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旅立ちのリアリティ


東京へと出発する君との待ち合わせ
君は小さいキャリーバッグ一つと小さいリュックひとつでいつもの場所に来た
一瞬気づかなかったよ、思ってたのと違ったから
どデカいリュック持っていくもんだと思ってたからさ
「引越しの荷物は全部送ってあるからね、持ってくのはこれだけ」
パンパンの旅行カバンなんて想像していた僕はフィクションの見過ぎか


何もない駅前に最近カフェができた
毎週ビデオ通信しようねとか夏休み帰ってくるみたいな話をした
僕らの変わった姿とか想像してたからさ
「今までみたいにいつでもってのは無理だけど、またすぐ会えるもんね」
アツアツのカップじゃなかったホットコーヒーは猫舌の僕もすぐ飲める


夢を追いかけて駆け出した
君の方がよっぽどリアルを生きている
僕は相変わらずこのちいさな街で
少しずつ衰退していくこの街で
あんまりリアルじゃないけれど
それはそれで幸せな毎日に生きていくんだろうな
でも東京の街には君よりもっとリアルを見ている人がいるんだろう、多分
だから現実に騙されないで夢に飲み込まれないで
なんて、言うまでもないか
ミニチュア世界の僕の言葉


結局毎週は話さなかった
夏休み会った君は
話し方だけ少し変わっていた


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おとついちゃんは上京したことない。東京生まれ。うーん、リアリティ、、、


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