【コツわかシリーズ】雨でも拾った薪で焚き火はできる
こんにちは!自称、日本一ワイルドなようちえん、おやまのようちえんの酒井です。
僕はこれまで20年くらい、日数にして延べ4000日間くらい子どもたちと野遊び、山遊びをし続けてきました。
これだけの日数何か一つのことをやりつづけてきたら、語学だろうがスポーツだろうがなんだろうが、息をするくらい自然にその何かができるようになるもので。
以前、冬の服装のコツについて書きましたが、コツがわかれば誰でもできる(コツわか)シリーズとして、普段なんとなく感覚的にやっている焚き火を、読んでくれた方の役に立つことを願って、順を追って解説していきたいと思います。
というわけで、「焚き火のコツ」についてです。
特に雨上がりなどで濡れてる環境で薪を集めて焚き火をするコツについて書いていきます。
自由自在に火を操る
暖まりたいとき、料理したいとき、明るくしたいとき、野外で火は欠かせません。
おやまのようちえんは街の公園とかではなく、本当に山の中でやっています。
なので寒い冬だと、暖まるために火は欠かせません。
最近はおやまについたらすぐに火をつけています。
焚き火をするのに必要なもの
火の三要素は
熱
空気
燃えるもの
空気はあるし熱はなんとかするとして、焚き火をしようと思ったら真っ先に「燃えるもの」のことを考えます。
主に薪(まき・たきぎ)ですね。
キャンプ場とかだと薪って高いですよね〜。
1束1000円くらいするんじゃないでしょうか。
でも、おやまのようちえんは山の中なので薪は拾い放題!どれだけ拾っても0円!燃料費タダです。
ただし、拾った薪は売り物の薪のように全て乾燥しているわけではありません。
自分で選別する必要があります。
つまりどれだけ薪のことがわかってるか、火のことがわかっているか、自分の実力が求められるのです!
「燃えやすさ」の観点で考える
引火温度という言葉をご存知でしょうか?
物は熱で温められて、ある温度に達すると燃えます。
その温度が引火温度といいます。
温まりやすければ燃えやすい、その逆も然り。
ということで、いきなりですがクイズです。
次の①〜⑤を燃えやすい順に並び替えてください。
①枯れ竹 ②杉の枯葉 ③直径2cmの枯れ枝 ④広げた新聞紙 ⑤絞った新聞紙
おそらく答えは・・・
④広げた新聞紙 > ②杉の枯葉 > ⑤絞った新聞紙 > ①枯れ竹 > ③直径2cmの枯れ枝
になるんじゃないでしょうか。
みなさんどう思いましたか?
いやいや、そうとは限らんやろ!と思った方、すごく鋭い!
そうなんですよね。多分こういう順番にはなるだろうなとは思いますが、理科のテストみたいに、これが絶対正解ですとかないですから。鵜呑みにしちゃだめですよ!
だから自分の手で持って、重さを感じて、肌で触れて、乾いてるか湿っているかを確かめてください。コツはコツとして押さえつつ、感覚を研ぎ澄ましていきましょう。
濡れてるかどうかは〇〇を使うとわかる
薪が濡れているかどうかを判断するには折ってみてパキッと折れたらよく乾いている、弾力があったら乾いていないという判断方法が最も簡単だと思いますが、折れないくらい太い薪とかだとその方法はできませんよね。そんなときは
唇に薪を当てるといいと昔友人に教わりました。唇はとても敏感なので微妙な濡れ具合も感知できるとのことで、やってみたら驚くほど分かるんです!簡単にできるので超おすすめです。
乾いた薪はここで拾える
おすすめNo.1は折れて木の枝に引っかかって宙吊りになってる枝です。
地面に落ちている枝は地面の水分を吸ってしまって湿っていることが多いのですが、宙吊りになっている枝は洗濯物のように干されてて比較的よく乾燥しています。
雨でも諦めないでください。
葉が茂っている木の下には高確率で乾いている枯葉や枝があります。
斜面に重なってる落ち葉をめくると、下の落ち葉は濡れていないことがあります。(斜面というのがポイントです。平面だと水が溜まって全部濡れてますが、斜面だと水がはけるので下の落ち葉はけっこう乾いてることが多いです。)
焚き火は「薪組み」が9割と心得よ
子どもでも大人でも火付けがうまくいってない人の原因はほぼ薪組みです。(酒井調べ)
薪組みが下手だと素材が良くても火がつかないことが多いですし、その逆も然りで、薪組みが上手いと多少濡れてようが火はつけれます。
いま手元にある燃えるものの燃えやすさの順番が
④広げた新聞紙 > ②杉の枯葉 > ⑤絞った新聞紙 > ①枯れ竹 > ③直径2cmの枯れ枝
と仮定して、
薪組みをしていきます。
あなたはどの順番で重ねていきますか?
