手の外傷①
手の疾患はあまり多くなく、外傷や手術後のリハに関わることが多い印象です。
まとめました。
参考引用
酒井昭典, 他. 手の外傷後のリハビリテーション. Jpn J Rehabil Med 2017;54:601-608.
手の機能
手指と手はホムンクルスにある通り大脳の運動野全体の約1/3、感覚野全体の約1/4を占めます。かなりの割合ですね。
また手は第2の脳といわれています。
手は複雑で精巧な運動機能と繊細な感覚機能をもっており、その機能を少し失うだけで生活上に大きな不便を感じます。
基本的な運動機能としては
①圧排(手掌を平らにする動作)
②かぎ下げ(指先を曲げる動作)
③つかみ(つかむ動作),
④つまみ(対立動作)
⑤握り(ものを強く把持する動作)
などが挙げられます。
自然と使っている動作ですね。
肢位
手には外在筋、内在筋が存在しています。
両者の協調運動が大切である.
内在筋が外在筋よりも優位で、各関節が伸展位となるintrinsic plus position
内在筋が外在筋よりも劣位で、各関節が屈曲位となる intrinsic minus position
となります。
手の外傷後は,intrinsic minus position による固定肢位を避けることが基本原則となります。
側副靭帯の短縮を防ぎ、術後の関節拘縮を予防するために
・手関節20-30°背屈位
・MP 関節60-90°屈曲位
・PIP 関節と DIP 関節は5-10°屈曲位
のsafety position(intrinsic plus position)で固定します。
母指は他の手指と対立位とします。
術後の肢位などが崩れると関節の拘縮につながりますね。
そこから機能低下によりADLやQOLの低下に繋がりそうですね。
術後早期からの徹底した管理が必要そうです。
ではでは。