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改めて「文」や「文章」を意識する

今回は、文を意識しよう、そして文章を意識しようというお話です。以前にも同じテーマで記事を書いており、重複するところもあります。

日常会話は断片で成り立っています。これはどの言語でも同じです。

「寒い!」
「リモコン、あそこ。」

こんな会話が普通にあり得ます。

「お~い!」
「冷蔵庫見て!」

これもありでしょう。日常会話では、すべてをことばで表現しなくても言いたいことは伝わるのです。しかし、このような断片連鎖だけでは言語生活としては不十分です。

まずは、母語で「文」を意識することが必要です。日本語の場合、なかなか文を意識することがありません。というのも、日本語の文は述語さえあれば成り立つからです。どうしてもはっきりと伝えなければ伝わらない時に限って述語に他の語句を加えていくのです。そこで、述語が表す状況にどのような人・物・事が関わるのかをまず考え、それらをことばで表すには述語のどのようにつながっていくのかを考えていきます。これで日本語の文型が理解できるようになります。

文は連用形や接続助詞で他の文とつながったり、連体形で名詞とつながったりします。文末の助動詞や助詞は述語の内容を豊かにし、話し手や書き手の気持ちを表したりします。これらの形と意味の関係に対してもふだんは無意識ですが、これを意識的に捉え直してみることも大切なことです。こうして学び取った、あるいは感じ取った日本語の「文」の意識が、英語などの外国語を学ぶ時の基盤になります。英語を学ぶ時も当然「文」を一つの単位として学んでいきます。このとき、日本語と英語を比較しながら、日本語と英語の違いに気づき、そこから英語のしくみや発想に迫っていくことができるのです。

「文」という単位の先にあるのが「文章」という単位です。文もまた断片に過ぎません。文と文がどうつながり、全体としてまとまりのある文章になるのか。ここも母語の拡張と外国語の学習を連携させていくことでより効果的な学習が可能になります。

「文」が理解できて、表現できること、そしてその先にある、「文章」の理解・表現ができること。これらの技術は、より高度な知識を学ぶときの手段にもなりますから、入試や資格試験でも問われることになります。こうした力をどう身につけたらいいかというのは、国語・英語と教科で切り分けられないような学習上の困りごとともなります。気になる方は持田にお話しください。対話から学習の見通しを立てていきましょう。


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