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98歳、祖父旅立つ。
一昨日、祖父が亡くなったそうだ。98歳、大往生。とは言っても、大往生だったのか、何か思うことがあったのか、一緒に暮らすことのなかった私が、それを知る術はない。
コロナ禍ということもあり、私は葬儀に参列できないので、そっと心の中で冥福を祈る。
訃報を聞く前日に、たまたま2013年から始まったInstagramの投稿を見返していた。その中に数枚、祖父母を映した写真があったのだ。
だから、何となく、ああ、そういうことだったのかと思った。
祖父に会ったのは3年前の祖母の葬儀。葬儀に参列したくないと、最後まで意地を張った。私は祖父が意地を張る気持ちがなんとなく、わかるような気がしたので、ずっと隣にいた。
本人から聞いたことはなかったけど、母曰く、それが祖父はとてもうれしかったらしい。母に会うたびに「あの子はええ子や」と言っていたそうだ。
遠方に住んでいたので、数えられる回数しか会ったことのない祖父が、そんな風に覚えてくれていたのはうれしかった。
そういえば、祖父の家をおとずれた時は決まって、夕食後にお茶を一緒に飲む習慣があった。じいちゃんが淹れるときもあれば、私が淹れるときも。
ただ、一度も祖父は私の名前を正しく呼んだことはなかった。
いつも私を「さおりちゃん」やら、「さゆりちゃん」と呼んだ。ボケたわけでもない、小さな頃からずっとだ。
あれはなんだったのか。生涯かけて笑いをとろうとしたわけでもなかろう。そういう、意味不明なところもじいちゃんっぽいよな。
心から、ご冥福をお祈り申し上げます。
さおり。
※母が送ってくれた祖父の諺集。字がかっこいい。