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母親がデイサービスに行ってくれたワケ

こんにちは。
介護のつぶやきです。

よく親を介護していて「どうしてもデイサービスに行ってくれないんです~」と嘆いている方によく出会います。親としてはそんなに迷惑かけていないと思っているのか、そんなとこに行ったら年寄りになってしまうと思っているのか。子供は朝昼晩ゴハン作って、洗濯して、お風呂の用意して結構親のために結構ガンバっていると思います。それを当たり前と思っているみたいですが、お世話する方が大変だということを少しは理解して戴きたいモノです。

そんな方々が多い中、ワタシの母親はどうしてスンナリとデイサービスに行くようになってくれたのでしょうか?この経験がそのまま当てはまる方いるかどうかは分かりませんが我が家にはありがたいことに大きなきっかけがありました。

「ワシカネナイ」で描きましたとおり母親は湯水のごとくオカネ使い続けて貯金にも手を出しました。



なので、貯金通帳を取り上げて生活費の管理はワタシが行うようになると、いままで自由に使っていたお金が使えなくなって週3回通っていた美容院にも行けなくなりました。後から聞いた話ですが、周りの人たちに母親はよく「ワシ頭なんか自分で洗っとらんで」と言っていたそうです。そりゃ週3で美容院に行けば自分で洗う必要もないでしょうね。

そんな頃には母親のアタマの中には

オカネは自由に使える⇒頭を自分で洗うのは面倒くさい⇒じゃあ美容院に行けば頭は洗ってくれる

と言う図式が出来ていて実行していたのでしょう。なので美容院にも「来てもオカネ持ってないなら出来ませんと追い返して下さい」とお願いしてきました。


さて、美容院に断られて困った母親は自分でシャンプーしようと思ったのですが、いかんせん洗い方を忘れてしまった様子です。お風呂で洗えばいいモノを洗濯場にシャンプー持ってきて洗おうとします。でも頭へのお湯のかけ方が判らず右往左往しています。そりゃ洗濯場には蛇口はあってもシャワーはありませんからね。


お風呂場にシャワーがありますが、もう数年使っていないのでお湯の出し方を忘れてしまったみたいです。湯船からお湯を汲んで頭にかければいいのですが、カラダにかけることは出来ても頭にかけることが理解できなくなっていたみたいです。なのでカラダだけ洗って風呂から出てくる日々が続きました。

頭が洗えずかゆみが出だしたそんな頃、デイサービスのお試しの日程になりました。前日までは「ワシそんなとこ行けせん」と言っていたのですが「お風呂入れてくれるみたいだよ。ひょっとしたら頭も洗ってくれるかもしれんよ」と伝えたら「ほうか、ほれなら行ってみるか」と。デイサービスのお試しに送り出すことに成功しました。

デイサービスから帰ってきて「どうだった?」と聞くと「おー良かったぞー」と上機嫌です。アレイカン、コレイカンと全否定してカネも取り上げた息子に比べて職員の皆さんは優しくお風呂も丁寧に入れてくれたのでしょう。頭もキレイになってました。

その後はトントン拍子に行く曜日を決めて、デイサービスのない日のお昼ゴハンにはお弁当を手配したのでワタシが毎日3食作っていたゴハンが2食に減りました。正直お昼ゴハンがワタシの手から離れてくれたのは大助かりです。

気持ちも軽くなって数日が過ぎた頃、美容院から電話がかかってきました。

『息子さんが払いに来るっておっしゃったので毛染めとカットしました。(お支払い)よろしくお願いします』

相変わらずそういう知恵だけははたらくんだよねぇ。

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