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本当にある不思議な農作物品種名⑤ 花卉・飼料作物・蚕糸業編

 何となく農作物の品種名の一覧を見ていたんです。そうしたら、ちょこちょこ不思議な名前があったので、つい集めてしまいました。集めたら誰かに見せたくなる。私としてはいつものパターンにハマり、役立つ情報かどうかなんて全然検討せず、こうやって皆様にご紹介する形を選びました。いつもご迷惑をおかけしております。

 参考にしたのは農林認定品種データベースです。

 上記サイトに載っている品種のうち、今回は「花卉かき・飼料作物・蚕糸業」から個人的に不思議だなあと感じる名前を選んでみました。ちなみに蔬菜は野菜とほぼ同じ意味だそうです。では、早速参ります。

夢の紫

 チューリップの品種。紫の夢でもないんです。夢にまで見たということでしょうか。
 国内のチューリップ生産地での栽培に適しており、開花時期が早く安定した開花ができ収量が多い品種。名前の由来は「待望されていた紫色のユリ咲きであることを表現」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001604

五郎丸

 チューリップの品種。ラグビー選手と丸被りです。
 日本海側のチューリップ生産地での栽培に適しており、茎が短く花が大きい品種。名前の由来は「当品種の可愛らしく、かつずんぐりした草姿が、元気にとびまわる素朴な童子を想わせること、また当試験地の移転先の地名にちなむ」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001595

白雪姫

 チューリップの品種。有名なお姫様の名前をそのまま持ってきています。
 日本海側のチューリップ生産地での栽培に適しており、白い花を咲かせる品種。名前の由来は「純白の花が白雪姫の清らかな姿とよく適合していることにちなむ」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001594

薄化粧

 チューリップの品種。まさか農作物で化粧の仕方を言及されるとは。
 公園用・家庭等での利用では全国各地での栽培に適しており、花の色が淡いクリーム色から徐々に乳白色へ変化する品種。名前の由来は「乳白色の花容が、健康な女性の薄化粧をした姿に似ていることから」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001593

三姉妹

 チューリップの品種。ひとつの品種なのに複数を思わせる名前をつけています。
 日本海側のチューリップ生産地での栽培に適しており、赤紫の花をひとつの茎から2~3個咲かせる品種。名前の由来は「一株に2~3花が枝咲きすることにちなむ」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001591

クリスマスレッド

 チューリップの品種。ここへきて用途が名前にしっかり出てる名前が出てきました。
 チューリップ球根生産地全域での栽培に適しており、赤い花が咲く品種。名前の由来は「クリスマス、年末用促成の主力品種となることを期待」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001589

ウイステリア メイド

 チューリップの品種。メイドの進化形でしょうか。
 チューリップ球根生産地全域での栽培に適しており、桃藤色の花が咲く品種。名前の由来は「花色、草姿等からうける印象の愛らしさ表現」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001586

サクラ

 チューリップの品種。チューリップなのにサクラとはこれいかに。
 チューリップ球根生産地全域での栽培に適しており、鮮やかな赤桃色の花が咲く品種。名前の由来は「最初の育成品種であり、日本的印象を強調する」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001585

れんし

 ユウガオの品種。漢字が全く思い浮かばない名前です。
 北海道から九州までの広い範囲での栽培に適しており、病気への抵抗が強くスイカとの接木親和性が高い品種。名前の由来は今のところ不明ですが、「登録内定公表時の名称は『ごうりき』であった」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001386

 エンバクの品種。一見すると「なぜこの一文字を」と思わせる名前です。
 暖かい地域での栽培に適しており、冠さび病に対する抵抗性が非常に強い品種。名前の由来は「冠さび病抵抗性が強であることを象徴する」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001641

ネオタチワカバ

 アルファルファの品種。タチワカバにネオをつけるセンスです。
 東北南部から九州にかけての雪が少ない地域での栽培に適しており、湿気に強くて倒れにくくアブラムシにも強い品種。名前の由来は「『タチワカバ』と同様に強い耐倒伏性を持ち、さらに病害虫抵抗性、湿害抵抗性を強化した改良品種であることを示す」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001732

コロボックル

 シロクローバの品種。有名な小人からそのまま拝借しております。
 北海道東部での栽培に適しており、寒さに強く他の植物と合わせて使うことで長期の放牧が可能な品種。名前の由来は「葉の下に住んでいるアイヌの伝説の小人『コロボックル』から、イネ科牧草の葉の下で共存して生育できることを意味する」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001902

ウシブエ

 トールフェスクの品種。本当に牛笛という楽器があるようです。
 東北中部から九州までの比較的暖かい地域での栽培に適しており、永続性に優れ収穫量の多い品種。名前の由来は「放牧用品種であることから、広い長閑な放牧地の中をゆっくり移動する牛群をイメージした」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001688

フーレップ

 スムーズブロムグラスの品種。スムーズブロムグラスもそうですけど、フーレップも個人的にはなんかプロレス技っぽいです。
 北海道での栽培に適しており、収穫量が多く越冬しやすい品種。名前の由来は「赤い大地を表現し、干ばつ地帯をイメージした。(フレ=赤い、ツプ=場所)」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001701

アイカップ

 スムーズブロムグラスの品種。大丈夫かこれと思って「アイカップ」で検索したらカメラのパーツがたくさん出てきて安心しました。予想外の安心でした。
 北海道全域での栽培に適しており、日本初のスムーズブロムグラス育成品種。名前の由来は「北海道北見地方と十勝地方の境にある地名。本品種の葉色にも通じる」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001700

まきばたろう

 オーチャードグラスの品種。牧場で穏やかに育てられている馬の名前でしょうか。
 高標高地を除く東北北部から九州の高標高地での栽培に適しており、病害抵抗性に優れ放牧に利用できる品種。名前の由来は「病害抵抗性が強く、健やかに、元気に生育する」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001677

パイカジ

 ギニアグラスの品種。ファッション用語みたいに聞こえるのはアメカジとかに引っ張られてるせいだと思います。
 南西諸島全域の永年採草利用草地での栽培に適しており、乾物収穫量が高く永続性がある品種。名前の由来は「適地である南西諸島にふさわしい南からの風を意味する沖縄のことば」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001713

ニオウダチ

 イタリアンライグラスの品種。イタリアンライグラスとは思えぬ純和風な名前です。
 関東より西の地域での栽培に適しており、非常に倒れにくい性質があるため機械での収穫による損失が少ない品種。名前の由来は「耐倒伏性が強く、仁王のように立つことを表現」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001662

クンプウ

 チモシーの品種。カンフーから発展した新たな拳法みたいな名前です。そう考えるとチモシーも何だか新拳法っぽく見えるから不思議です。
 北海道全域および東北北部での栽培に適しており、収穫量が多く育ち切るまでの時間が短い品種。名前の由来は「極早生の特性及び出穂期前後の季節感から「薫風」の意を示す」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001681

あおばねずみ

 桑の品種。むしろ農作物をかじっていきそうな生物の名前がついています。
 雪の少ない寒冷地での栽培に適しており、収穫量が多くいくつかの病害虫に対する抵抗性が強い品種。名前の由来は「『改良鼠返』の血を引き、葉の緑が濃く、多収・良質であることを表す」とのこと。

参考
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/4010001293

 いかがでしたでしょうか。名前というのはジャンルによってそれぞれ独特な雰囲気を漂わせていたリいなかったりするものですが、農作物の品種もまた、独特な理屈で名前がつけられているように思いました。

 品種名の収集は今回で一旦終了となります。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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