異世界転生したけど、やる気でない
まえがき
やっぱり、思い立った時にざっくりと即興で書きなぐるのやった方が良いかもなと、どんな感じに書けるか分からないけど、書いてみる。異世界転生先でも俺はやる気でない人生を送れるのだろうかというシミュレーションだ。さて、異世界転生の扉はどのパターンが良いだろうか?
プロローグ
俺は充実した人生を送っていた。前世で苦労して善行を重ねてきたから、そのご恩返しに俺の人生は存在していると思われていた。
困った時に、誰かが助けてくれる。
苦労しそうだなという状況でも、周りの人達は助けてくれた。
だから、多くの人からきっと前世でいい事してきたから、今の人生を送れているんだろうね。
そう言われていたのだ。
その寿命ももうすぐ終わりそうだ。
この後はゼロからの再出発になるのだろうか?
ああ、良かったなあ。俺の人生……
第一章 異世界転生
「異世界転生するとゲームみたいにステータス見れたりするの。あれ如何思う?不思議だよねえ。リアルさ?そういうのが欠けちゃうと思わない?そこはさ、新しい人生としてさ、ゲーム感覚抜きに転生するのってどうだろ?」
目をパチクリさせながら、目の前で話している妖精のような小さな生き物を見つめていた。これは夢だろうか?
「あ、ここはほら三途の川ね。君はこれから死にます。で、蘇ります。でもね。記憶は消えちゃうものなの。だって、みんな前世での記憶を持ってたらパニクるじゃん。言葉も違うしさ。」
方言?ああ、ここが俺の精神世界だから言葉遣いも俺の記憶から作り上げられているのか。
「時々、ミスもあるよ。そりゃね。神様だって万能じゃありません。」
目の前の小さな妖精は神様なのか?
「君が神様で俺を何処かへ転生させてくれる人なの?前回の俺の転生も君が?」
「う〜〜ん。如何だったかなあ。僕じゃ無かったかもなあ。なんで?どうして?気になるの?」
「いや、人生。充実していたから、また同じ人生に生まれ変われるなら、そうして欲しいかなぁって。」
「う〜〜ん。ほら、神ガチャだからさ。神様にだって能力?スキル?できる事とできない事があるじゃん。」
「え〜〜、そうなのぉ〜〜」
「そりゃそうだよ。神様にだって、多様性の時代だよ。」
「いやいや、そこはさ。なんでも万能でいいじゃんか。」
「ああ、言っちゃう?そういうパワハラ言っちゃうの?」
「いや、パワハラって……そ、そうなるのか?」
「神ハラだ。神ハラ」
「いや、神ハラって、せめてゴッドハラ、ゴッハラじゃない?」
「じゃ、それ」
「じゃ、って」
「と言うことで、君は今日死んで、明日には異世界に転生します。」
「明日?早っ!」
「えっへん。僕は仕事が早いのが長所さ」
「えっへんを口に出して言うのを、初めて聞いた。」
「どんな異世界に行きたい?」
「いや、待って49日とかに今までお世話になった人達に会いに行ったりとか出来ないの?生まれ変わっちゃったらさ。今まで暮らしていた世界の様子が見れないって事だよね」
「異世界転生だからね。お化け転生して現代に残りたいって事?でも、あいにくそれは僕の担当じゃ無いかなぁ。神チェンジする?」
「神チェンジできるのか……」
三途の川とか言っていたけど、ここはどう見ても雲の上だし、おどろおどろしく怖い感じではない。どちらかと言えば天国?みたいな雰囲気はある。
すでにもうここが、異世界なのでは?とも思う。でも、話を聞いている限り、まだ若干の意識が残っていて、死ぬ寸前に神様と話をしている。現在の俺自身の記憶から作り上げられている世界だと言うことも分かる。
このやり取りも単なる記憶の断面にある最後の悪あがきなのかもしれない。
それならば……
「いや、最初に言っていた。リアリティのないゲームみたいな異世界転生って如何なのって話だけど、それはそれでありかなあ。魔法があってドラゴンとかがいてさ。RPG感をこの目で見てみたいかなあ。行くならそんな世界に行きたい」
「ファイナルアンサー?」
「いや、今それじゃないだろう?古いからな。それ……」
