入社半年の新人デザイナーが、「事業責任者と語れるデザイナー」になるため道のり
はじめまして!
株式会社ウエディングパークのデザインチームで働く、新卒1年目デザイナーのおゆきです⛄️
入社してわずか4ヶ月で、私は「事業責任者と語れるデザイナーになる」という大胆な「宣言」をしました。今回は、その経験から学んだことを皆さんに共有いたします。
1.なぜ「宣言」したのか?
ウエディングパークには「宣言する」文化があります。
無言実行ではなく、宣言してから実行する。
そうすることで周囲から応援してもらえて、より強い意志と力を持って達成できる、という考え方のもと広がったカルチャーです。
そのためウエディングパークでは「チームのために必要だ!」と感じたらまずは宣言をし、実行します。
今回私が宣言したきっかけ、それは社長と本部長のふとした会話からでした。
この言葉を聞き、私はその日のうちに「9月末までに“事業責任者と語れる
デザイナー”になります!」と宣言しました。
この宣言内容はまさに今、会社のために必要なことであり誰かがやらなければいけないことであると強く感じたからです。
そして何より、宣言すると応援が広がっていく社内の温かさと熱意を日頃から実感していたからこそできたことでした。
こうして私は「9月末までに”事業責任者と語れるデザイナー”になる」ための行動を始めました。
2.“事業責任者と語る”際にデザイナーとして実行したこと
①利益の仕組みを理解する
他企業の決算資料を読んだり、用語を勉強しました。
初っ端からデザイナーらしくありませんが、売上や利益などの数字から遠いデザイナーだからこそ事業戦略を理解するために事業計画(≒PL計画書)を読めるようになる必要があると考えています。
P/Lの項目を理解できるようになると、事業計画(≒PL計画書)を読んだ時に、利益を出すためにはどのくらいの売上が必要で・どんなお金がかかって・いつ黒字化するのか、理解できるようになります。
事業計画に直接触れる機会がないとしても、今携わっているデザインが最終的にどんな利益になるのか・どんな成果サイズなのか理解するために非常に大切だと感じました。
利益の仕組みを知りたい方には、決算書の読み方について書いてある本を一読することをオススメします。ざっと読んで「これなら理解できそう!簡単そう!」と思えるものがオススメです。
私は「誰でもわかる 決算書の読み方 1年生」を選びました。
②「すぐに」「複数案」具現化する
事業責任者がイメージを明確にするために「こういう資料が欲しい」となった時に、すぐに複数案具現化しました。
特にすり合わせの際は、その場で新たに資料を作ったりイメージを作って見ることで、経営陣のよりスピーディーで精度の高いコミュニケーションを促進しました。
テキストベースだった事業戦略資料を図式化することで、経営陣の議論の中でもメンバーへの共有の際も一瞬で精度高く事業戦略を理解できるようになりました。
事業戦略という、抽象的で机上での議論になりやすい議題だからこそ具現化しながら進める効果を実感しました。クオリティよりもとにかく早くイメージを共有することで「本当に伝えたいこと」がお互い見えてきて、議論の方向性から細かな部分まで早く議論できるようになります。
③ユーザー視点に立ち、戦略を効果的な戦術として具現化する
戦略を実現するための具体的な議論を進めるために、議論と同時進行で具体案を作成しました。
その際に大事にしたことはユーザー視点に立つということです。
どうすればプロダクトの価値をユーザー(購入を検討する結婚式場)にパッと伝えられるのか、ここでも複数イメージを共有しつつ事業責任者とすり合わせを行いました。
④会社のありたい姿とユーザーのニーズを行き来し、インサイトから提案する
ウエディングパークの「業界をもっと良くしたい」という思いと、ユーザーとなる結婚式場の購入動機を行き来し資料の構成を提案しました。
既存商品のご案内の流れや資料構成から一度離れ、結婚式場のニーズとプロダクトの価値から考え直すことでインサイトを仮置きし、それに沿ったスライド構成を提案しました。
ただ提案するだけでなく、その後実際にスライドを作成し販売の流れのイメージをお見せすることで、新たな議論の活性化に結びつきました。
⑤質問する
事業責任者との会話では、“質問するぞスイッチ”を入れて話を聞いていました。
特に、説明を聞く割合が多く受け身になりやすいタイミングの際に、意識して能動的になるようにしていました。
デザイナーとして実行イメージをしてみながら話を聞いたり、ユーザーと会社の視点を行き来すると、「なんかここの解像度上がらないなぁ?」「この話とこの話が噛み合っていない気がする」という感覚が起こることがあります。その感覚は無視してはいけません。
分からないことが多すぎるので、「この質問はすごくアホみたいな質問なんじゃないか…」と不安になることもありましたが、それよりも目の前の議論をよりよくしていくことの方が大事です!
