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会議体運営ができる人を全力で褒めてみた

突然ですが、とあるnoteの感想をツイートしたら、想定以上に反応をいただきました。

※もともと拝読したnoteがこちら

何もないところから、何かをつくりだす。
あるいは何かと何かを組み合わせて、新しいものをつくる。
新規事業とかはその類の匂いがしますし、裏側の泥臭さを無視してもクリエイティブ〜な感じがします。

しかし、「着想」を具現化するための土台づくり、つまり組織づくりやタイムライン整備には意外と光が当たらない。
「新規事業をつくるには」「社会人1年目が覚えるべきこと」は度々話題になりますが、プロジェクトを円滑に進める人や工夫は話題にのぼりにくいと感じます。
新しいレシピを作る人は「料理研究家」としてもてはやされるけど、それを世に出すための仕入れ、調理、味見、マネジメント、接客、リサーチ、振り返り的な業務には、少々地味なイメージがあるかもしれません。

自分もチームリーダーになるまでは「マネジメントってなんて地味な仕事なんだろう」もしくは「人の成果を自分の成果のように言うマネージャーよ、滅びよ」と思っていました。
しかし実際にメンバーへの役割分担、業務フロー見直し、会議体運営、トラブル対処、目標管理をしてみると、「マネジメントってめちゃクリエイティブじゃん!」と思う場面が出てきました。

本日は数あるマネジメント業務の中でも、とりわけ光の当たりづらい「会議体運営」の楽しさ、クリエイティブさを紹介します。

アジェンダをきれる人は、えらい

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会議のアジェンダを立てる、管理する、その後の進捗を追っている全国の皆さま。
ozは皆さまをめちゃ尊敬します。

アジェンダは、議論のテーブルに載せるべきもの、いわゆる「調理前のレシピ」です。
テーブル上で懸念点、課題を整理することで、いよいよゼロをイチにしようとする行為です。
議論にあげないことには、後々のトラブルの引き金になったり、関係者との余計なコミュニケーションコストが発生することもあります。
アジェンダをきる人、議事録を活用できる人は業務のガーディアンであり、その時点でリーダーシップがとれると言ってもいいのではないでしょうか。

残念ながら、アジェンダを立てた人に勢いよく石を投げる民もこの世には存在します。
彼ら彼女らは新しいことや議論すること自体を、この世の悪ととらえている可能性があります。
なぜなら自分の仕事を増やした、領域を侵したととらえているのでしょう。
そういった「ちょっと厄介な人」には圧倒的正論で議論を尽くす、味方を増やしておく、など自分なりの勝ちパターンを見つけておくのが得策です。 

ちなみに、上級マネージャーだと、彼らに花をもたせる(うまく巻き込む)、彼らを退場させる(業務配置を変える)という魔法が使えるそうです。
ozはまだ初級なので特に触れません。

ファシリテートできる人は、えらい

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議論をファシリテーションする、つまり目的に対して円滑に人、場を動かす、ということ。
自分の場合は「決まった正解に向かって皆を動かす」のではなく「複数人が協働して何らかの方法で成果を出す」ケースをイメージしています。
人を動かすのは、当たり前ではありますが箱やカバンを動かすのと違って不確定性要素が大きいので、超絶クリエイティブなのです。

私は、人がわざわざ集まって会話する目的は2つしかないと考えています。

・何らかの意思決定をすること
・モチベーションを上げること

上記のゴールに向かって、誰に、何を、どうしてもらうかを事前に設計し、ネゴシエーションしておく。
この動作自体には光が当たりづらいですが、「この人とは気持ちよく仕事ができるな〜」という人は基本所作として身に付けています
やり過ぎると根回しなどと言われたりするらしいのですが、何らかの成果が出せていればそれでいいのではないでしょうか。
皆さん、どこで習ってきたんでしょうね。

さらに上級ファシリテーターの会議に参加すると「なんか沢山喋れたし、この会議に参加して良かったな〜」と不思議な高揚感を覚えます。
(賢人レベルだと、業務のミーティングに行ったのに人生相談になっていたりします)

上級ファシリテーターの共通点は、たった2つ。

・メンバーの「欲求」を満たしている(「快」をおさえる)
・メンバーのやりたいこと、やるべきことを邪魔する「障壁」が取り除かれている(「快」を取り除く)

つまり、人の「快」をおさえているか、「不快」を取り除いているかです。
例えば、誰もが自分の仕事を褒めて欲しい、知ってほしいと考えています
その欲求に対して、各人の仕事を共有しながら、他者から見て良かった点をフィードバックする、など。
例えば、エンジニアとのネゴシエーションがうまくいっていない、となったら間に立つ、間に立てる人を連れてくる、など。

ほんの少しの気配りで、本当に会議は変わります。
ozの一部の会議は「メンバーのためにしかやらない」と決めているので、メンバーが気持ちよく思えない、全員が話せない会議は徹底的に変えにいきました。
以前までは、全員がお葬式みたいに暗い顔で話半分聴きながら内職している、みたいな会議の底辺状態だったのですが、今はポロっと「これに困っているんだけど、どうしたらいいかな?」という話が出たり、ちょっとしたユーモアで笑いが起きる場面も見られるようになりました。まだまだ改善半ばですが、大きな変化でした。

自律を促せる人は、えらい

最後に1番大切な話をします

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プロジェクトやチームの条件として、関係者が複数人いること、また有限であることが挙げられます。
永遠に続くプロジェクトやチームなどなく、いつか皆解散して次の場を目指すはずです。
グループが解散をむかえるそのときに、メンバーにどんな気持ちでいて欲しいか。
これがマネジメント業務の至上命題です。

自分で何かがやり遂げられたか、貢献ポイントをつくれたか、誰かに助けてもらえたか、気持ちよく迎え入れてもらえたか。
プロジェクトの終わりに見る景色を決めるのは、これらの総合的な印象であり、プロジェクトの成果とも関連しますが別物です。
「プロジェクトを通じて何かができた」という状態まで導くには、個々の自律が不可欠です。

リーダーが全てを決め、動かし、依頼し、メンバーは言われたことだけをやる、ほど退屈なプロジェクトはありません。
逆に自ら裁量をもって動かせるほど、自由で楽しく厳しいことはありません。
リーダーの仕事は「厳しくすること」や「口を出すこと」ではなく「業務を任せること」
メンバーの自律を促すのはリーダーの叱咤激励ではなく、取り組む価値のある業務です。

業務が、何よりメンバーを育てるということを忘れてはいけません。
フォローをする際も、本人のプロセスを正すのではなく(自分はこれをやってしまいがちでした…)、業務を前に進めるために必要なことを、自分の目線から伝える。
最悪の事態には、力技で代わりに巻き取る覚悟ももちつつ、業務にメンバーを育ててもらうマネジメントをおすすめします。

上記の手法には

・慣れるまで時間がかかる
・調整やフォローに時間がかかる
・楽しく、やりがいのある業務を絶え間なく用意しなければならない

というデメリットがある一方で、

・メンバーがノッてくると爆走する
・メンバーが成長する
・メンバーが自分で動くので、指示するコストがなくなる

というメリットがあります。
全部自分が指示を出して疲れた…という方には、こちらの方法に腰を据えて取り組んでみるのも、いいかもしれません。
最近の自分は、「来月自分が退職したらどうなるか」、つまりメンバーが自分で判断できるようになるかを考えるように心がけています。
まだまだですが…

ということで、最後少し脱線しましたが、会議体やチームづくりってめちゃクリエイティブだよね!というお話でした。

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