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写真とともに綴る詩です。
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詩『霧の夜』

詩『霧の夜』

改札を出て地上に降り立つと、
空気は少し不透明な夜だった

小さな水の粒々がゆらゆらと漂ったりくるくると踊ったりその場に数秒留まるのが見えるようだ

わたしは淡々とあるく
その夜のいつもより強く匂いを感じることに気がつき心臓がドキドキしていることがバレないように

シャンプーの匂い
煮干しの匂い
花の匂い
湿布の匂い
カレー粉の匂い
シチューの匂い
子供の頃によく泊まった軽井沢の貸別荘の匂い
泥の

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詩『君の色』

詩『君の色』

君の毛の色のほとんどは明るい茶色。
お腹はもっと明るい、クリーム色。
そのもっと奥にある皮膚は、淡い桃色。
鼻は黒、時々濡れて光っているね。
目の周りの毛は最近白くなってきた。
君の睫毛も白く見える。

頭の毛が一番ピカピカ光ってる、君は知らないでしょう?
君の頭に顔をうずめると、おひさまの匂いがするんだよ。
おひさまの匂いなんて知らないけれど、あれはきっとおひさまの匂いなの。

四角く刈り取られ

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詩『天国を想う』

詩『天国を想う』

ガランとした静かな、どこか平和な感じのする建物がある、ひと気はない。
何となくふわふわと歩む。
空は薄ら雲に覆われている。
耳を澄ますと遠くの方で車や人の気配があるけれど、ここは静か。

ふと目の前が開け、そこは一面の芝野原。
しにゃりとした薄ピンク色の花が地面を覆っている。

息を呑んだ。
ここは天国ですか?
わたしの数歩先を歩くひと、髪の毛のひと束が風と遊んでる。
ここは天国なのですか?

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詩『異国の宿の一室』

詩『異国の宿の一室』

人がギュウギュウに乗り込んだ列車に揺られ
やっと辿り着いた一室
クーラーでひんやりとしている

わたし達は疲れを解くかのように
大きなベッドの端で折り重なってじっとしていた

窓の外、道路をゆく白人夫婦のうち婦人がこちらを見上げている
目があった
逸らす元気もなく婦人の目をわたしの目が追いかける、、、
瞼が閉じる

冷気で切り取られるこの箱の中で
安全な毛布に包まれているような心地の中
身体の欲す

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