八重山旅行記②
南十字星
日本では石垣島からしか観測出来ないと言われていた南十字星。
観測出来る時間が4時半とホテルのフロントに書いてあったので、目覚ましを掛けて浜辺まで行く。
東京と同じくらい寒かった。
おーあれが南十字星だなと思って見ていたが、実は半分以上海に沈んでいた。
でも見れたから満足だ。
寒さに耐え切れず部屋に戻り二度寝をした。
冬の星空観測は結構しんどかった。
朝食
ビーチサンシャインホテルの朝食はブッフェ形式。
品数は少ないけれども沖縄らしいメニューもあり満足だった。
ビーチコーミング
2日目の朝は早い。
8時にロビーに集合してまずはビーチコーミングへと向かう。
宮良海岸という地域へバスで行く。
地元のガイドさんと合流し、住宅の間の細い道を歩きながらビーチへ向かう。
道端に生えている木々や草花は石垣の固有種だったり関東では高値で取り引きされている観葉植物の様だ。
何気なく生えてる草花の解説を聞くのは面白かった。
嗅いでみな〜食べてみな〜なんて言って、簡単にちぎって渡して来るガイドのおじいの親しみやすい事。
まん丸の珊瑚や貝殻を拾ったりして自由に過ごす。
巻貝は中にヤドカリが住んでるかもしれないから気を付けてね、なんて言われた。
若い女の子は流木を拾っていた。
インテリアとか作ったら可愛いだろうな。
森の中でヨガ
東京の自由が丘と横浜にある、結構有名なヨガスタジオの様だ。
このヨガに参加したくてこのツアーに応募した人もいるらしい。
ハーブ園とカフェが併設されており、全体的にチルな雰囲気が漂っている。
泊まり込みの合宿が出来てヨガのインストラクター養成講座なんかもあるらしい。
人生に疲れたOLさんがいきなり仕事を辞めてヨガのインストラクターか若しくはアロマテラピストになる典型的な流れを私は日々羨ましく思っている。
私がインストラクターになるならここに通おうと密かに決めた。
室内に入るとウッディな雰囲気のスタジオにヨガマットが広げられてらいた。
ヒーリング音楽がかかっていて、何だか凄く本格的な雰囲気だった。
目の前は一面がガラス張りになっており、森が広がりその先に海が広がっている。
この日は天気が良かったので空と海のコントラストが美しかった。
そこからインスタLIVEにも頻繁に出演されているらしいヨガインストラクターの先生のもと、約1時間ほどの初心者向けのヨガクラスが始まった。
最初は呼吸の練習から行う。
胸を大きく広がる様に沢山吸って、吐く時はお腹がぺたんこになるまで吐き切る。
それを繰り返すだけで身体が温まって来た。
呼吸をマスターしたら次は座りながら行うポーズ。
続いて寝そべったまま行うポーズ。
次に立ち上がって行うポーズを行い、最後は「太陽礼拝」と呼ばれるポーズを流れる様に行って行く。
緑が広がる景色を眺めながら行う太陽礼拝は清々しい気持ちになった。
ヨガのクラスでは最後にシャバーサナ(屍のポーズ)と呼ばれるポーズを5〜10分行いクールダウンを行う。
様々なポーズを行いほてった身体を落ち着かせる時間だ。
昨日の星空や今朝の朝日、早起きをして自然の中を散歩したひと時、穏やかな海の波音、温かい日差し、森の中のヨガ…石垣の自然よありがとう…
大地の恵みに感謝をしながら自分自身と向き合っていると、遠くからいびきの様なものが聞こえて来た。
と言うか、いびきだ。
思わず吹き出しそうになったが何とか我慢した。勝手に決め付けてはいけないが、埼玉から来たご夫婦(私は埼玉さんと呼んでいた)の旦那さんだろうと推測した。
仕方ない。それだけ癒されたと言う事だ。
ぬちぐさカフェでランチ
全くリラックス出来ないシャバーサナを耐え抜き、その後はお待ちかねのランチである。
ヨガスタジオに併設されているぬちぐさカフェでランチを頂く。
カフェに入り席に着く時に、40代のママと19歳の大学生の女の子の2人組が「詰めれば座れるから、こっちに座る?」と声を掛けてくれたが、奥の席に丁寧に私用の一人席が用意されていたので丁重にお断りをした。
島野菜をふんだんに使い、ハーブ園で取れたパクチーや葉物野菜も入っているなんとも健康的なランチプレートだ。
食後には各々の好みでブレンドしたハーブティーを頂いた。
私はハイビスカスにレモングラスを入れて酸っぱい系のハーブティーをブレンドした。
バタフライピーと呼ばれる青いお花をブレンドするとびっくりする位綺麗な青いお茶の色になっていた。
さっきの親子のママさんが「赤いの綺麗だから、私の青いやつと一緒に写真撮ろう。」と声を掛けてくれた。
そこから食後40分間は自由時間となり、参加者の人達は庭を散歩したり海へ下ったりしていた。