火の性質を理解しよう
意外かもしれませんが、火は全部が同じように熱いわけではありません。
火は上部分が最も熱く、下は案外熱くないのです。
そして火は上方向に登っていく性質があります。
ということはつまり、火をつける地点は上がいいか、下がいいかというと・・・
下に火をつけたいですねー。
下に火をつけたら下から上に火が広がっていきますから。
逆に上に火をつけても、その上に燃えるものがないし、火の下部分は温度が低いので、火は燃え広がりにくいです。
ということはつまり、
④広げた新聞紙 > ②杉の枯葉 > ⑤絞った新聞紙 > ①枯れ竹 > ③直径2cmの枯れ枝
をこの順番通り下から重ねて、最も下にある最も燃えやすい④広げた新聞紙に火をつけると②杉の枯葉 → ⑤絞った新聞紙 → ①枯れ竹 → ③直径2cmの枯れ枝というように火が移っていく可能性が高いです。
ちなみに火をつける方法はマッチでもライターでもお好きな方法を選んでください。(僕はマッチのアナログな感じと匂いが好きです。)
空気の通り道を確保しよう
火の三要素は
熱
空気
燃えるもの
でした。
燃えるものはセッティングOK。あとはマッチとかで最初の熱を加えてあげればOK。
でも忘れちゃならないのが空気(酸素)です。
火は酸素と炭素や水素が反応して出るものなので、酸素の供給がとても大事です。(広げた新聞紙より絞った新聞紙が燃えにくいのは空気が入りにくいからです。)
薪組みをするときも火をつけた後も空気が通る隙間があるか点検してください。
火がイマイチ強くならないときは、薪をギューギューに詰めすぎて空気が入る隙間がないか、逆に隙間が多すぎて(薪が少なすぎて)熱が集められていないという可能性があります。
薪が濡れている、火床やカマドが冷えてて熱が奪われているなど、他の原因もあわせてチェックしてみてください。
火床が濡れている場合は
雨上がりなどで火床が濡れているところに薪組みをすると、薪も濡れてしまってなかなか火がつきません。
そういうときは火床の上に乾いたもので新たな床を作って、その上に薪組みをしてみてください。おどろくほど簡単に火が起こせます。
薪が濡れているときは
雨上がりなどで森全体が濡れているときは、拾える薪のほとんどが濡れた薪になります。濡れた薪はそれ自体も燃えにくいし、火にくべると熱を奪って消火しかねません。
そういうときはまずマシな薪を使って火を起こします。そして濡れた薪はくべずに、火の周りに置いて乾かします。
乾いてきたら火の中にくべます。
火がある程度強くなったらもう大丈夫。
薪が若干濡れていてもちゃんと燃えてくれます。(煙はすごく出るので注意)
さいごに
慣れれば自然の中で集められるものだけで火を起こすのも強くしたり弱くしたりするのも思いのままにできます。
それには経験がいりますが、コツをしっていればより短時間で習得することができます。
森に出かけて薪を集めてみて、この記事のコツをぜひ試してみてください。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました^^
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