見出し画像

この恋あたためますか の中国語 その2【量小福亦小; 胡说八道】

今回もTBSの火曜ドラマ『この恋あたためますか』(通称『恋あた』)の話題に触れていきたい。特に、古川琴音さんが演じる李思涵、通称スーちゃんが劇中で披露した中国語のフレーズをさらに掘り下げてみる。

第二話: 量小福亦小

ライバルの北川里保に優しくされた主人公・井上樹木。その悔しさをにじませる樹木に対して、スーちゃんが発した一言。

「器が小さいと、得られる福も小さいよ」

グサッと胸に刺さるこのセリフだが、中国語も交えて彼女はこう言ったのだ。

liàngxiǎoxiǎo

直訳すれば、「度量が小さい人は、得られる福も小さい」という意味。このフレーズは、なんと200年以上前の文学作品から引用されているそうだ。しかし、日常会話で使われるかというと……実はあまり使われないらしい。中国人の友人いわく、せいぜいおじいさんが蘊蓄を語る際に使う程度とのこと。

一応、こんな使われ方もあるようだ。

zuòrényàotàileliàngxiǎoxiǎo

「人に厳しくあたってはいけません。度量が小さい人は、得られるものも少ないのですから」

rénshēngnéngfānfēngshùndàoshùndeshìyàofàngkuānxīnxiēzhèngsuǒwèiliàngxiǎoxiǎo

「人生は順風満帆ではありません。うまくいかないことがあっても心を広く持ちましょう。」

心に響く言葉だが、日常で使うシチュエーションは限られそうだ。


第三話: 恋爱的酸臭味

第三話では、スーちゃんが冒頭から中国語を披露。恋心を抱きつつある主人公に、漫画を手にして言ったのがこのフレーズだ。

liànàidesuānchòuwèi

日本語に直訳すると「恋愛の酸っぱい臭い」。つまり「恋臭い」というニュアンスだ。この言葉、中国では、例えばリア充なカップルを目の前にして嫉妬したときに使うらしい。イチャイチャするカップルに対して、羨ましさを含んだ冗談として用いられる。

想像するだけで、ほのかな切なさと微笑ましさが混ざった光景が目に浮かぶ。


第五話: 胡說八道

第四話では中国語レッスンがお休みだったが、第五話で再びスーちゃんが炸裂する。今回のフレーズは、「そんなはっきり分かる嘘つかなくていいから!」というセリフとともに放たれた。

shuōdào

これは「デタラメ」という意味で、日常会話でも非常によく使われる表現だ。

たとえばこんな場面で。

juédezhèchúnshǔshuōdào
全くのデタラメだと思います。

A: tīngshuōmenliǎzàitánliànài。「あの二人付き合ってるって聞いたよ」

B: shuōdào「デタラメでしょ」

他にも、

A: háiqiànshíkuàiqián「10元まだ返してくれてないよね」

B: shuōdàozǎohuánle「そんなバカな。もう返したよ」

このフレーズは覚えておくと、日常で意外と使えるかもしれない。


スーちゃんが放つ中国語の一言一言は、ただの劇中セリフを超えて異文化への入り口のようにも感じられる。次回のエピソードではどんな言葉が飛び出すのか、ますます目が離せない。


いいなと思ったら応援しよう!