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やわらかcuisine|1.塩昆布とうめし

体調がすぐれない、歯が痛む、なんとなく疲れを感じる日など、様々な理由からやさしい食事を欲する場面があると思います。どんな時にもやさしくおいしく食べられる、食感がやわらかくて満足度の高いメニューのアイデアをいくつか持っておくと心強いものです。

今日作るのは、やわらかい食材と言えばまず思い浮かぶ、お豆腐を使った丼もの。よく味の染みたおでんの豆腐がごはんにのる「とうめし」は、おでん屋さんの名物メニューとしても有名な一品ですが、このレシピでは、おでんの無いところからいきなり豆腐を煮始めて旨みたっぷりの丼に仕上げます。

濃厚な旨みがこってり染みた絶品あめ色豆腐の丼を、日々の食事でぜひお愉しみください。

旨みたっぷり塩昆布とうめし【1〜2人前】

〈煮込み豆腐〉
・絹ごし豆腐…1丁
・塩昆布…15g
・出汁…300cc
・醤油…大さじ1
・日本酒…大さじ1
・みりん…大さじ1

〈茶飯〉
・米…1.5合(225g)、普通に研いで、ザルで水を切っておく
・油揚げ…1枚、5mmのみじん切りにする
・出汁…250cc
・〈煮込み豆腐〉の煮汁…50cc
・醤油…小さじ1
・日本酒…小さじ1

✓おいしさポイント
お豆腐はやさしくヘルシー感がある一方で、少々味気なく感じてしまうことも。そこでこのレシピのポイントになるのが、塩昆布を使ったたっぷりの“旨み”です。

昆布自体が持つグルタミン酸のうま味に加え、そのまま食べられるように調味された塩昆布は、料理の味付けにも大変重宝する食材。その塩昆布を煮汁に加え、特徴的な旨みの強さをたっぷりと豆腐に含ませながら煮込んでいきます。


⒈お豆腐を煮ます
フライパンに〈煮こみ豆腐〉の豆腐と材料を全て入れて、弱目の中火にかけます。6〜7分経ち煮汁が軽く沸いてきたら、煮汁の表面が軽く揺れる程度の弱火にして、時々豆腐の上から煮汁をかけながら、20分ほど静かに煮ます。

煮込み時間が経ったら火を止め、そのまましばらく置いて味をなじませます。(15分以上)冷めていく間にも時々煮汁を豆腐にかけると、味が行き渡り、見た目も味わいも一段上がります。

煮込み時間が少々かかりますが、やはり20分ほどかけてゆっくり煮ると程よく豆腐の水分が抜けて色と味がよく染み、煮汁も少し煮詰まって丼にした時の完成度が高まります。

⒉茶飯を炊きます
お豆腐を煮ながら、茶飯を炊きます。炊飯器の内釜(または炊飯のできる鍋)に、〈茶飯〉の材料(油揚げ以外)を入れ、軽く混ぜてから米の上に油揚げを加えて、そのまま混ぜずに普通に炊きます。

※鍋で炊く場合は、蓋をして中火にかけ、15分ほどして蓋の隙間から湯気が漏れていきたらごく弱火にし、9分炊いて火を止めて蒸らします。(時間と火加減は目安です。)

醤油で味付けした〈茶飯〉とおでんの組み合わせは、古くから定番の抜群の相性。その茶飯にさらに油揚げのコクを加えることで、お豆腐だけの煮込みと合わせた時のおいしさがより一層膨らみます。

⒊できあがりです
茶飯の炊き上がりが近づいたら、豆腐の鍋を再び弱火で温め始めます。茶飯を丼に盛り、その上に熱々の豆腐を丁寧に取り出してどんとのせ、煮汁を適量かけてできあがりです。

長ネギの薄切りを添えると、後味がさっぱりとして食が進みます。味わいの強さは、かける煮汁の量で好みで調節してください。

塩昆布の旨みと色がこってり染み込んだ豆腐と茶飯を一緒にいただきます。

豆腐の外側は味がよく染みてごはんが進む濃い味わい、内側の白さには豆腐らしい淡さも残り、味わいのコントラストも美味。豆腐のなめらかさと煮汁の水分で、お米がとても食べやすく感じます。

また、時間に余裕があれば豆腐を煮てから冷蔵庫で一晩置くと、内側まで味と色がしっかり染み込み、煮立てとはまた一味違うおいしさが愉しめます。

一見ボリューム感がありますが、そこはお豆腐なので食べた後は非常に軽やか。私の場合は、1人で軽くお豆腐1丁を食べますが、半丁で足りる方もいらっしゃると思います。身近な材料で手軽に作れる料理ですので、その時々の適量とおいしさを色々試してみてください。

やわらかcuisineは、シリーズでお届けしていきます。

それでは今日はこのへんで。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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美窪たえ|おとな料理制作室
お読み頂きありがとうございます。 これからもおいしいお料理とおいしいお酒をたくさんお届けします。