美窪たえ|おとな料理制作室

料理家、料理する人、食べる人。J.S.A.認定ソムリエ / SAKE DIPLOMA|OLからバーテンダー・日本料理人・フレンチコックを経て「おとな料理制作室」として活動中|『おとな料理制作室へようこそ』(ワニブックス)|note創作大賞2024 レシピ部門 入選

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    おとな料理制作室へようこそ

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  • 紙で包んで鶏肉のうま味を凝縮【ペーパーチキン】|…
  • 【おとなの豚汁】出汁を使わず炒め野菜と豚肉の旨味…
  • 【赤ワインソースでおとなっぽく】お家でふっくらジ…
  • ごはんがススム!絶品食感【木須肉 /ムーシーロー…

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二人のためのレシピ|12.オレンジチキン

日によってまだ蒸し暑さを感じて驚くことがあるものの、随分過ごしやすくなり、火のそばに立つ時間が苦でなくなってきたことにほっとしています。 日々の料理選びでちょっとボリューム感のあるものが欲しくなった時に食べたくなるのが、アメリカン中華の「オレンジチキン」。鶏の唐揚げにオレンジジュースを使ったあんをからめたアメリカ生まれの中華料理は、日本にも上陸しているアメリカのチャイニーズレストラン「パンダエクスプレス」の人気メニューとしても有名です。 中華にオレンジジュースは意外な組み

    • 小料理暮らし|8.クレソンと牛肉の玉子とじ

      涼しいと言うにはまだ程遠いものの、気付けば随分日が短くなり、今年は特に待ちわびた新米が少しずつ出回り始めると、やはり季節の移ろいを感じます。 おいしいごはんがやってくれば、それに合うおかずが恋しくなるもの。 お肉と相性の良いクレソンと、切り落としの牛肉とをさっと甘辛く煮てとじる玉子とじは、手早くできて味わいの満足度も高く、まだ暑さが残る時期に嬉しい一品です。 おいしいと感じるままに存分に食べ、酷暑に耐えて頑張る体をしっかりいたわり養いましょう。 クレソンと牛肉の玉子とじ

      • あの頃、のレシピ|きのこの餃子

        実家を離れ一人暮らしを始めると、孤独な時間を謳歌することこそ“おとな”であると、ひとり遊びに熱中していた。 没頭したものの一つは映画で、当時職場が近かった池袋の「新文芸坐」にはよく通った。味わい深い古びた旧文芸坐からリニューアルされた新館は、名画座らしからぬ抜群の快適さで入り浸るのに最適だった。 ミニシアター系の洋画や、香港、中国映画も活況で、ジョン・ウー、ウォン・カーウァイ、チャン・イーモウ、チェン・カイコーら、後に巨匠と呼ばれる監督たち、レスリー・チャン、トニー・レオン

        • 二人のためのレシピ|11.鶏むね肉のトンナートソース

          年々暑さが厳しくなり、盛夏の食事の楽しみ方にも工夫が必要かもしれません。 しっとり茹でた鶏むね肉にツナのソースを合わせる今日の一皿は、冷製で食べやすい夏向きのイタリア風料理。元の「ヴィテッロ・トンナート(仔牛肉のツナソース)」というお料理では仔牛肉が使われますが、家なら手頃な鶏むね肉で十分その雰囲気が愉しめます。 トンナートは、簡単に言えばイタリアのツナマヨのこと。お肉とツナの組み合わせは初めて聞くと意外に感じるものですが、脂肪の少ないさっぱりとしたお肉にツナとオリーブオイ

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          小料理暮らし|7.とうもろこしの醤油揚げ

          果物のような甘さとジューシーさにいつも驚く夏のとうもろこし。 一粒ずつ一列ずつ外しながら自分のペースで食べるのはとうもろこしならでは醍醐味ですが、ひと技加え包丁で板状に切り出して揚げてみると、気の利いた小料理の雰囲気へと変わります。 醤油風味の衣にくぐらせ揚げ始めると、高温で加熱された醤油の香ばしさと甘い香りが辺りに漂い、作る過程にもおいしさを感じる期待が膨らむ一品です。 とうもろこしの醤油揚げの材料(2人前) ⒈とうもろこしを加熱し、冷やします。 とうもろこしをラップ

          小料理暮らし|7.とうもろこしの醤油揚げ

          小料理暮らし|6.とろろ焼き

          日本で好まれる“ねばねば食材”は食べやすく滋養もあり、暑くなるこれからの季節には積極的に取り入れていきたい食材です。 水分が多い長芋は、やや粘りが少なく淡白なので、卵を合わせるとコクが加わりよりおいしくなります。それを色よく焼いて青ねぎをたっぷりはさむ「とろろ焼き」は、口当たりがよく爽やかで、粉類でつながなくても焼けるため食べた後も軽やか。これをつまみにお酒を飲んでいると大層体に良いことを実践している気持ちになれるのです。 とろろ焼きの材料(1〜2人前) ⒈長芋をすりおろ

          小料理暮らし|6.とろろ焼き

          小料理暮らし|5.そら豆としらすのご飯

          春先から段々と売り場に並ぶ野菜の色が更新され、いかにも柔らかそうな若緑色のそら豆を手に取ると、新しい季節の到来を実感します。 くせになるほっくりとした香りと柔らかい食感が持ち味のそら豆にしらすを組み合わせたごはんは、味付けは最小限に、そら豆の色を鮮やかに残して仕上げるのが私好みのおいしさです。 そら豆としらすのごはんの材料(2合分) ⒈ごはんを炊きます。 お米を白米と同じように水加減して、日本酒、塩を加えて炊飯します。 ⒉そら豆を茹でます。 そら豆はさやから出して、薄皮

