元来モノクロであった。写真用カラーフィルムが誕生したのは1936年(映画用は1935年)。それから90年近く経った今もなお、モノクロ写真は表現のひとつとして愛されている。
普段ならば目に留めない光。そこに生まれる影。モノクロ写真は、彼らを浮かび上がらせ、美しさを引き出す。
“photograph”の語源は、“photo(光)”と“graph(書くこと)”。光ひとつで、物体の質感まで表現する。シンプルで奥深い。モノクロームの魅力のひとつである。
粒状でカスタマイズ
モノクロ系統のフォトスタイルでは、画質調整で“粒状”を設定できる。モノクロフィルム写真を再現したランダムノイズを加える効果だ。弱・中・強の3段階があり、自分の好みに合わせられる。
その日、わたしは街に繰り出していた。今日も、L.モノクロームDでスナップだ。前述の粒状を強にして撮影することにした。独特のザラザラ感が、よりフィルムライクに見せてくる。
今ある現実なのに、どこかノスタルジーを感じる。
モノクロ写真は、なぜノスタルジックなのだろう?
わたしの生まれた頃、すでに写真はカラーが主流であった。子どものわたしには、“モノクロは昔の写真”という概念があった。この概念が、今も無意識に生きている。それもひとつの答えだろう。
さらに、モノクロ写真は、色相がない。視覚的情報が少ない分、思考が関与しやすいのではないかと考えている。色の情報を、自分の経験で補う。過去の経験が、ノスタルジアを引き起こすのかもしれない。
モノクロームの魅力を言語化するのは、容易ではない。だが、それでいいと思う。良いと思える感覚があれば、全てを言葉にする必要はないだろう。
結論:L.モノクロームDはいいぞ。
フォトスタイルを楽しむ
フォトスタイルの良い点は、撮った瞬間に完成されていることだ。
撮影後、その場で確認すると「良い写真が撮れた!」と感じる。これは、楽しく写真を撮る上で、必要不可欠な要素だろう。
このコンセプトに、心から納得した。どのフォトスタイルも、癖は強くない。しかし、個性がある。さらに自分好みにカスタマイズできるのが、また良いところである。
皆さんもLUMIX G100で、お気に入りのフォトスタイルを見つけてみてはいかがだろうか?
それでは、良い写真生活を。
※本noteの作例は、全て以下の機材を使用して、撮影しました。
■Camera:LUMIX G 100
■Lens:
LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.
LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.
✿ L.モノクロームの作例noteはこちら ↓↓
✿ LUMIX G100のスナップnoteはこちら ↓↓
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