「………………」
「じゃ、ファイナルアンサーで」
目の前が真っ白にホワイトアウトして行った。
第二章 誕生日
「あなた!見て精霊の祝福を受けているは!」
「本当か?うちの子が?なんてめでたい日だ。こんな事、二度と見れる機会はないぞ!きっとこれから素晴らしい才能が身に付くのだろう」
小さな精霊が光に包まれて現れると赤子のオデコに口づけをし、また光と共に消えていった。
(何がゴメン。ミスっただ。代わりに祝福をプレゼントしてあげるって?ミスった帳尻合わせに現れただけかよ……
両親の話してる言葉の内容が聞き取れる様になったのは祝福のおかげか?この物語の都合ってヤツだな。)
というわけで、よくある異世界転生ものの物語が始まろうとしていた。
神様のミスなのか、ワザとなのか、ちゃんと前世の記憶の断片を引き継いでいる。
転生者は亡くなった時、既に高齢と言うこともあり、昔になればなるほど曖昧な記憶ではあったが、思い出せる記憶は残されたまま、新しい赤子からの人生をスタートさせる事となった。
(もう人生一度終わってるから、色々と新しい事を覚えるのも面倒くさいなあ。こんな気持ちになるなら、ちゃんと記憶消しといても欲しかったよ)
「おぎゃー」
「あれまあ、どうしたのかしら?なんか機嫌が悪そうね」
「これからどんな事を覚えさせてやろうか?早く大きく成長しろよー」
「まったく、あなたってば気が早いんだから」
なに不自由のない家庭。毎日、家族の笑い声が絶えない家庭。
(親ガチャは当たりだったか?)
朝から昼頃まで、父親は家の庭を手入れして、家庭菜園で取れる野菜を近所の家庭で協力しながら取り分ける。
貨幣と言うものももちろんあるにはあるのだけれど、野菜を販売するわけではないらしい。
近所で協力しながら畑を管理して、朝や昼のうちに取れる野菜で1日の食材を確保する。
小さな村の小さな経済は物々交換が主流なのだろう。
昼頃から夕方にかけては、物流の手伝いをして、父親は警備員みたいなことをやっている。
冒険者ギルドみたいなやつだろうか。
この村よりも少し栄えている場所が、しばらく行った場所にあって、余った野菜やら何やらを、村の工芸品か?誰かが魔法を使って作った品か?それらを荷馬車に乗せて運び届ける。
昼頃から出かけて、いつも日が暮れだした頃には帰ってくる。
荷馬車も全速力ではないし、警備員も全員徒歩で移動しているのだから、それほど遠くにある場所でもないのだろう。
戻ってくる頃には、荷馬車に別の品が乗せられて、それぞれの家庭に引き取られていく。
警備員として働いたお駄賃は、別の場所で購入品へと変わってお釣りと品物とに分かれて帰ってくるようだ。
転移魔法とかは簡単には使えないのだろうか?それとも道すがら何か特別にやることでもあって、毎回徒歩と荷馬車で移動しているのだろうか?
それはどういう理由なのかは分からないけれど、それがこの村で生活していく日常の光景のようだった。
村道に魔物の類が出現したという話を聞くこともなく、荷馬車の警備員となって毎日徒歩で往復しているのかも分からないまま、ごく平穏な日々は時を重ねていった。
第三章 見た目
3歳頃になるとカタコトは話せる様にはなったが、時々転生前の言葉を愚痴のように口走ると、両親が不安そうな顔を向けるので、極力言葉にしないように両親が見ていない所だけで使う様に努力した。
英語を勉強するような気分で、何とかかんとか発言できるようにはなってきてはいた。
思ったより前のセンテンスが身につき過ぎていて、どうやら変な訛みたいになってしまっているらしい。
馬鹿ではない、この子は出来る子だと……思ってくれているようで助かる。
5歳頃になって、村の友達と遊ぶようになると、普段から魔法が使えるこの世界の楽しさに気が付き始める。
ただ、どこか違うらしい。どうしてもウォーターボールとか叫びたくなるのだけど、魔法詠唱の言葉も発動の仕方も俺のやり方とは違う。
