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前十字靭帯損傷のリハ

前十字靭帯(ACL)の損傷は、スポーツ現場などで弾きおこる代表的な膝の怪我かと思います。
どのようなリハビリテーションが行われるのかまとめました。


ACL損傷とリハ

受傷機転

前十字靭帯は脛骨の前方逸脱や下腿の内旋、膝関節の過伸展を制御しています。そのため、その方向へ過度なストレスが加わると損傷しやすいですね。
特にジャンプ着地動作、カッティング動作(側方への切り返し動作)、ストップ動作、または膝への直接的な接触などによるスポーツ活動中の発生が多いとされます。


術前

「理学療法ガイドライン 第13章 前十字靱帯障害理学療法ガイドライン
https://cms.jspt.or.jp/upload/jspt/obj/files/guideline/2nd edition/p745-780_13.pdf
では、筋力強化運動が推奨されています。
これは、術前に行うことで、術後の筋力を少しでも維持しておくという目的ですね。


術後

術後のリハは、それぞれの病院の術後プロトコルに準じることが大前提となります。
だいたい免荷期間や装具固定期間があると思います。半月板やその他の組織の損傷が併発していると、免荷期間が延長することもあります。

「理学療法ガイドライン 第13章 前十字靱帯障害理学療法ガイドライン」では、装具固定や免荷期間の筋トレなどについて記載がありましたが、あまり十分なエビデンスを得られていないそうですね。

自分が総合病院に勤めていた時は医師に確認して筋トレを行ったり、患部以外の筋トレ(股関節等)を行っていました。

OKCのトレーニングでは、膝90°程度の屈曲位でのレッグエクステンションなどが代表的ですね。膝伸展位では脛骨前方剪断力が大きくなってしまうため、再断裂などのリスクが高まります。

CKCのトレーニングでも、各動作がACLにどのようなストレスをかけるかを常に考える必要がありますね。
スクワットでは、足圧中心が後方であれば、脛骨前方移動が促進されやすいですので注意が必要です。


急性期以後

急性期以後のリハでは、各患者さんの目標に向けた練習などが行われていきます。スポーツ復帰を目標にするのであれば、その競技特性などを理解した上でのバランス練習や応用的な動作練習などが必要になります。

よく注意点として挙げられるのはknee inです。
荷重時に膝が内側へ入ってしまう状態です。これに関しては、膝の筋力だけでなく、臀筋や体幹など全身に対するアプローチが必須となるので、再断裂の予防に向けた介入を行っていきましょう。


まずは医師などにプロトコルを確認してから、リハを行っていく必要があります。
個人的に難しいのは、競技に早く復帰したい患者さんの心理面を考慮していく必要があることです。学生などは限られた時間しかないため、うまく説得し、怪我の予防に努めつつなるべく早い復帰に繋げたいですね。

ではでは。


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