デザイナー読書メモvol.8「ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと」
今週も3冊目の「ブランディング」についての本を読んでみました。
例によってこちらのフォーマットに則って感想をまとめています!
この本の概要をまとめると?
ニューヨークのアートディレクターとして活躍している著者が、グローバルな視点でアウトプットの紹介とともにブランディングを分かりやすく紹介した本です。
実際に著者の会社であるHI(NY)が行った事例とともに、ブランディングのプロセスを紹介してくれるので、どのくらいの粒度でどういったものを作るのかなどが具体的にわかります。
この本から得た学びは何か?その学びをどう活かせそうか?
・ブランディングをするメンバー構成
ブランドマーケティングディレクター・ストラジテスト・アートディレクターで進めるのが主流ということ。アートディレクター、デザイナーだけで戦略を考えることができるのか疑問だったのでこういった職種を知れてよかったです。
・日本での「デザイン」:見た目の良いものを作る
NYでの「デザイン」:クライアントをよく観察し / 課題や問題点や強みを見極め / オーディエンスや時代、市場を考慮し / 問題解決する方法を柔軟にクリエイティブに考え出し / それを可視化して伝わる形に落とし込んでいく
という違いがあるため、同じ「デザイン事務所」という肩書きでも料金設定にギャップがある。
→デザイナーから見ると昔と比較してこの誤解は随分変わってきたのではと思っていましたが、世界と比較するとまだまだのようです。逆にこのデザインに対する誤解を解き重要な経営戦略の一部と認識させることができればもっとデザインの価値が上がるのだろうなと思いました。
・ブランディングのプロセスがきちんと確立されていても、案件によってはクライアントの意向に沿ってフレキシブルにちゃんと問題解決をしている事例がありさすがと感動しました。こういった実案件ならではのリアルな事例がとても参考になりました。
→自分の業務も条件に縛られずむしろ条件を楽しんで乗り越えていける姿勢を持とうと思いました。
・多種多様な民族、文化があるNYならではの視点で、相手に対して違和感を抱いたときに「文化的な違いなのか、個人的な違いなのか」考える。
→日本はNYに比べて文化的な違いは小さいものの、この考え方はとても参考になりました。職種、会社が違う人とのコミュニケーションの際にこういった考えを持って判断していきたいなと感じました。
何に1番驚いたか?
良いブランドの条件の中で特に重視されている4つの項目があります。
●SOCIAL 社会貢献の要素がある
●ENVIROMENTAL 環境に優しい
●GOVERNANCE 企業倫理 / ガバナンスがある
●EMOTIONAL 感情を引き出す
良いブランドの条件が13個あったのですが、個人的に「環境に優しい」がここまで重視されているのが驚きでした。
この本から得た深めるべき問いはなにか?
ブランディングの事例を写真付きで見ることができたので前回以上に理解が深まったと思います。この新宿伊勢丹限定のお菓子ブランドFIKAのブランディングも著者の仕事!
この本のWEBサイトが導入として分かりやすかったのでぜひみてください。