おうちの診療所は、東京都目黒区と中野区にある、訪問診療を主とした診療所です。機能強化型在宅療養支援診療所かつ在宅緩和ケア充実診療所に認定されており、24時間365日体制で地域の方の暮らしを支えています。小児と血小板濃厚液(PC)輸血以外であれば、どのような病態の方もお断りしないようにしています(当院からの距離のみ制限あり)。 機能強化型在宅療養支援診療所…複数の医師による診療体制や、24時間365日の連絡体制、往診・お看取りについて報告や実績が認められた診療所 在宅緩和ケア
2024年4月1日付で、当院は質の高い緩和医療を提供している施設として日本緩和医療学会から「日本緩和医療学会認定研修施設」に認定されました。 同学会の専門医資格を有した指導医が在籍しており、新たに専門医取得を目指す医師の研修施設としても機能します。今後とも、多くの患者さん・ご家族に、より良い医療とケアを提供できるよう努力します。 緩和ケアを実践している施設として認定される要件は以下の通りです。 日本緩和医療学会認定研修施設は、東京都全体で47件が認定されています。 目黒
訪問診療を新たに始める医療職の方からよく聞かれる「在宅だとCTなどの機械がなくて診療が不安」という声。おうちの診療所での取り組みをお伝えします。 おうちの診療所では、検査機器として腹部エコー、心エコー、心電図などを用意しています。ただしX線やCT、MRIなどによる検査はできません。血液検査も、検査会社に依頼しているため、結果が分かるのは翌日以降になります。病院ですぐにCTが撮れる環境にあった医療職の方からは、ちゃんと診療できるか不安……という声が聞かれることもあります。
おうちの診療所では、日頃の診療や+αの活動で自らが「ワクワク」しながら働くことを大切にしています。今回は、おうちの診療所が運営に携わるヘルスケアコミュニティ「SHIP」が中心となって制作をしたアドバンス・ケア・プランニング(ACP;Advance Care Planning)について考える機会を提供するボードゲーム「エンディングゲーム」をご紹介します。 誰にでもおとずれる「人生の最期」。在宅医療を行うおうちの診療所では、多くの方の「最期」に出合います。自分らしい豊かな人生を
おうちの診療所では、院内外のコミュニケーションを多く取ることを目指しています。院外事業者さんとの連携は、診療の質や患者・家族の納得形成に大きく影響すると考えています。しかし、患者数が増えるにつれ、細かな連絡の時間を取りにくくなり、コミュニケーションが減ってしまう状況に陥ることを危惧していました。 そこでおうちの診療所では、ICTツールを積極的に導入。効率化して時間をつくり、電話やFAX以外の手段を増やすことで、患者数が増えてもコミュニケーションを取り続けられる体制をつく
ケアを結ぶ手帳(ストック編・フロー編) 「ケアを結ぶ手帳」は、おうちの診療所が手帳会社とともに企画し、構成からイラスト、デザインまで当院スタッフが作成したものです。多職種の情報共有が重要な患者さまにお渡ししています。 患者さまの個人情報や緊急連絡先、連携先の情報、ライフヒストリー年表など、基本的な内容から成る「ストック編」と、バイタルや当日の処置内容など日々の共有事項から成る「フロー編」に分かれていて、「フロー編」は書き終わったら追加していける形となっています。 こう
「Knot program」は株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズとおうちの診療所が主催する、実践型のインパクト起業家育成プログラムです。当プログラムでは、ビジネス職には医療現場のノウハウを、医療職には事業作りのノウハウを提供して、ヘルスケア領域の課題解決を目指します。2022年に引き続き2回目の開催となった当プログラムの特徴を解説します。 なぜビジネス×医療か?ヘルスケア課題を解決しようとすると、起業家だけ、もしくは医療者だけでは上手くいかないケースがよく見られます。
居宅で医師と患者さんが1対1になる訪問診療は、診療がブラックボックス化しやすいもの。「QI-8」(図)は、在宅医療の質を測るために、当院が独自に定めた指標です。 図 おうちの診療所が定める在宅医療の質指標「QI-8」 「質」という定量評価しにくいものをあえて数値指標化しているのは、自分たちが目指す「質の高い在宅医療」を、根拠あるものにしたいという思いからです。図の③、④、⑤など、下げることを目標にしている項目は、月1回または2回の定期訪問診療で、予防的処置を含めた質の