いや、俺が間違えているのは分かっているのだけれど、この世界の魔法詠唱方法が難しくて、前世の記憶で話せる日本語になってしまうのが、若干恥ずかしい。
最初は小さな声で、周りに聞こえないように唱えていたけれど、力の入れ具合で威力も異なってくるから、ついつい遊びに夢中になって大声になってしまうと、それが周りに聞こえて、あれ?なんて言ってたの?みたいになって、気持ち悪がられる。
この子、変わってるね。という目が痛い。
それでも、そんな変わっているねでお馴染みの幼馴染?に出会うことが出来たのは、幸運だったのだろう。
あ、そういえば、この世界の俺の名前は「ふぃろ」だ。
幼馴染の名前は「ソフィア」だ。
安直に名前を決めたのだろう?って、まさか偶然だよ。名前は俺が付けるのではなく親が付けるのだから……
きっとそうに違いない。
変わっていると言えば、俺の見た目も十分変わっている。
いや、この村の種族が変わっていると言った方が良いのだろう。
この村は獣人村だ。人間というとどうなのだろうとは思うが、俺の育ちの種族は猫科獣人のようなのだ。
ちょうどこんな感じだ。
画像があるから使った。ただ、それだけの話ではない。これは重要な部分なのだ。きっとそうに違いない。
俺には妹がいる。3歳になったころに、妹が出来た。
名前は「アーシア」という、「アーシア」と幼馴染の「ソフィア」は仲がとてもよく、不愛想で偏屈で変わった兄を思う「アーシア」の優しさに絆されて、仕方なく「ソフィア」は俺のことを気にかけているのだろうと、薄々は気が付いてはいるのだ。
家の家系はネコで言うならば、シャルトリュー系のネコと言えるだろうか?
ソフィアは、どちらかというとロシアンブルー系っぽさがある。
ご近所には、ボンベイ系のネコ種が多い。
AIでイラスト化するのなら、こんなキャラ達といえば良いだろうか。
人間から見たら魔族系獣人に分類されそうではあるが、気性はいたって普通のネコだ。
手は五本指なのだけど、指がすらりと長いわけではなく、何かを掴むにも爪を出して掴む。
猫科獣人の中でも、それほどランク的に強い村族ではなく、ライオンやチーターに似た大型猫科獣人が存在するという事も聞いたことがある。
とりわけ、今の村族は小型猫科獣人族の集まりで、毛並みは黒が多く、灰色、青色という部類に入ると言えるのだろう。
そして、他の誰よりもネコ型ロボット並みに俺の毛並みは青々としていた。それだけでも小さな村の中では目立ってしまう。
ちょっと変わった猫科獣人だった。
第四章 成長記録
周りの友達からは変な奴扱いされながらも、すくすくと成長した。
バカだのアホだのヤジを浴びながらも、すくすくと成長した。
8歳頃になると、ソフィアは別の村へと引っ越していき、幼い時期のヒロインとしての役割を果たした。
あっという間の出会い、あっという間の別れだ。
ソフィアが引っ越すと、周りの友達の態度も変わっていった。ああ、ソフィアに守られていたんだなと、いなくなって初めて知る時間だ。
異世界と言えば、勇者、魔王、大冒険がお馴染みなのだろうけれど、俺にはそんな気概は存在しなかった。
ステータスは見れるけれど、レベル上げには興味がなかった。
友達から冒険に行こうぜと誘われても、俺は行かないと断って、親の畑仕事を手伝ったりしていた。
昼頃から父親が物流の警備員をやる時に、一緒に行かないかと誘われても、村からは出ないと言って断ったりしていた。
若干、ニートっぽい。いや、ほぼニートな引きこもり状態というのだろうか?
でも、家からは出るし、午前中の畑仕事はしているし、ご近所の野菜を配るのを手伝ったりもしている。村の中でならそれなりに活発に動いてはいる方だ。
村の木に登ったり、村に侵入する動物を狩ったり、魔物と戦う事だってある。
魔法も中の下ぐらいの魔法ならほどほどに使えるようにはなった。
それだけでもそれなりにレベルも上がるし、スキルも身についていった。
とはいえ、それでも猫科獣人レベルのステータスだ。
他の種族のステータスに比べれば、きっと相当低い方なのではないだろうか?
