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金木犀の香り / 十三夜の栗 / 新米
好きな香りを聞かれたら、何と答えよう。
まず思い浮かぶのは、炊きたてのごはんの香り。
今は新米の時期。糖質はやはり気になるところで、毎食計量しているけれど、あの新米の炊いたばかりの香りがしたら、山盛りでおかわりしてしまいそうだ。更に、お米をおいしくいただくための『ごはんのお供』も、しっかりと調べている自分がいる。しかし結局お取り寄せすることはなく、スーパーへ行っておいしそうな鮭やタラコ、塩辛、キムチを買ったりする。新鮮な野菜をいただくと、それを使って自分で様々な瓶詰めを作る。色々なものを試してお米を楽しんだ後、「結局塩むすびが一番おいしい!」となるのは毎年のことだ。
お米の値段が約2倍ほどになっている中、祖母の代から付き合いがある農家さんは、今までと同値段で販売してくださっている。「来年はもしかしたら200円ほど値上げをすることになるかもしれない。」とおっしゃっていたが、たった200円!?と思ってしまった。お米が食べられるのも当たり前ではない。こちらの農家さんのおかげで、今年も私はおいしい新米を食べることができた。心から感謝している。
お米ときたら、パン屋さんの香ばしい小麦の香り、焼き鳥などの炭火の香り、洋菓子屋さんの甘い香り、それにコーヒーの香りもいい。
だが一旦、食べ物から離れるとしよう。
そうなるとパッと出てくるのは、金木犀の香りだ。ルームフレグランスだとジャスミン、入浴剤だとカモミールやラベンダーがお気に入り。だが金木犀の商品があれば迷わず購入してしまう。
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今、本州の方では金木犀の時期なのだろうか。
私は本当の金木犀の花の香りを感じたことがないし、見たこともない。北海道では自生しないのだから、しょうがないが「歩いていると金木犀の香りがして、あの頃のことを思い出した」などと聞くと、心底うらやましい。私もそんな思い出がほしいものだ。何歳になっても知らず知らずに無いものねだりをしている、2024秋。
しかし実は札幌市の百合が原公園の温室に、金木犀がある。
▼百合が原公園のHP
毎年見に行きたいと意気込むが、人が多くてゆっくり見ることができないだろうと思い、先延ばしにする。そんなことをしているうちに金木犀は「また来年ね」と橙色と共に去ってしまうのだ。
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さて、今年の十三夜は10月15日であった。
栗や豆で何を作ろうかとやる気を見せていた私であったが…
▼そのときの記事
なにやら作る気力を失い、簡単十三夜となった。
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ご住職の家には、立派な栗の木がある。秋の風に揺られて、葉が音を立てていた。その日は十三夜の数日前、とても気持ちのよい天気で『大きな栗の木の下で』を歌いたかったのだが、さすがにお寺の隣でそのようなことはできないのでやめた。
残念なことに栗ごはんを作る体力は、十三夜当日の私には残されていなかった。茹でておいしくいただいた。ホクホク!
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みんなで食べようということになった。
そしてハマッた。
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丸いから十三夜にもってこいのおやつ!
そういうわけで、疲労困憊で何も作れなくとも、楽しく十三夜を過ごすことができた。
来年こそは、きっと、金木犀に会いに行こう。