          小料理暮らし|5.そら豆としらすのご飯

          小料理暮らし|4.梅角煮

          春が訪れ、服装も日々の食事も軽やかさを欲する季節。 梅干しを使った淡い色合いの角煮は、見た目にも味わいにも品があり、長時間の下茹でをしなくても梅の風味で豚バラ肉がさっぱり煮上がるので、作りやすさの点でもおすすめしたい一品です。 梅角煮の材料(2人前) ⒈お肉の表面を焼きます。 豚バラ肉のブロックは3cm厚さに切ります。フライパンにサラダ油をごく薄く引いて中火にかけ、脂身から焼き始めます。脂が溶け出して焼き色がついてきたら面を変え、全面に軽く焼き色をつけます。 ⒉お肉を煮

          小料理暮らし|4.梅角煮

          二人のためのレシピ|10.ミートパイ

          うどん、丼、パスタ、カレー・・・今日のお昼は何にしようかといくつか考えを巡らせた後、「もうちょっと、何かいつもと違うもの」という気分の日におすすめしたいのが ミートパイ です。便利な冷凍パイシートを活用すれば、あとは自分好みのフィリングを作るのみ。 今日のミートフィリングは、お肉の旨みと乳製品の優しいコクが合わさったなめらかな味わいが特徴。バターの風味豊かなパイ生地とはもちろん相性抜群で、ホテルのカフェのような少しリッチなひと時をきっと楽しんでいただけると思います。 今、

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          小料理暮らし|3.里芋の揚げ出し

          土の中でじっくり養分を蓄えた芋や根菜が一際おいしく感じる冬。粘りのある特有の食感が持ち味の里芋に油のコクをまとわせ、濃いつゆとたっぷりの大根おろしで食べる「里芋の揚げ出し」は、野菜だけでも満足感の高い季節のご馳走です。 レンジ加熱の下ごしらえで手間と時間も軽減できます。家で揚げ物は面倒とそっぽを向かず、ぜひお試しください。 里芋の揚げ出しの材料(1人前) ⒈里芋をレンジで加熱します。 里芋はよく洗い、上の部分を薄く切り落として、皮に縦に浅く切り込みを入れます。耐熱の器に水

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          小料理暮らし|2.豆大福のお汁粉

          体が熱を欲する季節。さらりとしたこしあん仕立ての汁に丸い大福が顔をのぞかせる、お汁粉はいかがでしょうか。 汁はスーパーで手に入る「さらしあん」で手軽に作り、そこへ濃厚な粒あんを包みこむ豆大福を炙り浮かべれば、2つのあんこでおいしさも食べ応えも大満足。作りたて焼きたての温かさを愉しんでください。 お汁粉の材料(1人前) ⒈さらしあんを水に浸します。 さらしあんと分量の水を鍋に入れて混ぜ、そのまま20分以上おきます。 ⒉さらしあんを煮ます。 鍋に砂糖、塩を加えて弱火にかけ、

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          二人のためのレシピ|9.若鶏のフリカッセ

          12月の食卓によく似合う、家で手軽に作れるフランス料理「若鶏のフリカッセ」。フリカッセとは生クリームを使った白いソースでお肉を煮込む料理のことで、材料の数も手数も少なめでシンプルなのに、しっかり込み入った味わいのする素敵な一皿です。 小麦粉とバターのホワイトソースとはひと味違う生クリームのリッチなコクは、それだけでもうご馳走感がたっぷり。 料理に少し使った白ワインを次はグラスに注ぎ、温かな一皿と共に静かな時間を愉しみましょう。 今、心にいるその人とご一緒に、ぜひどうぞ。

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          小料理暮らし|1.牡蠣めし

          肌寒さを覚える頃から出回り始める牡蠣は貝類の中でも特に季節を感じさせてくれる食材の一つです。その味わいを余すところなく生かし切る「牡蠣めし」は牡蠣と米を同時に炊き込まず、牡蠣の煮汁で炊いたごはんに身を戻して蒸らして仕上げるのが、ふっくらおいしく作るコツ。炊き上がるまでの湯気の香りから存分に愉しんでください。 牡蠣めしの材料(2合分) ⒈牡蠣を洗います。 ボウルに水(200cc程度)と塩を入れて溶かし、牡蠣を入れ、ぐるぐるとかき混ぜて洗います。汚れた塩水を捨て、その後は真水

          小料理暮らし|1.牡蠣めし

          二人のためのレシピ|8.きのこのオムレツ

          卵を混ぜる音、バターの香り。 いつかの旅先でのホテルの朝食を思い出し、こみ上げる懐かしさや流れた月日への憂いそれらを全てとじ込めて、日常のひと時を豊かなものにしてくれる黄金の組み合わせではないでしょうか。 背筋の伸びたコックさんが、フライパンの柄をトントンと叩きながらリズミカルにオムレツを返す手際の良さには憧れますが、たとえそれができなくても、卵とバターさえあれば心配なし。そこへ季節の具材をたっぷり加えたなら、朝食ばかりでなくディナーにも十分なボリューミーでおいしいオムレツ

          二人のためのレシピ|8.きのこのオムレツ

          あの頃、のレシピ|トムヤムクン

          20代の頃よく遊んだ池袋は昔からアジア系の飲食店が多い土地柄で、当時世間で巻き起こっていたエスニックブームやパクチー人気とは無関係に、タイ料理やベトナム料理屋に通い、台湾料理の店で香菜の小皿をつまんで飲んだりしたものだった。 私にとって最初の料理の師である料亭修行時代の親方は、若い時分にアジア各国のホテルの日本食レストランで働いたという少し変わった経歴の持ち主で、現地で覚えた名物料理をまかないで時々作ってくれた。 仕事が早く引けたある日、作務衣姿に下駄履きの親方に連れられて

          あの頃、のレシピ|トムヤムクン