寂しさの解剖学
私の感じる寂しさは、度を超えているように感じるが、「度」を人と比べるわけにもいかないので、自分でそう思っているだけかもしれない。一人でいるときの孤独にはまだ耐えられる。私が一番寂しさを感じるのは、むしろ人と一緒にいるときだ。それは「この先必ず別れなければいけない」という気持ちからくる、いわゆる「分離不安」というやつである。私は昔からこれが非常に強く、人とうまく別れられずに過呼吸になったりし、救急車を呼ばれ、その相手から愛想をつかされるということを50回以上はやってきた。「学ばないな」と思われるかもしれないが、学びようがなかったのである。自分なりに「学んだ」結果として、親友ひとりを別として他のすべての人の連絡先をブロックし、誰とも一切会わないという選択肢をとった時期が5年ほどあった。ちょうどコロナ禍とも重なり、ふつうの人たちの間でも疎遠になることは多かったと思うので、その波に紛れて、という感じだ。
今年に入って、おそるおそる人との交流を再開してみた。まだ始めて2ヶ月で、正直ストレスもかなり感じつつではあるが、まだトラブルは起きていない。自分の分離不安を断ち切って、強い人間になりたい。