天使たち妖精たち―精神世界の霊的存在
最初に書いておきます。ルドルフ・シュタイナーの思想を理解したいと思う人以外は、本書を読む必要はありません。
ルドルフ・シュタイナーは、二十世紀の初めに活躍した、偉大な思想家です。一般的には、「シュタイナー教育」の人として、知られるでしょう。
偉大な思想家だからといって、すべての人が、彼の思想を理解しなければならないわけではありません。むしろ、大部分の人にとっては、本書は、用のないものだと思います。
シュタイナーは、まっとうな科学と、オカルト科学との間を生きた人でした。本書には、彼のオカルト科学の面が、強く表われています。
何しろ、彼は、「天使や妖精と呼ばれるものが、実在する」と信じています。
例えば、本書の中で、「植物が育つのは、ウンディーネやシルフと呼ばれる妖精たちの働きがあるからだ」と、大真面目に主張しています。
根拠は、彼がそう感じたからです。誰にでもわかる物証は、ありません……。
彼は、思想家であると同時に、いわゆる「霊感の強い人」でもありました。彼の感覚には、確かに、天使たちや妖精たちが、生きているものとして、とらえられていたようです。
このような彼の思想を、「宇宙の真実を表わしている」と見るか、「ただの妄想」と見るかは、人によるでしょう。
「ファンタスティックだけれど、人生の真理の一面を表わしている」という見方も、あるかも知れません。
彼の天使や妖精の解釈は、伝統的なヨーロッパの伝承に忠実な部分と、彼の独創の部分とがあります。
伝統的なキリスト教の「三位一体の神」の概念が出てきたかと思えば、突然、古代インドの神々の概念が出てきたりするので、普通の人は、面食らうでしょう(^^;
伝承としての天使や妖精を調べたい方は、この点に注意して下さい。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
編訳者はしがき
妖精たちと自然界
根の妖精
地中の旅
土の精グノームの知
化学者ウンディーネ
空気の精シルフと鳥
など
妖精たちと動物界
自然界の別面
注意深いグノーム
眠りの世界
夜のウンディーネ
朝のシルフ
など
妖精たちの合唱
地中を闊歩するグノーム
グノームと月
グノーム連邦
死に憧れるウンディーネ
天使に呼吸されるシルフ
など
土の精と水の精
物質界と精神界
精神科学の研究
自然界の背後
青空を見る
草原と雪原の彼方
など
空気の精・火の精・地球の神霊存在たち
輝いては消える空気の精
種子を守る火の精
修行
地球のエーテル体とアストラル体
周期の霊
など
下級三隊と中級三隊の天使たち
通常の意識と別様の意識
第二段階の透視
対象のなかに入っていく
中級三隊の天使たち
下級三隊の天使たち
など
上級三隊の天使たちと三位一体の神
第三段階の透視
座天使と智天使
熾天使【してんし】
天使たちの性格
上級三隊の天使たち
など
人間が精霊を救済する
古代インドの科学
外的な熱と内的な熱
火と光と煙
魔法にかけられる精霊たち
人間のなかに入ってくる精霊たち
など
補遺 天使の仕事
その一 天使は人間のアストラル体のなかで何をするのか
その二 天使と人間の関係
その三 睡眠中と覚醒時における運命の形成
その四 人間と宇宙存在との出会い
編訳者あとがき
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