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"19世紀"どん底から大富豪を目指してやる

「片喰と黄金」 北野詠一

毎度のことですが、最近読んでいる漫画の紹介です。
最近、少年ジャンプの連載作品が軒並み完結していますね。自分は専ら単行本派なので最終巻を心待ちにしています。

今回おススメするのは「片喰と黄金」という作品です。現在3巻まで発行されている2020年有望株の漫画だと思います!
たしか、次来るマンガ!的なのに選ばれていた気がします。笑

「片喰と黄金」
作者:北野詠一
発行:集英社 ウルトラジャンプ
既巻:3巻
作者の他の作品:手のひらに熱を、30センチスター

概要

舞台は、19世紀ゴールドラッシュ!!つまり、アメリカ大陸で起こった実際の出来事をもとに描かれている作品です。

1849年アイルランドで起こった未曾有の大飢饉の中でどん底の生活を送っているアメリアとその従士のコナー。そんな2人は一攫千金も夢じゃないというゴールドラッシュの噂。目指すのは、大西洋を越えて遥か西の果てカリフォルニア。2人がどん底から這い上がって大富豪を目指す物語。


作者の丁寧な調査に脱帽

ゴールドラッシュという19世紀の大きな出来事を扱うとあって、作者の北野さんは丁寧な歴史の調査を行っているようです。「巻末おまけ」に調査内容なども載せています。

//例えば、1849年アイルランドの大飢饉について、1845年にジャガイモの疫病である胴枯病が流行する。アイルランドでは芋が主食であった(成人男性は一日65個は食べていたそう)。そのため、流行が拡大した。アイルランドは当時イギリスの領地であり政府がイギリス側への芋に変わる主食の小麦や他の食品の輸出を止めなかったことも重なり、飢餓にまつわる移民は約120万人までに及んだという。//

普通に読んでいて当時の歴史の勉強になりますし、裏付けがしっかりしていると深刻さや当時の情景が想像しやすいですよね。他にも、乗った船のデザインソースや、ニューヨークギャングのデザインソースなども載ってます。

深刻だけど希望が見える

二人はアメリカ大陸を目指すのですが待遇は決していいとは言えませんでした。アメリカへの移民船では3人で1つのベッドの生活、たどり着いたニューヨークではアイルランド人差別、突然巻き込まれたギャングの抗争、乗り越えるべき壁がいくつも現れます。

そこで活躍するのが主人公アメリアの善人のような性格と強靭な精神力です。アメリアは周りを牽引する能力や、知らない人と打ち解ける天性のコミュニケーション力の持ち主なのです。また、飢餓で鍛えられた圧倒的な精神力はどんな抑圧も受けません(笑)

アメリアの性格のおかげで、明らかに深刻な状況でも笑って旅を続けることが出来るのです。

読者からしても、笑いが時折混ぜられているので読みやすいです。アメリアの表情はとっても豊かなので注目して見てみてください。

まだまだ話が読めない

現在3巻では、順調に旅を進めている二人ですがまだカリフォルニアへの道は遠いです。明らかになってきたのは、アメリア達のほかにもゴールドラッシュを目指すグループがいくつもの存在するということ。そのグループとこれからどのように絡み合っていくのか気になりますね。

以上、絶望の淵から大富豪を目指す者たちの物語でした。
是非読んでこの熱量を感じ取ってください!!!



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