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はじめてのクライストチャーチ#1

第1話 久しぶりの旅でパプニング続出

前回のあらすじ 最後のさいごにとっておいた「夏休み」の行き先を決めた。

2017年11月7日 12時25分 

新宿西口から成田空港に向かうバスが出発した。今回が最初で最後の特権、25歳以下のユース割引を使った。片道2千円。
紅葉シーズン。平日のため中国人グループが乗り込んできた。リムジンバスは銀座、歌舞伎座の前を通って、あとは延々とつづく田畑を走り抜けた。その間、私は窓の景色とスマホのTwitterを交互に見ていた。

空港近くになり検問のため私はパスポートを提示した。

いよいよだ!

バスの乗車券を買うときに「前回ニュージーランドに行ったときは第二ターミナルだったな」と5年前のことを振り返って、私は成田空港第二ターミナルで降りると、乗車券を買うときに告げていた。

停留所に着くとバスの荷物置き場から数個のスーツケースが出てきた。自分のスーツケースを手に取ると、

布の持ち手がとれてる!!

ハンドル部分が壊れていた。これはバスの責任なのか?うーん、そもそも取れやすかったのかもしれない。父の勤め先の在庫処分品を3千円で買い取ったものだからと言い聞かせてキャリーハンドルを押した。
てくてくとロビー内を歩き回っても一向に Air New Zealand のカウンターが見当たらない。リュックからスマホを取り出して航空券の予約完了を知らせるメールを見た。

ああ、やっぱり…!

すぐ近くに警備員さんがいたので聞いてみた。すると、

第一ターミナルは、ここからだと無料のターミナル連絡バスに乗れば着きますよ。

無料の巡回バスがあるのか!と少しひと安心。「ありがとうございます」とお礼を言いその場を後にしようと後ろを向いたら、

リュック、開いているよ!

おおっと危ない。日本にいる時からこんなそそっかしいなんて。ほんとに海外行って大丈夫か?と自分でも心配になってしまう。リュックのファスナーを閉めてもう一度お礼を言った。

第二から第一までおよそ15分。平日なのに混んでいてバスの座席に座れなかったが、今回はなかなかおもしろい行き方を知ったぞと半分嬉しくなった。

無事に第一ターミナルに到着。ニュージーランド(NZ)航空のカウンターでスーツケースを預けると職員のおじさんがハンドル部分を透明テープで応急措置をしてくれた。

ニュージーランド航空のせいじゃないのに!なんて気が利くのだろう…

涙が出そうだった。やっぱりニュージーランドを選んでよかったと心から思った。
その後は海外旅行保険の加入手続き(遅い)や両替をした。搭乗まであと1時間ちょっと。ショッピングエリアを見て歩いてもいいけど、私はタリーズ側の窓辺に座って離着陸する飛行機を眺めた。

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▲ 第1ターミナルの時は大体この辺から旅が始まる(コーヒーのいい匂い)

成田からオークランドまで約9時間。当時「睡眠負債」が溜まっていたので機内食を食べたらすぐに寝てしまった。(あー、映画観たかった…)

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▲成田→オークランドの夕食 (B)チキンのイタリアン風煮、ポテサラ他

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▲成田→オークランドの朝食 (A)チーズオムレツ、ヨーグルト、コーヒー他

11月8日 9時5分 

おはよう、オークランド。
腕のいいパイロットさんのおかげで無事に着いたが、私の目的地はまだこれから。入国審査などを受けて、ニュージーランド国内線乗り場へ。さすが、NZ イチの経済都市・オークランド。地上出口やタクシー乗り場、駐車場の案内など看板(サイン)がたくさん。私が迷っていたら案内カウンターに座っていたおばさんはクライストチャーチ行きの乗り場を教えてくれた。

搭乗口までなんとかたどり着いた。間に合った…。フライト予定時刻のモニターを見ると私が乗る予定だった便が欠航(キャンセル)に!

