
鵞足炎
鵞足炎は、膝関節の内側に位置する滑液包の炎症により、痛みを誘発する疾患です。
あまり、鵞足炎に対する文献を読んだことがなかったので、漁ってみました。
参考文献
鵞足炎
鵞足とは
鵞足は脛骨粗面の内側に存在し
・薄筋腱
・半腱様筋腱
・縫工筋腱
が付着する部位をいいます。
鵞足の深層では半膜様筋腱が付着しています。
その周囲には滑液包が存在し、鵞足炎ではその滑液包に炎症が生じるとされます。
治療方法とリハビリテーション
症状としては部位の圧痛や歩行、階段昇降時の疼痛がよく確認されます。
それに対し治療としては
・安静
・非ステロイド性抗炎症薬
・理学療法
・滑液包内局所麻酔薬および/またはコルチコステロイド注射
が挙げられます。
リハビリテーションの効果ですが、
Sarifakioglu B, Afsar SI, Yalbuzdag SA, Ustaömer K, Bayramoğlu M. Comparison of the efficacy of physical therapy and corticosteroid injection in the treatment of pes anserine tendino-bursitis. J Phys Ther Sci. 2016 Jul;28(7):1993-7. doi: 10.1589/jpts.28.1993. Epub 2016 Jul 29. PMID: 27512249; PMCID: PMC4968491.
上記論文では、ステロイド注射と理学療法の効果の差を検証していますが、有意な差がなく、共に有用であることが示されていました。
ただ、文献内での理学療法の内容は超音波などの物理療法が主体でしたので、よく行われる各筋のストレッチなどは検証していませんでした。
もう少し文献を見てみたいと思います。
ストレッチなどで疼痛部位のストレスを減らせるといいですが、炎症が起こるには何かしらの原因があると思いますので、そういった動作などにも着目するのもいいと思います。
ではでは