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基礎はやっぱり大切!

今回は改めて「基礎をおろそかにしない」というお話をします。

大学受験生のなかには、「夏までは基礎、夏から秋は応用、直前期は実戦」みたいな漠然とした、それでいて硬直したスケジュールで受験勉強を進めていこうとする人が多いようです。しかし、基礎とは何でしょう?単語と文法ですか?応用って何ですか?読解問題を解くことですか?実戦って何ですか?過去問ですか?

学習過程や学習内容を断絶させても、そこからは何も生まれません。大学受験の英語の勉強において、基礎は文章の読み書きができること、そして基礎の基礎が文の読み書きができること。応用に相当するのは基礎力を設問形式に「応用すること」です。日本語と英語が構造的に隔たりが大きいことを考えれば、この「基礎」の学習のなかでも文レベルの学習に多くの時間と労力をつぎ込むことは当然です。そしてこの「基礎」の習得・習熟には個人差もありますから、これが夏までに終わらない人がいても不思議ではありません。少しの猶予を持って勉強を進めていけばよいのです。

ただし、文レベルの学習を、文法問題集の演習に矮小化させてはなりません。ここに和文英訳や英文和訳も取り込んでおく必要があります。文レベルの学習の目標は「文の表現・理解」すなわち文が書けたり読めたりなるようにすることです。ここを文法問題集だけに固執してしまうと学習過程や学習内容の断絶を助長し、そのあとの勉強が立ちゆかなくなります。

文レベルの学習のあとは文章レベルの学習になるのですが、ここでも設問対策などよりも、むしろ設問のない素材を使って精読すべきです。精読の過程で文レベルで学んだことを確認し、深め、使える知識にしていくのです。こうした精読では文章の展開を学ぶことにもなるので、当然、英作文の対策にもつながっていくわけです。ここまでの学習で晩秋を迎える受験生も少なくないでしょう。それでいいのです。私がここで述べた「基礎」ができていれば、入試問題は解けます。


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