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テレビドラマ版『シンデレラ・コンプレックス』感想
※本記事ではテレビドラマ『シンデレラ・コンプレックス』および、原作版について、ネタバレ配慮なく書いていきます。そういうのを読みたくない方はご注意ください。
各話22~24分、全7話。2024年2月~4月にテレビ放送されました。
原作の『シンデレラ・コンプレックス』と言えば、荒唐無稽でツッコミどころ満載な漫画であり、それを地上波テレビドラマにするなんて一体どうなってしまうのかと思いましたが、意外と原作に忠実な内容でした。由良の整形や下腹部のタトゥーといった実写では再現不可能な箇所はさすがに回避していて、厳しく言えば不完全な映像化ではありますが、それでもかなり原作通りだったように感じます。
【お仕事】
— 古都こと ☾ KotoFurumiya (@daio_tmtm) February 21, 2023
漫画『シンデレラ・コンプレックス』第一章で担当したキャラクターデザイン・衣装デザインをpixivにまとめました。
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また、原作をかなり駆け足で消化しており、テレビドラマ版には登場しなかった原作キャラクターもいたりするのですが、そうしてでさえ原作第1部の最終話まで到達できなかったので、仕方がないところでしょう。
そして、テレビドラマ版は原作では主人公だった舞が主人公ではなく、由良と陽介のW主演であり、原作とは違うといったことが繰り返し強調されていましたが、大枠では原作からの変更点が少なく、原作既読でもそう大して違和感がありませんでした。
何より驚いたのは、原作から主役格に昇格させ、人気のタレントさんを配役した陽介の扱いが「これじゃ原作よりもひどいんじゃないか?」ぐらいの忖度のなさであり、最終話で上から蹴り飛ばされたシーンには笑いを禁じえませんでした。
確か、原作の陽介はあそこまで父親に頭が上がらなかった記憶はないのですが、ドラマ版は父親の恐怖支配でああいう人間になったという印象を与えるまとめ方で非常に良かったと思います。
そうは言ってもやっぱり後1~2話は欲しかった問題
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テレビドラマ版の『シンデレラ・コンプレックス』はクリフ・ハンガー方式的に由良が舞を追ってきた姿を映して終わりました。原作でも似たような流れで舞の実家編が始まるので、残り1~2話あれば原作第1部は完走できたかかもしれません。
しかし、テレビドラマ版が看板にした陽介や工藤要といった登場人物は、舞の離婚後には原作でまったくと言っていいほど登場しなくなるため、商業的にこの続きが製作されるのは不可能でしょう。
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とはいえ、本作の存在そのものである由良の、過去を語る「前園由良の過去」は本来欠いてはならないエピソードであり、これを読まずしてタイトルの意味を解することもできません。
まあ、ぶっちゃけた話、由良が舞に粘着する理由というのを明確に回答できる読者はほとんどいなかったりもするのですが、それでも由良の悪魔的魅力というのは彼女の過去抜きには完成しないでしょう。
原作第1部は、舞が(強引な聖女ムーブを発動して)由良の命を救うことにより物語を完結させました。テレビドラマ版もそのあたりの流れまでを再現して終われば、由良と舞との和解エンドとしてスッキリしたものになったと思います。ただ、ここまで書いたように、出番のない登場人物の問題を乗り越えようがないのが非常に残念なところであります。