デザイナーならではの視点で質問することで、事業責任者に新たな気づきを提供できることもあります。
前に進むために、質問するタイミングを意識的に設けました。
・・・
このように意識と行動を変えたことで実感することができた、「デザイナーだからこその貢献ポイント」を紹介します。
3.デザイナーだからこその貢献ポイント
①具現化すると議論が早く正確に前に進む
言葉だけだと「結局それってどういうこと?」「え!あの時の言葉ってそういう意味だったの!」ということが頻発しがちです。
会話の概要を図式に起こしたり、戦略の実行イメージが湧くレベルまで具現化しプロトタイピングすることにより、方向性から細かな点まで議論しやすくなります。
②ユーザー視点での質問や指摘により、効果的な見せ方に
デザイナーは「これを見た人はどう思うか?」を考えるのが得意なため、ユーザー視点に立った提案が得意です。
一方で事業責任者は「会社の言葉」や「会社が伝えたい言葉」に対する解像度が高いので、その視点とデザイナーの視点をMIXすることで、会社が伝えたい言葉をよりユーザーに伝わる形でアウトプットできるようになります!最強タッグ!
③デザイン思考でインサイトを捉えた提案ができる
デザイナーが複数のデザイン案を提案する際、それぞれのデザインに対して意図を持って作成していますよね。
実はいつもやっているそれも仮説立てです。
この見せ方ならこういう伝わり方をしてより効果的に伝わるのではないか?と仮説を重ねることにより、「ユーザーの潜在的なニーズは何か?」というインサイトを掴み、効果的な提案をすることができるようになります。
・・・
いろいろ貢献できた!と思う一方で、上手くできず悔しい思いをした場面も多々ありました。
「事業責任者と語る」上で苦戦したことを紹介します。
4.“事業責任者と語る”上で苦戦したこと
①事業に対する知識量の差
当初はプロダクトの理念の重要度も、目指す未来や立ち位置も、課題意識も、何もかも分かっていませんでした。
そのため、得る情報全部がインプットになってしまい受け身になってしまったり、発言するのが怖かった時期もありました。
しかし事業責任者の方が何度も気にかけてくださり、「ちゃんと期待に応えないとな」「成果にしなきゃな」と考え始めてから少しずつ行動が変わっていきました。
その一歩の一つが「事業責任者と語れるデザイナーになる」という宣言です。
今も先方の温度感や決断の際に考えていたことなど、分かってない部分もあります。まだまだ戦力になれてないなと思う場面もたくさんあります。
でもこれからもちゃんと仮説を持って質問し、成果を出そうとすればもっと解像度が上がっていくと思います。
②責任を持つこと
当たり前のように大事なことなのですが、うっかり忘れます!
身近に決裁者がいて、自分はとにかく数を打つことで具現化を進めて、何度も壁打ちして…としていると、いつの間にか「選択肢を見せる人」のような感覚になってしまい「決めにいく」感覚が薄れていくことがあります。
例え事業戦略を考えるのが経営だとしても、それを具現化するのはデザイナーであり、アウトプットしたものの責任は当然自分にあります。
自分が最終OKを出せるわけではないのでつい決断を委ねてしまいがちなのですが、きちんと意志と意図を持って出しましょう。デザインを語れるようにならなければいけません!私はこれを書きながら大反省しています…。
最後に
まだまだ至らないところも多いですが、私が思う「事業責任者と語れるデザイナー」について書いてみました。
まだ「事業責任者のために動けるデザイナー」くらいだなぁと自己評価しています。
次のステップは課題解決だけではなく、もっと主体的に未来について「語れる」状態になることです。
そのために次に意識することは以下の二点です。
①は決して同じ思考をするという意味ではなく、「この事業はこういった背景があるからここが大事だよね」「ビジョンのためにはこうあるべきだよね」などの、判断に必要な前提情報を持ってあるべき姿を判断できる、という意味です。事業における大事な考え方をもっと集めて整理していきたいです。
②ではさらに「WHY」を意識し、「意図を持って伝える、提案する」ことをもっと実行していきます。一つ一つのアウトプットに責任を持って、決裁者の立場にたって思いを伝えられるようにすることが大事だと学びました。
「事業責任者と語れるデザイナー」になり、事業成長をリードできるように引き続き頑張ります!
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