【食エッセイ】「あんかけチャーハン」という欲望について
昨日、セブンイレブンの「赤麻婆チャーハン」を食べた。
改めて確認するまでもないが、チャーハンは、味ごはんである。味のついたごはんである。そのチャーハンに、更に味のついた麻婆豆腐をかける。なんということだ。
「あんかけチャーハン」とは、人類の肥大化した欲望の究極形態ではないか。私はそれに警鐘を鳴らしたいわけではない。むしろそれの虜になりつつあることをここで告白したい。
思えば、中華スープをレンゲですくったのち、チャーハンをかっさらって食べるあのビチャビチャ感が大好きだった。あれもチャーハンにスープを累乗したいという我々の「人間的、あまりに人間的な」リビドーなのだろうか。
ラーメン+チャーハンを食べる人も、今の私には可愛くて仕方ない。おっさんであっても頭をよしよししたい。人間的な人間は、素敵だ。人類よ、ただのチャーハンに飽き足りるなかれ。己の人生をあんかけチャーハンで飾りたまえ。そんな鬨の声が聞こえてくる。