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哲学の道の思い出と挿絵の仕事
京都の東の方に銀閣寺から続く小径、哲学の道。
小高い土地にあって、閑静な住宅街を見下ろすようなロケーション。
琵琶湖疏水に沿って桜が植えられており、木漏れ日がなんとも心地いい道なんです。
大学院時代、ここをよく散歩をしました。
ニッキの香りがする焼いた八橋屋さんがあって、軒先で端切れがたくさん入った小袋が当時200円くらいで売られていました。(値段の記憶が曖昧です、、、)
ここの八橋を買ってボリボリ噛み砕きながら石畳を歩くのが、いいんです。
人は人 吾はわれ他
とにかくに 吾の道を 吾は行くなり
哲学の道のもうひとつのお楽しみは、何といっても西田幾多郎の歌碑。
明治から昭和初期にかけての哲学者、西田幾多郎は、東洋思想に西洋哲学を摂り入れた独自の哲学を築きました。
京都大学の校風に大きく影響を与えた人物、だそうです。(京都大学のHPより要約)
わたしは、八橋を食べる手を止め、
この人、いいこと言うなぁ〜って、石碑の横の説明書きに見入ったのを覚えています。
最近、「距離感」という言葉が気になっています。
実は、人間関係で一番大事なことって、実は「愛」や「誠実さ」よりもまずは距離感なんじゃないかなと。
精神科医の名越康文先生は、相手への敬意は距離だとおっしゃる。
人間という言葉には、人と人の間に「間」すなわち距離がある。
ご近所さん同士の距離、職場の人との距離、家族の距離、友達の距離、恋愛の距離、親子の距離。
それぞれに心の距離があって、時間や場所、お互いの年齢によってその都度、エアコンみたいに調節するのが距離感なんだと思うんです。
距離感って、難しい。
例えば朝、ゴミを捨てに行くとき、ご近所さんにはあまり近づいて欲しくない。
だって、顔洗ってなくて目ヤニが付いてたら恥ずかしいから。
でも、もし友達が同じ距離だったら、寂しく感じる。
あれ、なんか悪いことしたかな?って気になっちゃうな。
ちょうどいい距離感ってどんな感じかな。
理想を言えば、知られたくないことは詮索しない、知りたくないことからは離れる。
きっと、お互い心地いい距離感なら、お互い何も悩まないし、また会えたねって喜べるんだろうね。
そんな難易度高めの距離感ですが、今までにない視点での攻略本が出版されました。
『魂学®のすすめ』
今回、わたしは挿絵を描かせていただきました。
わたしは、著者さんを先生と呼んでいます。
だって、距離感の達人だから。
ちょっと緊張する場での振る舞いや、気乗りしない会合のとき、家族をやたら心配してしまうとき、先生ならどんな対応をされるかな?ってよく想像します。
『魂学®のすすめ』多紀理久美子 著
そんな世界もあるのかぁ〜って不思議なお話ですが、大海原を自分を頼りに旅する気分になれる一冊です。
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大学院時代のわたし。
西田幾多郎の歌碑とともに。