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胸腰筋膜とMLF

前回はPLFに関してでした。
下方は殿筋群、上方は頭板状筋、外側は脊柱起立筋は囲み腰方形筋などと連結していましたね。


今日は中間層筋膜(MLF)に関してです。

F. H. Willard, et al. The thoracolumbar fascia: anatomy, function and clinical considerations. J Anat . 2012 Dec;221(6):507-36. doi: 10.1111/j.1469-7580.2012.01511.x. Epub 2012 May 27.

MLF (中間層筋膜)

付着部

MLF は腰方形筋と脊柱筋群の間に位置しています。
腹筋群で生成される張力と腰椎との主な結びつきと考えられている非常に重要な組織です。
この組織は横突起の先端から生じる、厚く強い腱膜構造であり、上縁は第12肋骨とされます。
L2以下では、MLFは側方に腹横筋の腱膜を形成するとされています。
下縁は腸腰靱帯および腸骨稜です。


MLFと腹筋群

腹筋群は MLF に主に付着します。
腹横筋と内腹斜筋は腱膜で接続し、脊柱起立筋の外側の境界あたりを内側に通過する際に MLF となります。
この腱膜が脊柱起立筋の外側境界で後層 (PRS) の深層板に接合する領域には、外側縫線と呼ばれる組織の肥厚が形成されます。
腹横筋の付着は腸骨稜から第12肋骨に及びますが、内腹斜筋は主に外側縫線の下部に付着します。
外腹斜筋は、最外側の束が第12肋骨に付着し、この筋肉が腹横筋の腱膜の上端にも達することが報告されています。


MLF は横突起の外側縁に付着します。
MLF は PLF よりも厚いことがわかっています。
MLFの横突起への付着は非常に強固とされ、実験において高い張力を加えると、横突起が骨折してしまうとのことです。

MLFは、脊柱筋群と体幹筋群を分ける筋間中隔から派生しています。筋間中隔は、筋節の二つの成分を分離するだけでなく、両方の筋群を包む筋膜の形成にも関与する間葉の集積を表しています。このため、この間葉性の包み込みから PRS と MLF が形成されると推測されています。



MLFはその強固な付着から、強い筋の収縮などを伝導するにはいい役割を果たしそうですね。
これらの機能が維持されていないと、腹横筋の運動などによる体幹お安定性は得られにくい可能性もありますね。

ではでは。

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