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母指
手指の中でも、母指に関してまとめました。
参考引用
片岡利行. 手指関節のバイオメカニクス. Jpn J Rehabil Med 2016;53:765-769
母指関節
CM関節
母指 CM 関節は
・屈曲伸展
・内外転
・回旋
も許容する関節で、母指のkey jointとされます。
関節面は鞍状形状をしており、屈曲伸展と内外転が可能な2軸性関節となっています。
屈曲伸展の回転軸は大菱形骨側にあり、内外転の回転軸は中手骨側にあります。中手骨は屈曲する際に内旋し、内転する際には外旋運動も伴っています。
母指 CM 関節には
・Dorsal ligament complex
・volar beak ligament
・intermetacarpal ligament
である。
Dorsal ligament complexは最も強靱で重要な靱帯で、背側亜脱臼や脱臼を制動しています。
Volar beak ligamentは非常に薄く弱い靱帯で、伸展時に緊張します。Intermetacarpal ligamentはCM関節形成術の際に再建される靭帯です。
母指 CM関節は
安静時:dorsal ligament complex、volar beak ligamentは弛緩。
対立位(筋収縮あり):CM関節がやや屈曲位→dorsal ligament complexが緊張しつつ、中手骨掌側の突出部が大菱形骨の陥凹部にはまり込み、CM関節は安定性を得て,強い力でピンチできる。
母指MP関節
母指MP関節は
・屈曲伸展
・内外転
が可能な顆状関節です。
示指~小指 MP 関節と比べると内外転可動域は少ないです。
母指指節間関節(母指 IP 関節)
母指IP関節は
・屈伸運動
のみが可能な関節です。
単純な屈伸ではなく、屈曲時に回内運動を伴っています。
母指CMは、手指の中ではかなり特殊な関節ですね。あまり介入をする機会がありませんが、その可動域の広さと、それに伴う不安定性や変形などには難渋しそうな気がします。
ではでは。