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春が待ち遠しい / 穏やかな気持ちでキッチンに立つ
北海道の2月。
プラス気温の日もあるが、景色も体感もまだまだ冬。
昨日関東では「17.6℃」だったとニュースで見た。
同じ日本だというのにこんなにも違うとは。日本列島は長いのだと改めて考えさせられる。
こちらも早く雪解けが進んでほしいものだ。
季節が変わるのが待ち遠しいあまり、スマホの壁紙を緑いっぱいの自然風景にした。ゆっくりお花見をしたくて桜の写真を眺め、菜の花のレシピを探す。
どうやら私は心から『春』を求めているらしい。
もうすぐひな祭り。
我が家は子どもはいないけれども、季節の行事は必ずお祝いしている。ひな壇は飾らない代わりに、折り紙でお雛様を折り玄関にちょこんと飾る。夜にはちらし寿司や稲荷寿司を食べたりするのが恒例だ。豪勢でなくてよい、ひな祭りを感じることが大切なのだと思っている。
"今年はどうしようか"と考えていると、元同僚からの小包が届く。
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いつも優しさ溢れる贈り物をしてくれる方。
職場では業務は違ったが、何度喜怒哀楽を共にしただろう。私が闘病生活を送っているときも、家に来て抱きしめてくれ一緒に泣いてくれた。本やお菓子、アロマ用品などをいつも袋いっぱい届けてくれて、そこには必ずお手紙が添えられていた。
どれだけこの方の優しさに救われたことかわからない。
元同僚の枠ではない、もはや大切な友人なのだ。
人生の大先輩である友人。
年齢でいえば、私の母と同じくらいだ。
そんな大先輩の友人が出来るとは思ってもみなかった。
いつも明るく元気で、ハツラツとしていて365日咲き続けるヒマワリのよう。
私がカフェインを摂らないことを知っているので"ノンカフェインティー"。もうすぐひな祭りなので"ひなあられ"。「ずっと入荷待ちだったものが、やっと入荷したので食べさせたかった」と私の大好きな"干しいも"。しっとりとしていて、1口で幸せになるおいしさ。人生のどん底にいるとは思えないくらいだ。夫が実家に顔を出すというので、義母にも幸せのお裾分け。とても食べやすくおいしい、と気に入ってくれたようだ。
その日は穏やかな気持ちでキッチンに立った。
天気がよく、キッチンにある窓からは青空も見えていた。ゆったりとしたピアノのBGMをかけて、時間を気にせず料理にとりかかる。料理をするときはいつも考え事をしてしまう。「早く作って食べてあれをしなきゃ」「これしてあれしてこれして…」料理は大好きだけれど、無心でできる日というのは案外少ないものだ。
いつもは栄養バランスを気にするところだが、その日は食べたいものを作り、何も気にせず食べてやろうという気持ちになった。
そして完成したのが、こちら。
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野菜なしランチも、たまにはよかろう。
じゃがいもは野菜、じゃがいもは野菜。
ハッシュドポテトはサラダ、ハッシュドポテトはサラダ。思い込みは大事。
最高のランチだった。
心の栄養ともいえよう。
夜にはキッチンをリセットする。
綺麗な状態だと、翌朝の気持ちが全然違うのだ。
人はあまりにも先のことを考えていると不安になる、と聞いたことがある。たしかにそうだ。そりゃあ未来のことをついつい考えてしまうけれど、それはちょっぴりにしておいて"今"にフォーカスすることが1番いいのかもしれない。
せめて、今日と明日、これだけにしよう。
今日の疲れを癒すごはん、明日の笑顔のためのごはんを作って食べよう。
ひなあられの袋を開けるのを楽しみにしながら。