【本紹介】結果を出し続ける者は孤独である『嫌われた監督』

「落合博満」をご存知だろうか。
世代によっては、ピンと来ない方もいるかもしれない。

彼は、元プロ野球選手であり、三冠王にも輝いた名選手である。オレ流といわれた、独学によるノウハウやスタイルで活躍した。独行性が強いためか、監督と揉め、スポーツ誌などで大きく取り上げられたこともある。

その後は、中日ドラゴンズの監督を務め、チームをリーグ優勝に導いた。日本一にも手が届いた。

監督時代にも、独自の持論を展開した。これまで通例とされてきた慣習を無視した行動をすることもあった。それゆえか、彼のことを快く思っていなかった者も一定数いるだろう。

『嫌われた監督』は、そんな我が道を貫き、なおかつ大きな功績を残した、落合博満を描いた物語である。

彼の周囲の選手・関係者の目線を通じて、彼の言動や雰囲気がつぶさに描かれる。それらに対して、選手・関係者たちがどんな戸惑いや葛藤を繰り返してきたのか、リアルに語られる。

そしてその姿は、一貫して「孤独」である。

本書を通じて学べるのは「プロフェッショナリズム」ではないかと思う。

結果を出すことにこだわること、
そのために必要なことを見抜くこと、
他者ではなく己が決めること、
それを貫くこと。

そのプロセスはとても孤独である。

理解されないことも多くあるだろう。

そうした結果を出しつづけてきた、一人のプロフェッショナルの生き様が、鮮明を描かれた物語が本書だ。

自分を信じられない人、
自分の選択に迷いが出ている人、
悩み苦闘している人らには、勇気を与えてくれる本かもしれない。

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