この世界の人間族になんて会いたくない。きっと瞬殺されるに違いないのだ。
第五章 仲間たちと
この世界でも引っ越していったソフィアと妹のアーシアのおかげで仲間たちができた。
大柄でのんびりとした性格の猫科獣人レオ。
小柄で気弱な性格の猫科獣人ユーリー。
超絶天才的な猫科獣人カル。
いつでも、やる気満々で仲間を巻き込む猫科獣人ニック。
失敗や困難を前向きに捉え、いかなる状況でも笑顔で挑む猫科獣人アリス。
競争心が強く、常にトップを目指す猫科獣人ヘルム。
強い正義感と仲間を思いやる心を持つ猫科獣人アポル。
常に新しいチャレンジをしてやる気を出し続ける猫科獣人テナ。
一日の始まりは大体こんな感じだ。
テナ「ねえ、ニック。今日も冒険に行こうぉ~」
ニック「おうよ。今日こそ、俺が沢山魔物退治してやるぜ」
ヘルム「ちょっと待てよ。俺だって負けないからな」
ニック「おうよ。競争な!」
アポル「お前たちまた危ない冒険に出かけるつもりなのかよ。俺も見張り役で付いて行ってやる。無茶はさせないからな。アリスも手伝ってくれよ」
アリス「任せてぇ。みんな!今日も頑張ろう♪えいえい。お~~」
テナ・ニック・ヘルム「お~~」
アポル「煽るなよ。はぁ。カルゥ~。たまには手伝ってくれよぉ」
カル「ごめん。無理」
アポル「レオ!君が必要だ」
レオ「何言ってんだよ。アポル。君たちはいつもやり遂げて帰ってくるじゃないか。俺なんて必要ないさ。」
アポル「いや、俺が大変なんだってばぁ~」
レオ「問題ないさ。君なら出来る」
アポル「ユーリーは……」
ふぃろ「アポル、ユーリーと俺は午前中に畑仕事があるから、別の人を誘ってくれないか?ユーリー、今日も頼むよ」
ユーリー「ふぃろぉ。分かったよぉ。手伝うよぉ。」
ふぃろ「いつもありがとうな」
てな具合だ。
午前中の冒険が終わって帰ってくる頃には、畑仕事もいつも通り終わり、冒険噺を始めるいつものたまり場に皆が集合している。
ニックとヘルムの今日は俺が一番だった自慢を聞かされ、テナとアリスが二人のやり取りを見てケラケラと笑い、アポルが怪訝な顔をして今日も無事に終わったと一息ついている。
その集団とは少し離れて、レオとカルが何やら難しい話をしていて、俺はユーリーとありがとう会を開いて、明日はどんな仕事をしようかと相談する。
大体、常に3グループには分かれているけれど、幼い頃から一緒に遊んだ仲間たちだ。
これもすべて、妹のアーシアとソフィアが繋いでくれた人脈だ。
ニック「ヘヘ、ヘルムはいつもそうなんだよ。でも冒険こそが本当の成長だと思うんだ。リスクを冒さなきゃ、報われることもないんだ。それはお前も認めるはずだろ?」
ヘルム「まあ、冒険も大切だけど、無謀なことはしないように。競争で成長し合い、お互いを高め合うことも重要だと思うんだ。お互いに切磋琢磨して、強くなろうぜ。」
ニック「フン、わかったよ、ヘルムの言うとおりさ。競争も大事だ。だから、お前の意見も聞かせてくれ。俺たちがトップを目指すには、どうすればいいと思う?ふぃろ」
ふぃろ「おれ?いきなりだな。ニック。どんなトップを目指したいのか分からないよ。」
ニック「なんだそれ。面白くない答えだな。全部のトップに決まってんじゃないか」
ふぃろ「全部って言われてもなあ」
第六章 俺の存在意義って
つづく
かな?
あとがき
なんていうか、章書き文字数が適当すぎた。(^-^;
分かっちゃいたけど、即興でどんな感じに仕上げるかを考えずに走り出して、
ちょっと全部がプロットぽくなっているかもしれない(笑)
各章の一度書いて終わりではなく、手直ししまくるかも。かも……
後から書きたい内容で、前に書いた部分のつじつまが合わなくなっちゃったりしたら
書き足したり、書き直したりしちゃいます。(^-^;
四章まで書いた所で、この続きってどういうストーリーが出来そうなの?みたいな質問をChatGPTに送ってみたところ、もしかしたらネタバレになっちゃうかもしれないから、有料部分に一先ず隠します。(笑)
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