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癒しと回復
わたしはとあるソーシャルセクターの、市民育成プログラムに参加している。
このプログラムの目的は、地域で孤立する子どもたちと専門職でない市民との間に、やさしい間が生まれること。
それに必要な基礎的な知識や技術(というのは大袈裟かもしれないが)を身につけることである。
6ヶ月にわたり参加してきたこのプログラムが、先日終わった。
最終回はメンバーとゲストハウスで合宿。
年齢も住む場所もバラバラな大人が数人集まり、1つの部屋で寝食を共にすること自体がとても新鮮だった。
この合宿は土日に行われたのだが、その前日までわたしはトラブルが重なり、繁忙期である仕事の忙しさに追われ心身共に疲弊していた。
貴重な連休を合宿で使い果たしてしまって大丈夫なのか、限界を超えてしまうのではないかという不安もあった。
けれど合宿が終わった時、前日までの重々しい胸中とは真逆の、スッキリ晴々とした軽い気持ちに変わっていた。
合宿ではゲストハウスの周りの美しい自然の中を散歩したり、自分の心の中を絵に描いてみたりした後、本題のゼミに入った。
そのゼミでは、翌日にある講義の先生が書かれた事例を読み、感じたことを共有した。
それぞれの深く熱い想いが折り重なる時間だった。
家族への想いや、ここに来た経緯。
過去の自分と今の自分が抱えている不安や希望、そしてこれからの自分。
一人一人の心の奥底に眠る本音が、その場の温かさに溶けていくようだった。
自分でもびっくりするくらい色んなことを長々と話していた。
6ヶ月間、しかも月1回でしか会ったこともない仲間とこれほど深い話ができるのも、きっとやさしい間の力だと思った。
ゼミが終わった後は一緒に夕食を作って、みんなでこたつを囲んでお酒を飲み、ご飯とケーキを食べながらとりとめもない話をして……。
気がつけば深夜1:00をとうに回っていた。
「やばい!明日もあるのに!」
「早く寝る!!!!明日何時?」
なんて言いながら床に着くのだって、このメンバーなら楽しい。
ここで言う楽しいっていうのは、手軽で楽なことばかりでなく、重みも深みも苦みも辛みも分け合い、分かち合えるから生まれる感情。
わたしはこのプログラムに参加して、この合宿に参加して本当に良かったなと思う。
ここでしか出会えなかった仲間と経験したこの6ヶ月間は、これからのわたしの人生に少なからずよい影響をもたらすだろう。
何か壁にぶち当たった時、自分のやっていることに自信を持てなくなった時、踏み出す道が分からなくなった時、きっとまたこの時のことを思い出す。