どうしよう…

不安しかなかったが、そこは(元)アシスタントD。急な変更でも近くにいたCAさんにつたない英語でかけ合って、なんとか新しい搭乗券を発行してもらった。時間を持て余してしまったので、フロア内にあるお店を見て回ったり、自販機でハーシーチョコレートのクッキーアンドクリーム味の板チョコを買って食べたりした。

11月8日 12時10分

オークランドからクライストチャーチまで約1時間半。正直、この間に何をしていたか記憶に残っていない。機内のお菓子や飲み物を飲んで寝ていたに違いない。

クライストチャーチ国際空港に到着して荷物を受け取った。スーツケースのハンドルは透明のテープにかろうじてしがみついている。
200メートルほど歩くともう外だった。車や観光バスが並んでいた。その中に日本人観光客向けの大型バスもあり、旗を振って添乗員が待っていた。

ああ、楽そうだな…

そう思いながら私は路線バス(片道NZ$8.50)に乗って市内へ向かった。私の旅は「団体」旅行じゃない、「ひとり」の旅なんだ。でも決して「ひとり」ではないんだ。

終点のバス・インターチェンジから右往左往しながら本日の宿泊施設、YMCA Christchurch に到着フロアに誰もいなくて心配になったが、受付の女性に支払いと同時にチェックインしてもらった。部屋は106号室。ニュージーランドはイギリス式のため1階はGround で2階が First Floor となる。私はエレベーターで2階へ。

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▲ベッドと机、クローゼットとまるで学生寮。窓の向こうは駐車場

時刻はまだ16時。横たわっていたが、外が明るいせいかそそられてしまう。早速、散策に出かけた。

(1)クライストチャーチ植物園

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▲市民の憩いの場。かなり広いので私のように地図も見ないでふらっと行くと後悔する。

(2)クライストチャーチの史跡巡り

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▲2011年2月のクライストチャーチ地震で損傷を受け、一部の建物は近づけないように柵で囲われているが、当時の面影を残そうとパネルの展示が所々にある。

(3)カーボード・カテドラル

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▲合唱の練習のため中に入ることはできなかったが、ステンドグラスが美しい。

(4)壁画アート

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▲街が再編される中、あちらこちらで見かける。人々を元気付けたり、寂しそうな壁画だったり、いろいろ。

(5)クライストチャーチ・アートギャラリー

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▲なんの建物なのかわからず、ただの通りすがり。外から見てもおもしろい!

歩き疲れたら夕食タイムへ

出発前に下調べもせず、現地でスマホも使えず、当てずっぽで立ち止まった目の前のお店に入ってみた。バーレストランという感じで、仕事終わりに飲んでいる人が多い。私も調子に乗ってクラフトビール(Creatures PA 12oz)と和牛のハンバーガー、追加でラムのパッパルデッレ(幅の広いリボン状のパスタ)を頼んだ。

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▲NZまで来たのになぜ和牛?左横のオレンジジャムを付けると美味しいらしい

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▲ラムのパッパルデッレ

バリューミーなハンバーガーを食べ切り、ビールも飲み干し、ラム肉とパスタに舌鼓していたところ、突然吐き気がきた。私は酔っていた。ほお袋にひまわりの種が詰まったハムスターのような私は急いでトイレに駆け込んだ。

まどろんだ眼でもトイレのマークって分かるんだ、すごい、ニンゲンって。

お酒を飲んで吐いたのはこれが初めてだった。仕事や長時間のフライトで疲れていたのかもしれない。何事もなかったように席に戻り、パッパルデッレをつついたが、食べきれず残してしまった。

11月8日 21時42分

お会計をしてお店を出るともう真っ暗。冷たい夜風に当たりながら宿まで歩いた。久しぶりの海外でしくじった。自分のキャパシティーを超えて料理を頼むのはやめようと誓った。

宿の共同バス・トイレがきれいで感動した。サンフランシスコの安い宿ではバスマットがびしょびしょだったから。

つづく

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーキリトリーーーーーーーーーーーーーーーーー

□ YMCA Christchurch

□ カンタベリー州議会議事堂ほか史跡

□ 本日の夕食・Original Sin