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「親水性」と「脱水性」
「親水性」とは水と馴染みやすい性質のことです。
今回は、砂糖が食品中の水分に働きかける性質の
一つとして、「脱水性」を解説します。
◇ジャム作りと砂糖の脱水性
一般的にジャム作りを行う際は
初めに、材料となる果物に砂糖をまぶして
放置しておくのですが
そうすると、砂糖の「脱水作用」により
果物に含まれている水分が滲み出てきます。
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この出てきた水分を煮詰めていくことで
短時間で効率よくジャムを作ることが出来ます。
◇果物の脱水現象の秘密
上記の脱水現象は、
果物の細胞を包んでいる膜の特性によるものです。
この膜は「半透膜」の作用を持つ
「細胞膜」であり
周囲の状況に合わせて水分を出し入れします。
⚫︎半透膜
一部の成分のみ通し、その他は通さない膜
例えば、細胞の周囲が濃度の高い液体で
満たされていると、
細胞膜は、膜の内側と外側の濃度を近づけようと
細胞の内側にある水分を外側へと移動させます。
(※この現象は浸透圧と呼ばれます。)
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ジャム作りにおいては
砂糖をまぶすことで、果物の表面にある水分に
砂糖が溶け出します。
そうすると、果物の細胞の周囲を
濃い砂糖液が覆っているカタチとなり、
「半透膜」の特性と「浸透圧」によって
果物の細胞から大量の水が滲み出るのです。
これは果物が生であるときにしか
起こりません。
ちなみに野菜を塩を馴染ませたときに
水分が抜け、しなっとした質感になるのも
同じ理由。
※bitesjapansquadの投稿 : Ironman_fe