手関節、手指解剖学
手関節及び手指に関してまとめていきます。
まずは解剖学です。
参考引用
Mr Jonathan Maw, Mr Kai Yuen Wong, and Mr Patrick Gillespie. Hand anatomy. British Journal of Hospital Medicine 2016 77:3, C34-C40
骨と関節
人の手は27個の骨で構成されています(手根骨8個、中手骨5個、指骨14個)
中手骨と指骨には近位骨端成長板が存在します。
中手指節関節と指節間関節は滑膜関節です。中手指節関節は顆状型、指節間関節は蝶番型となっています。
中手指節関節の運動方向は屈曲・伸展、外転・内転、指節間関節は屈曲・伸展が可能です。
中手指節関節、指節間関節ともに、関節包の線維層があり、靭帯によって強化されています。側副靭帯は掌側板にも付着しています。
掌側板は中手指節関節と指節間関節に見られる線維性軟骨構造で、関節包を補強し、安定性を高めています。
中手指節関節では近位指骨にのみ付着しており、多少の過伸展を許容しています。一方、指節間関節では、過伸展を防ぐために、関節の両側の指骨に取り付けられています。
矢状帯は中手指節関節棘板と中手骨間靭帯に付着し、伸筋機構に挿入されているため、伸筋腱を安定させる重要な役割を担っています。
手関節は多関節で、舟状骨、月状骨、三角骨、大菱形骨、小菱形骨、豆状骨、有頭骨、および有鉤骨からなります。
骨の間には手根間関節が存在します。手根骨には腱や筋肉が付着していないため、手根骨の安定性は靭帯と関節面の解剖学的構造に依存している状態です。したがって、靭帯損傷や手根骨骨折は、手根骨間節の不安定性につながる可能性があるります。
母指の手根中手関節は近位端が鞍状になっており、屈曲、伸展、外転、内転、回内といった大きな動きが可能です。人差し指と中指の手根中手関節は比較的安定しているが、第4指はわずかに可動性があり、第5指の手根中手関節は、強く握るとかなり屈曲します。
舟状靱帯と月状靱帯は損傷すると手首が不安定になりやすいです。舟状骨は近位手根列と遠位手根列の両方にまたがっているため、手首を動かす際に中手根関節を安定させる役割を担っています。
よく理学療法士は下肢、作業療法士は上肢と区別している病院などをみますが、自分の勤め先はそういった区別がないため上肢もしっかりみています。
しかし、なんとなく上肢は作業療法士の方が強い印象ですね。
ではでは。