手の外傷④
手の外傷や手術後のリハについてまとめました。
参考引用
酒井昭典, 他. 手の外傷後のリハビリテーション. Jpn J Rehabil Med 2017;54:601-608.
軟部組織の損傷
軟部組織の損傷後の治療やリハビリとして
・陰圧閉鎖療法
・装具
・可動域運動
が挙げられます。
陰圧閉鎖療法
陰圧閉鎖療法とは、創傷を被覆し陰圧環境で創を管理する方法です。
陰圧を管理することで、組織の血流が増加、皮膚再生が促進されることが報告されています。健常指の拘縮を生じにくく、またbulky dressing にならないため可動域訓練が行いやすい とされます。
装具
ダイナミックスプリントを使用し、装着を含めたホームエクササイズを指導します。
疼痛や角度変化に対応して形状を修正し、素材を検討していきます。.
屈曲拘縮に対して、
・Capener-type wire splint
・extension spring
・finger reverse knuckle bender splint
伸展拘縮に対して、
・finger knuckle bender splint
・knuckle bender splint
手指の全体的なバランス維持には
・Oppenheimer splint
・outrigger splint
を用います。
可動域運動
マウスでの実験では、肥満とインスリン抵抗性を示す状態下では、運動は創治癒を促進することが明らかとなっています。
化膿性屈筋腱腱鞘炎に対し
・十分な洗浄
・デブリドマン
・滑膜切除
を行った後
創を部分的に開放して陰圧閉鎖療法を行い、状態を確認しながら可動域訓練を行います。
屈筋腱断裂は早期運動療法を行なっていくことが重要であり、手術方法なども早期の運動を可能とする方法が取られています。
上記の3つの方法はセラピストだけでなく、多職種での連携が不可欠ですね。セラピストとしては、早期の運動を目指した処置に対して期待に答えられるような介入ができるといいですね。
ではでは。