「関係の質」とは、MIT組織学習センター共同創始者のダニエル・キム氏によって提唱された「成功の循環」モデル(図1)の中に出てくる言葉です。このモデルによれば、周囲との関わり方やコミュニケーションといった「関係の質」が高くなると、自然と考え方も前向きになり、目的意識が高まって「思考の質」が向上。それが人々の積極性や主体性といった「行動の質」を高め、成果が生まれて「結果の質」向上にもつながります。すると、関係の質はますます高くなる、といった循環が生まれるとしています。反対に、
妊娠が分かった時点で、今後の働き方について医師たちに相談し、「無理のない範囲で診療同行もしていこう」という話になっていました。しかし、すぐにひどい吐き気に襲われるようになり、業務の遂行が難しくなってしまいました。私は初産ですが、正直つわりがこんなにつらいとは思いませんでした。 私の場合、まず気軽には電車に乗れませんでした。さらに、訪問診療は、車に乗って移動しなければならないので、トイレに駆け込むといったことが難しくなります。処置時や施設の匂いも厳しいものがありました。ち
当院の印象を教えてください。 おうちの診療所は幅広い症例を診療してくれ、フットワークも軽いと感じています。医師や看護師、事務さんも壁がなく協力的姿勢でお話ししてくれるので、患者さんの相談も気軽にできて連携しやすく、何かとスピーディーに事を進められています。 私が担当する患者さんは困難事例とされる方も多いですが、そういうケースをあまり大変だと思わない理由の1つに医療連携があります。おうちの診療所に連携いただくことで、心配事が1つ減る感覚です。おうちの診療所でも24時間365
当日の朝、私の子どもが体調を崩し、保育園には行けないと判断しました。妻も働いていて、特にこの日は当日急に仕事を休むのが難しい金曜日でした。なので、私が子の看護担当となり、出勤できないことになりました。 朝7時30分に、職場のみなさんに「子どもが体調を崩したので1日お休みをいただきたい」と連絡を入れました。おうちの診療所ではコミュニケーションツールのSlackを使っているので、いつでも職員全員が見られるところにテキストメッセージを送ることができます。 この日のスケジュール
おうちの診療所では、日常の診療以外にも、スタッフがワクワクする活動にそれぞれ取り組んでいます。今回は、広島県福山市鞆の浦(とものうら)という町で、おうちの診療所理学療法士の佐々木さんが取り組む「こども主体の地域診断プロジェクト」をご紹介します。 この活動の発起人は、鞆の浦で家庭医として働く平岩千尋さんです。2021年には高齢化率約48%、75歳以上の後期高齢者率が30%を占めるという鞆の浦で、個人の健康に対する意識・リテラシーだけでなく、地域全体が“元気”に過ごせるようにな
──このたびは、インタビューを受けていただきありがとうございます。その後、いかがお過ごしだったでしょうか。 母が家にいたころから、昔からお付き合いのあった多くの方が自宅に訪ねてきてくれていました。他界後もたくさんの方がいらしてくださり、私の子どもたちの友人、つまり母にとっては孫のお友達もお線香をあげに来てくれました。 ──もとからたくさんの方が集まってくるお家だったと伺っています。在宅医療で人生の最期を迎えようとお考えいただいたのも、そうした環境を変えたくなかったからなので
おうちの診療所では、日頃の診療や+αの活動で自らが「ワクワク」しながら働くことを大切にしています。その1つ、装具難民プロジェクトでの当院メンバーの取り組みをお伝えします。 「装具難民」とは、脳卒中などをへて麻痺が残った方は退院後、自力で日常生活を送るために歩行を助ける「装具」を使います。この装具が壊れたり、サイズが合わなくて使えなくなったりした時に相談する先が見つからず、不適切な使われ方のまま放置されている問題。これが「装具難民」です。患者さんが自分で不適切な修理をしてしま
病院で働いているときは、なかなか知ることのない在宅医療の世界。在宅診療に興味があっても、実際そこで看護師はどんな仕事をしているのか、訪問看護ステーションの仕事とどう違うのかなど、疑問は尽きないのではないでしょうか。今回はおうちの診療所で働く「在宅診療看護師」のお仕事について、よくいただくご質問をQ&A形式でまとめてみました。 ※イベント開催時の2021年10月時点の情報です 回答者坂本夏奈子(以下、坂本):おうちの診療所 目黒常勤看護師。キャリアのスタートは急性期病院。人生