デザイナー読書メモvol.7「ブランディング・ファースト」
今週も引き続き「ブランディング」についての本を読んでみました。
例によってこちらのフォーマットに則って感想をまとめています。
この本の概要をまとめると?
・ブランディングとは大企業のイメージ戦略や広告戦略と思われがちだが、本来はプロダクトや経営者の強い思いといった「柱」のようなものがブランドで、それを“見つけ、育て、強くする”一連の過程がブランディングであり、どんな規模の企業でも行える経営戦略である。
・パラダイムシフトに対応するために中小企業にとって大切な要素は、
■差別化
競合企業に追いつくPOPと、別の要素を伸ばす・付加することで追い越すPODの2つの方向の差別化があるが、大企業と同じ土俵に上がるPOPよりもPODでの差別化を目指すべき。
■スピード
マーケティングに時間をかけすぎず、とにかく実際にリリースしてトライ&エラーを繰り返すべき。
■インナー
身内に愛されないプロダクトが大企業のプロダクト以上に愛されることは難しい。従業員に愛着を持ってもらう必要がある。インナーもアウターも両方にブランディングが大事。
・著者の会社で行っているブランド開発の3つのフェーズ
①情報収集フェーズ
徹底的に情報を集めて整理、把握・予測を行う
②開発フェーズ
ブランドにすべき柱を明確化し戦略の方向性を開発
③具体化フェーズ
デザイン・マーケティングを検討し柱を磨きながら具体化
・ブランド戦略がどれだけ優れて理論構築されていても最後のタッチポイント(WEBサイト、店舗、広告、プロダクトなど)が微妙だと結果につながらない。戦略とデザインのバランス大事。
・ブランディングがインナーにもたらす効果
①ブランド力の強化
ブランドを体現する従業員の魅力はブランド価値を高める強固な土台に
②優れた人材の確保
魅力的なブランドは人を惹きつける・離職防止に
③働き方革命
スピード向上と利益体質の強化
この本から得た学びは何か?その学びをどう活かせそうか?
・プロジェクトを行う際のフローをフェーズによってバトンを渡していくような「リレー方式」ではなく、戦略から全員が参加する「スクラム方式」をとっている
→デザイナーにとっても情報共有時間が省かれたり、意思疎通がとりやすいやり方だなと思いました。1つの案件に注力できるという点ではすごく良いです。全部の案件そういった働きをすることは時間や案件数によっては難しいですが、一部ではそういった方式をとってみたい。
・クリエイティブの権限を一つの会社に集約させることでデザインに一貫性を持たせブランディングの価値を高める
→この論理で仕事を受注することで大きめの金額を確保することができそう…と思いました笑 実際、媒体によってクリエイティブのクオリティが違うということはよく見かけますし、もったいない!とも思うので納得です。
何に1番驚いたか?
「デザイン経営宣言」経済産業省・特許庁 産業競争⼒とデザインを考える研究会でも触れられているように、経営とデザインは切っても切り離せない関係になっていること。
この本から得た深めるべき問いはなにか?
・まだ具体的なすごいブランディング事例がわからないので知りたい!