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二人のためのレシピ|10.ミートパイ

うどん、丼、パスタ、カレー・・・今日のお昼は何にしようかといくつか考えを巡らせた後、「もうちょっと、何かいつもと違うもの」という気分の日におすすめしたいのが ミートパイ です。便利な冷凍パイシートを活用すれば、あとは自分好みのフィリングを作るのみ。

今日のミートフィリングは、お肉の旨みと乳製品の優しいコクが合わさったなめらかな味わいが特徴。バターの風味豊かなパイ生地とはもちろん相性抜群で、ホテルのカフェのような少しリッチなひと時をきっと楽しんでいただけると思います。

今、心にいるその人とご一緒に、ぜひどうぞ。

ミートパイ【材料】2人分 ※パイ4個分

・冷凍パイシート…4枚(10×18cmのものを使用)
・卵…1個

〈ミートフィリング〉
・バター…6g
・玉ねぎ…60g(1/4個)
・薄力粉…5g(大さじ1/2)
・牛乳…30g(大さじ2)
・合挽き肉…100g
・赤ワイン…15g(大さじ1)
・おろしにんにく…5g(小さじ1)
・カレー粉…あれば、ひとつまみ
・コーンスターチ…15g
・水…100cc
・鶏がらスープの素…2g
・塩…2g
・こしょう…適量

トマトを使わないのが特徴の白いミートフィリングは、のっぺりとした味になりがちなので、ほんのひとつまみのカレー粉で引き締めるのがポイント。隠し味は密かに力を発揮するところに面白みがあります。


ミートパイの作り方


⒈玉ねぎは縦の長さを半分にして繊維に沿って薄切りにし、フライパンにバターを中火で溶かして炒めます。水分が減ってきたら弱火にして、しっとりと艶が出るまで3〜4分炒めたら、薄力粉を振り入れてさらに炒めます。

薄力粉が全体に行き渡ったら牛乳を加えてよく馴染ませ、一旦器に移しておきます。これはいわゆる“ルー”のようなもので、バターと炒め玉ねぎ、牛乳によるコクと甘味が、フィリングの味わいに安心感を加えてくれます。

⒉同じフライパンを再び中火にかけて、合挽き肉を入れてほぐします。炒めるというよりほぐすことが目的なので、油は引かずお肉だけで加熱し始めてください。

挽き肉が大体ほぐれて8割ほど色が変わってきたら、赤ワイン、おろしにんにくを加えて混ぜ合わせます。ある程度水分が飛んだら、カレー粉を隠し味に「ほんのひとつまみ」加えると、味にぐっと奥行きが生まれます。

よく知っている味や香りというのは、僅かな量でも探り当てることができるもの。香りの強いカレー粉は特に使う量に注意が必要です。「ほんのひとつまみ」で十分に魔法のような力を発揮してくれます。

⒊炒め玉ねぎのルーを戻して、潰すようにしながらひき肉と馴染ませます。

そこへコーンスターチを分量の水でよく溶いて加え、全体を混ぜ合わせたら、鶏がらスープの素、塩、こしょうを加え、とろみが付くまで混ぜながら加熱していきます。

コーンスターチに火が通り、全体がペースト状になったらミートフィリングの完成です。カスタードクリームにも使われるコーンスターチは、冷えても口当たりの良いなめらかさを保てるのが特徴で、焼き上がりから時間が経ったパイもおいしく食べることができます。

フィリングが熱々のままで包むと、パイ生地の状態が変わり焼き上がりに影響するため、表面にラップを貼り付けて乾燥を防ぎながら、必ず一度冷ましてください。片栗粉と違い一度冷えても再加熱すれば状態が戻るので、前もってここまで作り冷蔵庫に入れておいても大丈夫です。

⒋フィリングが冷めたら、冷凍パイシートで包みます。パイ生地は包む10分ほど前に冷凍庫から出し、オーブンも180℃位で予熱を始めておきましょう。

包み方はパイシートの大きさや形にもよるので自由ですが、長方形なら生地を横向きに置いて片側半分にフィリングをのせ、折りたためば簡単です。縁に溶き卵を塗ると、軽く指で押すだけでくっつきますよ。

フィリングだけでも、もしくはパイに成形した状態でも、冷凍が可能です。(凍ったまま次の工程と同じように予熱したオーブンで焼いてください)

⒌オーブンシートを敷いた天板に成形したパイを並べ、上になる面にも溶き卵を薄く塗り、オーブンで15〜20分ほど焼きます。180〜185℃でまず15分焼いてから、焼き色が薄ければ190℃に上げてこんがりさせると食欲をそそる仕上がりになります。(焼き時間と温度は、お使いのオーブンの癖やパイシートのパッケージの表示を参考に調節してください)

冷凍パイシートを使うパイなら、フィリングもフライパン一つで作れて、思いの外コンパクトに作ることができます。オーブンに入れたら、部屋中に漂うバターの香りに包まれながら、ビールでも開けてゆったり焼き上がりを待ちましょう。

フィリングにはあらかじめ熱を加えてありますから、パイ生地が膨らんでお好みの焼き色が付けば、焼き上がりです。

まずは焼き立てを、熱々のうちにぜひどうぞ。
お皿の上でナイフとフォークを使っても、もちろんカジュアルにがぶっとかじりついても。手で持つ場合には、パイ生地が散らからないように、紙で包むと食べやすくなります。

食感はサクッと軽いけれど、バターたっぷりのパイ生地はやはり食べ応えがあります。今回作ったサイズは、1個でも軽めのお昼に丁度良いくらいのボリューム感です。

パイを温め直すときは、オーブンで5〜10分焼き直すか、オーブントースターの場合は表面が焦げやすいのでアルミホイルをかぶせて温めると、サクサク感が戻ってまたおいしく食べられます。

もしも魔法の隠し味を言い当てられたら、相手を素直にほめながら、そんな時間も食事と一緒に愉しんでください。

それでは今日はこのへんで。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

お読み頂きありがとうございます。 これからもおいしいお料理とおいしいお酒をたくさんお届けします。