私は何となくそのままカフェに残り、ハーブティーをちびちび飲んでいると先程のママさんが声を掛けてくれた。
「どこから来たの?」
「東京です。」
「私達も横浜だから関東組だね。お姉さんはなんで参加したの?」
「たまたまネットで見付けたんです。」
「そうなんだ。てっきりヨガインストラクターかインスタグラマーなのかと思った。」
「ただの会社員ですよ。」
「私達親子は添乗員のMさんとインスタ繋がりで
犬友なんだ。」
「そうなんですね。娘ちゃんは大学生ですか?2人きりで旅行なんて仲良いですね。」
「音大に通う19歳です。」
「お姉さんはどんなお仕事してるの?」
「エアライン関係です。」
「もしかしてCAさんですか?!仲良くしてください!」と、カフェの隅で書類仕事をしていた添乗員のMさんが会話に飛び入り参加して来た。
私「勿論です、仲良くして下さい。」
ママ「私も仲良くしたいな〜と思って沢山話し掛けちゃってごめんねぇ。」
娘「え、うちも話聞きたい。CA憧れる。」
そんなこんなで、女子4人でおしゃべりをしていたら40分はあっと言う間に過ぎてしまった。
立派なヤエヤマヤシ
ランチの後は八重山にしか生息しないと言われている固有種のヤエヤマヤシを見に行った。
ちょっとした(本当にちょっとした)トレッキングコースになっており、13人でゾロゾロとお散歩をした。
正直さびれた観光地なのだが、ランチで膨れたお腹を落ち着かせるにはちょうど良い運動になった。
他にも、行く所がなく仕方なく訪れたらしい観光客がちらほらいた。
13人の集団が真剣に添乗員のMさんの解説を聞いているのを「そんなレアなん?」と不思議そうに眺めていた。
一周して戻って来たらまた自由行動。
さとうきびジュースやパイナップルジュースが魅力的だったが現金を持っていなかった私は断念した。
パイナップルジュース、飲みたかった。
時間まで暇だなと花や木の写真を撮っていると、女性2人組が話し掛けてくれた。
「何をきっかけに参加されたんですか?」
「ネットです。」
「私達は先輩が横浜のヨガスタジオに通っていて、このツアーを知って誘われたんですよ。」
「あのヨガスタジオ、凄くお洒落でしたよね。」
「お姉さんも絶対ヨガ関係だと思ったんですけど、違うんですね。『自由が丘スタジオの人だねきっと』って話してました。」
「違うんですよ。有り難い推測、ありがとうございます。」
またヨガ好きのインスタ好き女子だと勘違いされてしまった。
女性2人組は都内で看護師をしていて、婦長に嫌味を言われながらも何とか長期休暇を取って旅に参加したのだと言う。
やはり、皆んな謎の女が1人でツアー旅行に参加している事に興味津々の様だ。
今後も、他の参加者の方々とこの様なやり取りが何回か繰り返される。
やちむん作り
最後はやちむんと呼ばれる焼き物作り。
先生自ら石垣島の土を採取して、石垣で採れたサトウキビやヤシの灰を配合して塗り薬を作って焼いているそう。
私達は濃いグレー色のやちむんを作る事になった。
先生がお湯呑み器の見本を作ってくれたのだが、ものの5分でちゃちゃっと作ってしまい、そんな簡単なのかと勘違いしそうになる。
「ぐい呑みを作りたければ粘土を減らしますよ。」と言われて私は真っ先に粘土を減らして貰った。
先生の様に5分で作れる訳もなく、多分1時間くらい作っていた気がする。
他の参加者の皆さんは、お湯呑みは諦めてもっと簡単な平たいお皿を作っている人が多かった。
更に高台を付けるとなると難易度が上がるので、諦めて付けない人が殆どだった。
気付いたら私だけが先生とマンツーマンで作成していて、他の方々は庭で犬と遊んだり談笑していた。
先生は奥からロクロを取り出して私に使い方を教授してくれ、一人だけなぜか本格的にぐい呑みを作っていた。
「完成しました!」
と私が参加者の皆さんに報告すると、なぜか皆んなで拍手をしてくれた。
お待たせしてごめんなさいね。
届くのは数ヶ月後。
「楽しみにしてます。」
と先生に告げて帰った。
大切に使います。
忘れていたかもだけれども、これはSDGsツアー。
ビーチサンシャインホテル再び
2日目の宿泊も同じくビーチがサンでシャインなホテルへ。
この日も前日行ってお気に入りだったココナッツテラスへ夕食を調達しに行った。
マグロ海ぶどう丼なるものをテイクアウトしたかったのだが、生物はイートインのみとの事なので頂いて帰る事に。
お腹も一杯になり、ホテルに戻りサンセットを眺めながらこの日もオリオンビールで乾杯。
大浴場も良かったけど、立派なバスタブがあったのでこの日は部屋風呂でゆったり過ごした。
アメニティはジョンマスターオーガニックで髪の毛から良い香りがした夜だった。