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レース糸の広告に見る昭和美人たち

こんにちは!上のリンクは、おとといの記事です。古いレース編みの本に載っている広告から、当時の女性の服装に注目してみました。
 昭和のレース編みの本は、裏表紙などに広告がばーんと載っているのが多いです。…最近はあまり見ないし、載っていてもおとなしめで、そもそも広告を載せること自体が「おしゃれじゃない」という認識みたい。でも昭和の本には、人物を配したパンチのある広告が多いです。世相がわかって面白いと思いますので、もっとお目にかけていきましょう。

昭和33(1958)年

「オリムパスレスヤン(ナイロン)」という商品の広告です。最近は化繊のレース糸って見かけませんね。
左の女性が着ている黄色の服は、今なら「半袖プル」とか「サマーセーター」と呼ばれそうですが、昔はこういうのも「ブラウス」と呼ばれていました。

昭和36年

 これはグンゼの広告です。「グンゼ」って漢字で書くと「郡是」になるの知ってました?
 懸賞の賞品が興味深いです。

A賞 グンゼ・レース和(洋)服地1着分……3名様
B賞 グンゼ婦人靴下1足…………………10名様

 写真に写っている和服は透ける、つまりレースの生地みたいですね。賞品が「服地」であることは、自分で服を作る人が多かったことを示しています。そしてB賞が「靴下1足」ですって。それでも、ちゃんとした素材の靴下が手に入る時代になってよかったですね。

昭和44(1969)年

 機械編みのニットウェア。機械編みをする人も多かったことがわかります(実家にも編機がありました)。モデルさんの表情がいいですね。若々しいパワーを感じさせます。同じ本には次のような広告もあります。

昭和44(1969)年

 もうすぐ70年代に入ろうとしている頃です。屋外でアクティヴに過ごしたい!という欲求を感じます。それは裏を返せば、古風な「レース編み」は退潮してきたということでもあります。

 個人的に気に入っているのは下の写真。こういうの「パンタロン」って呼ばれていましたね〜。もう死語だけど。パンタロンの下にはストッキングを履いているのが見えます。

レース糸を腕いっぱいかかえていますが……
昭和47年

 あっ ころがっちゃった!とストーリー性のある広告。「欲望の肥大」をからかっているようにも見えます。

昭和50年

 こちらもお行儀は悪めです。戦前の編物の先生がごらんになったらぎょっとなさりそうです。「女らしさ」のイメージが多様化してきたのがわかります。

昭和51年

 これは人物がいないのですが、物語性を感じさせます。帽子のそばに飛行機のおもちゃが置いてあります。海外旅行が憧れの対象として視野に入ってきている感じ。
 白い家具もはやっていたみたいです。「リカちゃんの白い白い家具セット」というのがありましたっけ。

昭和51年

 こちらも、明るい窓辺に白いカーテンの写真です。電話の色はピンク。もちろんスマホじゃありません。

昭和52年

 避暑地のような雰囲気。晴れやかなポーズではなく、少し憂いを感じさせます。「ときめきの出会い」という言葉のとおり……

あら? あの人、どこかで見たような……

 これも物語性を感じさせますね。ただ、パワーや斬新さより「やさしさ」やナチュラルさが強調されています。これは令和に通じる路線かも。
いかがでしたか?
 実はもう少し、ご紹介しておきたい広告があるのですが、それはまた別の機会にしようと思います。





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